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低エネルギークロロフィルdを有するAcaryochlorisの光化学系I複合体の特性解析〔静岡大学、岡山大学、理化学研究所〕

PR TIMES / 2024年7月5日 10時15分

国立大学法人静岡大学と国立大学法人岡山大学、理化学研究所の共同研究成果プレスリリースです



2024(令和6)年 7月 4日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/

[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/2322/resize/d72793-2322-1f32b00162c011a63900-0.jpg ]



<発表のポイント>
低エネルギー クロロフィルdを持つAcaryochlorisから光化学系I単量体と三量体の精製に成功しました。

光化学系I単量体と三量体で低エネルギークロロフィルdの組成や配向が異なることを示唆しました。

低エネルギークロロフィルdの多様性はAcaryochloris種の進化を 解明するうえで重要なのかもしれません。




◆概 要
 静岡大学農学部の長尾遼准教授の研究グループは、岡山大学の沈建仁教授 、理化学研究所環境資源科学研究センターの堂前直ユニットリーダーらと共に、 低エネルギークロロフィルdを有するシアノバクテリアAcaryochloris sp. NBRC 102871(以下、 NBRC102871)から光化学系I(PSI)単量体と三量体のそれぞれを精製し、分子特性を明らかにしました。

 紫外可視分光スペクトルおよび蛍光スペクトルにより、 PSI単 量体と三量体のそれぞれで低エネルギークロロフィルdが 観測されました。しかし、それらのスペクトル特性は大きく異なりました。

 PSIの単量体間相互作用の影響により、クロロフィルd周辺で構造変化が生じた結果 、PSI三量体と単量体において、異なる低エネルギークロロフィルdの形成が示唆されました。これは、多様な低エネルギークロロフィルdを有するAcaryochloris種の特徴です。

 クロロフィルdは、Acaryochloris種のみが有しています。その他のシアノバクテリア、藻類、陸上植物といった酸素発生型光合成生物は、クロロフィルdを持ちません。

 我々は2023年にAcaryochloris marina MBIC 11017(以下、 MBIC11017 の PSIを分析しましたが、NBRC102871ほどの低エネルギークロロフィルdは観測されませんでした。このように、特殊な生物群であるAcaryochloris種のPSIに結合する低エネルギークロロフィルdは多様であることを見出しました。

 本研究で得られた研究成果は、Acaryochloris種の進化を理解するうえで重要な知見となります。
 
 なお本研究成果は、2024年6月27日に、シュプリンガー・ネイチャーの発行する国際雑誌「Photosynthesis Research」に掲載されました。

[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/2322/resize/d72793-2322-a686ef04d10dbd4eced6-1.jpg ]



◆研究者コメント:静岡大学 農学部 准教授・長尾遼(ながおりょう)
 私の研究室では光合成生物の見た目の色の違いについて分子レベルで研究しています。クロロフィルdを有するAcaryochloris種は本当に不思議な生物群です。なぜ他の光合成生物が利用しているクロロフィルaを利用しなかったのか?そんな素朴な疑問を解明するために本研究を行いました。今回の成果でその一端を明らかに出来たと思います。


◆論文情報
 論文タイトル: Presence of low-energy chlorophylls d in photosystem I trimer and monomer cores isolated from Acaryochloris sp. NBRC 102871
 DOI: https://doi.org/10.1007/s11120-024-01108-3


◆詳しい研究内容について
 低エネルギークロロフィルdを有するAcaryochlorisの光化学系I複合体の特性解析
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240704-1.pdf


[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/2322/resize/d72793-2322-3dd78a3685c36893f86f-2.png ]



◆本件お問い合わせ先
 <研究に関すること>
 静岡大学 農学部 准教授 長尾 遼
 TEL : 054-238-4251
  https://linktr.ee/ryonag

 <報道に関すること>
 静岡大学 広報・基金課
 TEL : 054-238-5179

 岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL : 086-251-7292

 理化学研究所 広報室 報道担当
 TEL : 050-3495-0247

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

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[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/2322/resize/d72793-2322-7374e5bb479c069e4fd5-4.jpg ]

[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/2322/resize/d72793-2322-d653755ff3143f09a3a9-3.jpg ]

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html



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