日本初! ドロップアウトした少年たちが、捨てられた犬を訓練することで成長していく、八街少年院の取り組み。
PR TIMES / 2018年9月16日 11時1分
八街少年院でスタートしたGMaC(ジーマック)と呼ばれるプログラム。社会からドロップアウトした少年たちと、動物愛護センターなどに保護された「保護犬」が、3ヵ月の訓練をとおしてともに成長していく姿を追う――。
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【概要】
2014年7月、千葉県の八街少年院で、「GMaC(ジーマック)」と呼ばれる画期的な取り組みがスタートした。
Give Me a Chance(ギヴ・ミー・ア・チャンス=ぼくにチャンスを)から名付けられたそのプログラムでは、非行をして少年院に送られた少年たちが、動物愛護センターなどに保護された「保護犬」を3ヵ月にわたって訓練する。少年たちによって「家庭犬」となるための基本的な訓練を受けた犬たちは、訓練を終了した後、希望する家庭に引き取られていく。
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GMaCは、犬や猫の社会的殺処分ゼロをめざす公益財団法人ヒューマニン財団と八街少年院の協働でおこなわれている。捨てられた犬たちを救うこと、そして、犬を救う過程を少年たちに担ってもらうことで、彼らに社会復帰のきっかけをつかんでもらいたい――そんな願いを込めて創られたプログラムなのだ。
第一期には3人の少年が参加した。そのひとり、リョウ(仮名)は18歳のときに振り込め詐欺グループに加わり、だまし取った金を持ち逃げした者たちを追いかけて暴行するなどし、八街少年院に来ることになった。
それまで人を信頼できず、心を開かなかったリョウだが、担当犬のロンを訓練するうちに、「犬には心を開ける」と話すようになった。
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「たいていの人って本音言わないじゃないですか。でも、犬って全部出してくれるじゃないですか、偽りなく。だから受け入れられる」
当初は感情を見せず、石のように無表情だったリョウも、3ヵ月のプログラムが終わる頃には、見ちがえるほど素直な表情を見せるようになった。ロンとの訓練の日々を経て、リョウが大きく変わっていく姿からは、閉ざされた心を開く犬の力を感じさせられる。
八街少年院を出院したリョウはその後、自分の会社を立ち上げて、少年院や刑務所を出た人たちの社会復帰を応援する「協力雇用主」になっている。
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犬との触れ合いをつうじて、一度は社会からドロップアウトした少年たちが成長していく過程を綴ったノンフィクション『ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発』(大塚敦子/著)が、9月15日、講談社より発売される。
(写真/大塚敦子)
ギヴ・ミー・ア・チャンス 犬と少年の再出発
大塚敦子/著
定価:本体1300円(税別)
ISBN978-4-06-513000-1
大塚敦子(おおつか あつこ)
1960年和歌山市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。パレスチナ民衆蜂起、湾岸戦争などの国際紛争の取材を経て、死と向きあう人々の生き方、自然や動物との絆を活かして、罪を犯した人や紛争後の社会を再生する試みなどについて執筆。
『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で、2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞。『〈刑務所〉で盲導犬を育てる』(岩波ジュニア新書)、『はたらく地雷探知犬』(講談社青い鳥文庫)、『いつか帰りたい ぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』(小学館)、『犬が来る病院 命に向き合う子どもたちが教えてくれたこと』(KADOKAWA)など著書多数。
島根あさひ社会復帰促進センター動物介在プログラムアドバイザー。
法務省「少年院における動物(犬)介在活動等検討会」委員(H24-26、H28)
ホームページ:www.astsukophoto.com
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