新型コロナウイルス:最大22億本の注射器不足の見込み~ワクチンの供給に追い付かず【プレスリリース】
PR TIMES / 2021年10月29日 18時15分
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【2021年10月27日 ニューヨーク発】
2022年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種の目標達成に向けて、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、下記の声明を発表しました。
* * *
今、行動を起こさなければ、世界は2022年末までに深刻な新型コロナワクチン用の注射器不足に陥り、パンデミックを終息させるための世界的な取り組みが悲惨な結果となる可能性があります。
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先月、国連総会の傍らで開催されたワクチンサミットにおいて、新型コロナワクチンの世界的な供給を支援する人々は、新たな目標を掲げました。それは、2022年までに、全ての国で人口の少なくとも70%にワクチンを接種することです。この野心的な目標は、新型コロナワクチンへのより公平なアクセスを実現するためのものです。
しかし、ワクチン接種を一斉に推し進めるためには、同じように、接種に必要な注射器も入手できるようにしなければなりません。
ユニセフはパートナーと緊密に協力しながら、主導的な役割を果たしています。ワクチン接種の開始に備え、2020年以降、需要に応じて3倍の個数の注射器を発注し、GAVIの資金提供によって備蓄した5億本の注射器も含め、約30億本の使い捨て注射器を確保できるようにしました。
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これまでのところ、ユニセフ経由で供給される注射器のニーズ増加に十分応えられる供給量がありました。しかし、ユニセフの推計では、来年のワクチン供給が滞りなく行われると仮定した場合、ワクチン接種の新たな目標を達成するために、最大で22億本の使い捨て注射器が不足する可能性があるとされています。この不足分は、世界保健機関(WHO)やユニセフのガイドラインで定められている、再利用防止のために接種後に自動ロックされるタイプのものに限られます。低・中所得国においては、安全にワクチン接種を行うために、このタイプの注射器が重要であるため、不足した場合の影響はかなり大きくなることが想定されます。なお、高所得国で使用されている標準的な注射器については、大幅な供給不足にはならないと考えられています。
予測される不足量は、需要の大幅な増加、国際的な貨物運送およびサプライチェーンの混乱、ワクチン寄付に大きく依存することによる不安定なワクチン供給、注射器の輸出を各国が禁止していることなどによるものです。
この状況を回避するために必要な、緊急かつ実現可能な6つの行動は下記の通りです。
ほとんどの新型コロナワクチンや定期予防接種に使用されている標準的な0.5mlの使い捨て注射器と、ファイザー・ビオンテック製の新型コロナワクチンに使用されている0.3mlの注射器の両方の供給網を拡大する。これには必然的に、品質が保証された関連製品のメーカーによる生産量の増加が必要となる。
より確実で予測可能なワクチンの供給によって、限られた供給量の注射器を最大限に活用する。
ワクチンの出荷と同様に、国際貨物輸送業者による注射器の出荷にも優先順位をつける。
注射器ナショナリズムや、切実に必要とされている安全な注射器の囲い込みを止める。
地域の予防接種キャンペーンおよび新型コロナワクチン展開の計画と時期を見直す。これによって、世界的な予防接種キャンペーンの公衆衛生上の影響を最適化し、世界中の重要な予防接種活動に大きな影響を与えずに、世界的な注射器の供給を最大限に活用することが可能になる。
使い捨て注射器の次なる代替品として、WHOとユニセフのガイドラインに基づく被支援国の政策に沿った、品質が保証された再使用防止(RUP)注射器の使用拡大を検討する。
私たちは、米国、COVAX、PATH、ドナー、注射器メーカーなどの主要なパートナーと協力して、この状況に対処するために必要な行動をとっており、今後も進捗状況を確認していきます。既存の取り決めを最大限に活用し、2022年の目標に向けてステップアップできる注射器メーカーと、新たな契約を結ぶべく努力しています。
注記:
予測される不足量は、ユニセフによる注射器の供給量の市場予測に基づいています。この調査は理論的なものであり、COVAXが様々な手を尽くし、2022年にワクチンの供給が妨げられず、各国でワクチンを受け入れる体制が整っていることを前提としています。各国のワクチン需要が少ない場合、注射器の需要も少なくなるため、結果として、不足量は少なくなる可能性があります。
* * *
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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