ガザ、栄養不良で死亡する子どもが増加 【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年3月4日 17時15分
ユニセフ地域事務所代表声明 「恐れていたことが現実に」
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【2024年3月3日 アンマン(ヨルダン)発】
ガザ地区で栄養不良により子どもが亡くなっている状況を受け、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルが声明を発表しました。
* * *
ガザ地区で、栄養不良により子どもの命が奪われるという、私たちが恐れていたことが現実となっています。
ガザ地区北部のカマル・アドワン病院では、ここ数日で、少なくとも10人の子どもが脱水症と栄養不良のために亡くなったと報告されています。また、ガザに残された数少ない病院のどこかで、今も多くの子どもが生きるために懸命に闘っていることでしょう。北部には、さらに大勢の子どもが全く手当てを受けることができないでいる可能性があります。
このような痛ましく悲惨な死は、人為的なものであり、予測可能であり、十分に防ぐことができるのです。
地区の広範で栄養のある食料、安全な水および医療が欠乏しています。これは国連諸機関の人道支援活動が直面している、アクセスの妨げと幾重もの危険な状況の直接的な結果で、とりわけガザ地区北部では、母親が赤ちゃんに母乳を与えることができなくなり、子どもと母親に影響を及ぼしています。人々は飢え、疲弊し、トラウマを抱えています。多くの人が生きることに必死です。
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北部と南部の状況に見られる差は、北部での支援の制限が人命を犠牲にしているという明らかな証拠です。ユニセフなどが1月に北部で実施した栄養不良検査で、2歳未満の子どもの16%近く、つまり6人に1人が急性栄養不良であることがわかりました。支援がより行き届いている南部のラファで実施された同様の検査では、急性栄養不良の2歳未満の子どもは5%でした。
ユニセフのような支援機関は、人道危機を好転させ、飢饉を防ぎ、子どもたちの命を守ることができなければなりません。そのためには、ガザ北部を含む、越境できるすべての場所からの支援物資搬入を可能にするような、信頼できる複数の越境地点が必要です。また、支援物資を拒否や遅滞、アクセスへの妨害なくガザ全域に大規模に配布するための安全の確保と妨げのない経路が必要です。
ユニセフは昨年10月からずっと、人道危機が発生し、それを放置すれば、ガザの死者数は指数関数的に増加すると警鐘を鳴らしてきました。状況は悪化の一途をたどるばかりで、その結果、先週私たちは、急拡大する栄養危機が解決されなければ、子どもの死の爆発的な増加は目前に迫っていると訴えました。
そして、私たちが恐れていた子どもの死は現実となりました。その数は、戦争が終結し、人道支援への妨げが直ちに解かれない限り、急速に増えていくでしょう。
子どもの命を助けることのできる支援がたった数キロ先にあるのに、それがそこに留められていることに気づいた親や医師たちの無力感と絶望感は、耐え難いものでしょう。しかし、世界がただ眺める中、ゆっくりと命を落としていく赤ちゃんたちの苦悶の叫びは、それ以上に辛いもののはずです。さらに大勢の赤ちゃんと子どもの命が、今、緊急に行動が取られるかどうかにかかっているのです。
* * *
■ ガザの最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/gaza/
* * *
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.org/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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