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スーダン:世界最大の子どもの避難民危機「日々1万人が家を追われ」-ユニセフ広報官、国連定例会見で報告【プレスリリース】

PR TIMES / 2024年8月14日 16時45分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2394/5176-2394-104c6dc902fd1812c71be0d48ca9f409-1536x1152.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ユニセフの子どもにやさしい空間でサッカーをしているときに、砲弾の破片が当たり負傷した13歳のアブーさんと話すユニセフのエルダー広報官。(スーダン、2024年8月10日撮影) (C) UNICEF_UNI625366_Isamaldeen

【2024年8月13日 アトバラ(スーダン)/ジュネーブ発】

1年以上続く武力衝突の影響で、スーダンは深刻な人道危機に陥っています。ユニセフ(国連児童基金)などは今月1日、40万人以上が避難民として暮らす北ダルフール州のザムザム・キャンプで、飢餓の最も重い分類である「飢きん」の発生が確認されたと発表しました。

* * *

エルダー広報官は、スーダンのアトバラよりオンラインで参加した8月13日の国連定例記者会見において、子どもたちが置かれている危機的な状況について以下のとおり報告しています。

* * *
スーダンの子どもたちに対する人道的危機は、数値で言えば世界最大です。それはまた、世界が無視した結果の危機でもあります。スーダンの子どもたちに対する無数の残虐行為の多くは、アクセスが非常に制限されていることが大きな要因で、報告されていません。

土曜日の朝、地元の少年サッカーチームがハルツーム州にあるユニセフの「子どもにやさしい空間」でプレーしていたところ、砲弾がサッカー場を直撃しました。男の子2人が亡くなり、チームのほぼ全員が負傷しました。私は、病院と、ユニセフの「子どもにやさしい空間」の両方で、この子どもたちに会いました。彼らは今も取り乱した状態にあります。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2394/5176-2394-abd4ceaa91d0562886a89d5975c5dc6c-1536x864.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
爆撃により負傷し、病院で治療を受けるナルミンさん。紛争により祖母と兄と避難して来たが、木の下で眠る日もあるという。(スーダン、2024年8月10日撮影) (C) UNICEF_UNI625334_Isamaldeen

昨日、私は経験の深い医療従事者と話をし、この戦争における性暴力の被害の大きさを知りました。彼女は、性的暴行を受けた何百人もの女性や女の子――中には8歳の子も――と直に接し、彼女たちの多くは何週間も監禁されていた、と言いました。また、性的暴行の結果生まれ、捨てられた赤ちゃんは痛ましいほど多い、とも語りました。

スーダンでの戦いでは、何千人もの子どもが死傷しています。性暴力や徴用も増えています。そして、人道支援従事者が留まることを拒まれ続けている場所では、状況はさらに深刻です。

500万人の子どもが家を追われており、これは毎日平均1万人、という驚愕の数の子どもたちが住む場所を失っていることにあたります。スーダンでは世界最大の子どもの避難民危機が起きているのです。子どもたちの多くは何度も家を追われています。
この1年以上、スーダンの子どもたちはもう待てない、と私たちは繰り返し訴えてきました。そして今、彼らは死に瀕しているのです。ザムザム・キャンプで発生した飢きんは、飢きん調査委員会(FRC)によって7年以上ぶりに認められた飢きんです。20年前にモニタリングシステムが創設されて以来、世界でたった3度しか飢きんの発生は認められていません。

はっきりさせなければなりません。安全で妨げのないアクセスと、特に国境や戦線を越える上での障害の除去なくしては、今月スーダンの一部で発生が確認された飢きんはさらに広がり、子どもたちの命が壊滅的に失われる危険性があります。


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2394/5176-2394-433031593fed0927feed1b0610bd07ce-1536x1024.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ダルフールにある病院で、栄養不良の治療を受ける子ども。(スーダン、2024年8月12日撮影) (C) UNICEF/UNI625541/Jamal

この1年以上、スーダンの子どもたちはもう待てない、と私たちは繰り返し訴えてきました。そして今、彼らは死に瀕しているのです。ザムザム・キャンプで発生した飢きんは、飢きん調査委員会(FRC)によって7年以上ぶりに認められた飢きんです。20年前にモニタリングシステムが創設されて以来、世界でたった3度しか飢きんの発生は認められていません。

はっきりさせなければなりません。安全で妨げのないアクセスと、特に国境や戦線を越える上での障害の除去なくしては、今月スーダンの一部で発生が確認された飢きんはさらに広がり、子どもたちの命が壊滅的に失われる危険性があります。

ザムザムのほかに、スーダンの13の地域が飢きんの瀬戸際にあります。これらの地域では、すでに14万3,000人もの子どもが栄養不良の最も致命的な状態に苦しんでいます。専門家は死亡率の予測はしていませんが、現状を鑑みると、影響力のある政府やドナーは次のことを認識する必要があります。
対策を講じなければ、今後数カ月の間にスーダンの何万人もの子どもが命を落とすかもしれません。何万人という数は、決して最悪のシナリオではありません。疾病が集団発生すれば、死亡率は急上昇します。疾病は私たちが大きく恐れているものです。はしかや下痢、呼吸器感染症が発生した場合、現在の生活環境では、豪雨や洪水によってこれらの病気が野火のように広がることを考えると、スーダンの子どもたちの悲惨な先の見通しはさらに劇的に悪化します。

今、スーダンの子どもたちと家族に早急に必要なのは以下のことです。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2394/5176-2394-4625340dbf1dae32c0b4f2adc5b88332-1536x967.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ガダーレフにあるユニセフの子どもにやさしい空間で絵を描く国内避難民の子どもたち。(スーダン、2024年7月9日撮影) (C) UNICEF_UNI610769_Rajab

- 特にダルフール、ハルツーム、コルドファンの紛争地の戦線を越える、またスーダンの国境を通る、あらゆるルートを使った、妨げのない安全な人道的アクセス
- 国際人道法および国際人権法の遵守
- 最前線で職務に従事する人々への給与の支払い、命を守る物資の提供、重要なインフラの維持などによって、必要不可欠なシステムの崩壊を防ぐため、ドナーからの資金提供を大幅に拡大すること
- 即時の停戦

子どもたちにとってのこの複合的な大惨事の中で、ユニセフは現地にとどまり支援を続けています。2024年には、これまでに次のようなことを行いました。パートナーと共に、500万人の子どもとその家族に安全な飲み水を、300万人以上に重要な保健物資を、さらに300万人に栄養不良のスクリーニングを提供しました。またユニセフは、21万5,000人の深刻な栄養不良の子どもを治療するのに十分な量の栄養物資を、戦線や国境を越えた活動を通じて運び続けています。もっとアクセスがあれば、ユニセフとパートナーはどのようなことができるか、想像してみてください。

皆さまへの報告の最後に今一度触れたいのは、サッカーをしていた子どもの死についてです。キャプテンであり、チームで最も優れたプレーヤー、そして最も若い選手の一人であった彼の命は、砲弾の破片によって奪われました。彼のチームメイトに、次にまたいつサッカーをしたいか、と尋ねると、彼らの答えは一様でした。 「二度としたくない」と。

スーダンの状況に目をつぶり、計り知れない苦しみを無視することで、戦闘を続ける当事者と国際社会は、子どもたちに対する世界的な無関心の危険な前例を続けているのです。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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