子どもに対する暴力 世界で4分に1人が犠牲に【プレスリリース】
PR TIMES / 2024年11月6日 10時44分
ユニセフ、初の国際会議を前に緊急行動を呼び掛け
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2426/5176-2426-15d6d8563f12c37c589974d272602ac2-1536x1024.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「村で、家畜を放牧している時にレイプされました。羞恥心と恐怖心から誰にも言えませんでした」と語る15歳の女の子。その後妊娠していることが分かると、他の住民から責められ、村から排除された。国内避難民キャンプにたどり着き、子どもを出産した(エチオピア、2024年8月16日撮影) (C) UNICEF_UNI630219_Dejongh
【2024年11月4日 ニューヨーク発】
11月7日と8日に、世界のリーダー、市民社会、活動家、サバイバー、そして若者たちがコロンビアのボゴタで開催される初の「子どもに対する暴力根絶のための世界閣僚会議(Global Ministerial Conference on Ending Violence Against Children)」に集まる中、ユニセフ(国連児童基金)は、世界中の何百万人もの子どもの人生を脅かす暴力と闘うための緊急行動を呼び掛けています。
* * *
子どもに対する暴力は、身体的、精神的、性的であるかにかかわらず、家庭や学校、地域社会、またオンライン上で発生している世界的な危機です。その影響は深刻で、けが、性感染症、不安やうつ病などのメンタルヘルス上の問題、さらには死につながることもあります。幼い頃に暴力にさらされると、脳の発達に影響を与える有害なストレスが引き起こされ、攻撃的になったり、薬物乱用や犯罪行為につながったりする可能性があります。暴力を経験した子どもたちは、おとなになってからもトラウマと暴力の連鎖に陥りやすくなり、地域社会全体に影響が及びます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2426/5176-2426-3238ad6dad5212c0acb77d8294db4002-1536x1024.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
母親が性的暴行を受けて妊娠し、生まれたという9歳の男の子。紛争が続く東部地域では、暴力が激化して多数の人々が避難を強いられる中、特に子どもや女性に対する性暴力のリスクが高まっている(コンゴ民主共和国、2024年6月2日撮影) (C) UNICEF_UNI585640_Tremeau
ユニセフの子どもの保護部門長であるシーマ・セングプタはこう述べています。「私たちは、子どもに対する暴力のまん延、原因、そしてその代償を全面的に把握している最初の世代であり、効果的な解決策を知る最初の世代でもあります。予防、教育、支援活動への資金投入により、暴力の連鎖を断ち切り、子どもたちが安全でいられる世界を築くことができるのです」
入手可能な世界の最新データの概要は以下のとおりです。
- 4分に1人の割合で、世界のどこかで子どもが暴力行為によって命を落としています。
- 現在生存している約9,000万人の子どもが性暴力を経験しています。
- 現在生存している6億5,000万人の女の子と女性(5人に1人)が、子どもの時に性暴力を受けており、そのうち3億7,000万人以上(8人に1人)がレイプや性的暴行の被害に遭っています。
- 脆弱な状況下では、女の子はさらに大きなリスクに直面し、子どもの時にレイプや性的暴行を受ける割合は4人に1人強です。
- 15歳から19歳までの約5,000万人の女の子(6人に1人)が、過去1年間に夫やパートナーから身体的または性的な暴力の被害を受けています。
- 4億1,000万人から5億3,000万人の男の子と男性(7人に1人)が、子どもの時に性暴力を経験しており、そのうち2億4,000万人から3億1,000万人(11人に1人)がレイプや性的暴行を受けています。
- 16億人の子どもたち(3人に2人)は、日ごろ家庭で暴力的な罰を受けており、そのうち3分の2以上が体罰と心理的な攻撃の両方にさらされています。
- 暴力により、毎年平均で約13万人の20歳未満の子どもや若者が命を落としています。
- 男の子は暴力の犠牲となるリスクが高く、暴力によって命を落とした子どもと10代の若者の4人に3人は男の子でした。
- 暴力の犠牲となるリスクは、10代後半に著しく高まります。暴力によって死亡した子どもの10人に7人は15歳から19歳で、そのほとんどが男の子でした。
- ほぼ5億5,000万人の子ども(約4人に1人)が、身近なパートナーからの暴力の被害者である母親と一緒に暮らしています
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/5176/2426/5176-2426-ea5b6173cece45b550a0a00dbcf35e4c-1536x1024.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ポルトープランス市の南の地域で勃発した暴力により、故郷を追われた10歳の男の子。 一番恋しいのは学校に通うことだと話す(ハイチ、2024年6月19日撮影) (C) UNICEF_UNI601237_Le Lijou
このたびの閣僚会議は、暴力を根絶し、すべての子どもが安全な環境で成長できる未来を築くための取り組みを強化する重要な機会となります。ユニセフは、強力な政治的リーダーシップ、エビデンスに基づく政策と介入、そして相応の資金を求め、次の3つの主要分野における行動を促しています。
1) 誰もが、養育ケアを促進する子育て支援プログラムを受けられる。
2) 誰もが、安全で、可能性を伸ばせるような学校環境で学べる。
3) 支援を必要とするすべての子どもを対象とした、的を絞った対応と支援活動を行う。
* * *
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(https://www.unicef.or.jp)
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