「宮沢賢治童話の象徴性を大事にして、猫のキャラクターで描きました」杉井ギサブロー監督インタビュー

PR TIMES / 2013年8月5日 11時36分



WOWOWでは、この夏、70歳を越えてなお精力的に活動を続ける杉井ギサブロー監督を特集。

宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』をアニメ映画化した杉井ギサブロー。主人公を猫のキャラクターとしたことは画期的であった。その理由とは?
「ジョバンニなど無国籍な名前で世界観をつくり、内面的な心の問題をテーマにしている作家が宮沢賢治です。読者の解釈を妨げないよう具体的な描写は避けて、象徴性を大事にしている。日常世界をシンボリックに置きかえ、解釈は受け手に“どうぞ”とゆだねているわけですね。でもこれを人間で映像化すると、ナマっぽくなり過ぎると思いました。そんな時に、ますむらひろしさんが描いた『銀河鉄道の夜』の絵本を知り、“猫ならあの透明感が出せるぞ”と思ったわけです」
最新作『グスコーブドリの伝記』でも、そのスタイルが踏襲された。今回は自然災害の中で飢饉が発生し、大事な家族を失っていく少年の姿が描かれている。
「たとえ生命が失われたとしても決して消えてしまうわけではない。違う次元で人の魂は生き続ける。賢治は“生と死”という分け方をしていないと思うんです。それを賢治独特の幻想世界を通じて映画化できないかと思いました。もうひとつは“人間と自然と科学”の関係を見直していきたいという願いもこめています。制作中に東日本大震災が起きて、あまりにも作品とシンクロしているのでショックを受けました。やはり人間が自然のなかで生きていくということを、もう1回見直す時代がきたんでしょうね」
ドキュメンタリー映画『アニメ師・杉井ギサブロー』で描かれたように、杉井監督のキャリアは『白蛇伝』から『鉄腕アトム』を経て半世紀以上に及ぶ。その間の変化はどう見えているのか。そして、今後の展望は?
「やはりコンピュータという道具は大きくて、映像表現はものすごく幅が拡がりました。ただ、僕は人が手で描いて動きをつくることに、温かみや味を感じます。それとアニメは50年の間にうまくなったものの、手慣れてしまったかなと。映画、芸能の一翼をになっている僕たちとしては、道具や状況に手馴れず鮮度を求め続けるべきでしょう。それがエネルギーになる気がします。今後ですが、僕は宮沢賢治はものすごくユーモラスな人だと思っています。できればその一面を猫キャラクターで描き、賢治作品を3部作にしたいです。僕としては作品毎にアニメーションの表現を変えてつくっているつもりなので、今回まとめて何本か観ていただき、その違いを楽しんでいただけると嬉しいですね」
(取材構成:氷川竜介)

杉井ギサブロー監督インタビュー動画【W流】⇒http://st.wowow.co.jp/

杉井ギサブローの世界へ(WOWOWプライム)
<ラインナップ>
銀河鉄道の夜 8/8(木)夜7:50
あらしのよるに 8/9(金)夜7:50
アニメ師・杉井ギサブロー 8/10(土)夜6:35
グスコーブドリの伝記 8/10(土)夜8:10
(C) 2012「グスコ-ブドリの伝記」製作委員会/ますむら・ひろし

<関連番組>
WOWOW「アニメに出会う60時間」オフィシャルサイト
http://www.wowow.co.jp/anime/60/

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