ノンフィクションW 人形アニメーションの父・持永只仁が日本と中国で残した軌跡」 愛弟子・真賀里文子が師とのエピソードを語る。
PR TIMES / 2015年7月29日 16時35分
[画像: http://prtimes.jp/i/1355/2807/resize/d1355-2807-456263-0.jpg ]
WOWOWはオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW 人形アニメーションの父・持永只仁の約束~未完のシナリオが繋ぐ日本と中国~」を放送する。
戦中・戦後の日本と中国でアニメーションの礎を築いた持永只仁。“人形アニメーションの父”と呼ばれ、「ルドルフ 赤鼻のトナカイ」「ちびくろさんぼのとらたいじ」などの名作を次々に生み出し、川本喜八郎、高畑勲、ティム・バートンらに大きな影響を与えている。
1945年、終戦直前に満州に渡り、8年間、中国のアニメーションの制作現場で活躍し、アニメーション学校設立にも協力した持永。交流を深めた中国人アニメーション作家・特偉と、新作「二つの太陽」の共同制作を約束するが、文化大革命、商業主義の台頭、資金繰りなどの問題から、約束は果たされることがないまま、持永は1999年に、特偉は2010年に逝去している。
今回、30年ぶりに見つかった、持永が書いた「二つの太陽」のシナリオ。それに呼び寄せられるように、中国・上海戯劇学院で「二つの太陽」の制作を進めている学生たちが持永の足跡を知るために日本へ――。番組では、持永の日中でアニメーションを通じた友好の足跡、彼の遺志を継ぐ愛弟子・真賀里文子たちが師の思いを次世代に伝えていく姿を描く。
放送に先駆けて行われた試写会後、番組にも登場した真賀里文子と映画評論家の松崎健夫がトークショーを行った。「くまの子ウーフ」(83年)や、「コンタック」「ドコモダケ」「液キャベ」といったCMをはじめ、子ども向け作品や、特撮アニメーションまで、50年のキャリアで1000本以上のアニメーションを手掛けてきた人形アニメーション作家の真賀里。自分を育てた師の持永の功績を伝える番組が放送されることに、「ようやく私がどこから出て来たか、出自がはっきりしたと思います。ありがとうございます」と関係者に感謝を伝えた。
人形劇団でアルバイトをしていた真賀里は、美術の手伝いで持永のもとを訪れたことからアシスタントに。「(はじめて持永のもとを訪れたとき)まんまるの顔の持永さんが、包容力ある優しい声で、『入ってらっしゃい』と言ったのが、今でも印象に残っています。優しくて、良い男なんですよね(笑)」と出会ったときのエピソードを明かした。
持永の制作現場では、アニメーションに遠近感の効果を出すための撮影手法である「四段マルチプレーン撮影台」の導入や、滑らかな動きをもたせるため、人形に金属の球体関節を取り入れて撮影したことでも知られている。真賀里は、「持永さんの頭のなかには、技術的なことと芸術的なことがいつも一緒にある。見せたい画があったら、それを見せるためにはどうするかを脳をフル稼働して考えていた。いつもすごいな~と思って見ていました」
「二つの太陽」の制作はこれからスタートする予定と真賀里。さらに、1979年に自身が手掛けた、長編人形アニメーション映画「くるみ割り人形」以降、日本で長編人形アニメーション映画が制作されていないことに触れ、「悲しいですよね。CGで作る予定調和なアニメーションと違って、人間の10本の指で作り出す人形アニメーションは、作る人間が人形に吹き込んだ“心の揺らぎ”も入って作品の魅力になる。日本には文楽があって、人形に関する文化がある国なのに。1億円くらい出そうかと思う人がいたら教えてほしい(笑)」と冗談を交えつつ、今回のドキュメンタリーを通して、日本における人形アニメーションへの注目が深まるよう期待を込めた。
WOWOWオリジナルドキュメンタリー「ノンフィクションW 人形アニメーションの父・持永只仁の約束~未完のシナリオが繋ぐ日本と中国~」は、8/1(土)午後1:00より、WOWOWプライムにて放送。
8月のWOWOWオリジナルドキュメンタリーは、終戦70年 ノンフィクションW特別企画。
8/1(土) 人形アニメーションの父・持永只仁の約束 ~未完のシナリオが繋ぐ日本と中国~
8/8(土) 撮影監督ハリー三村のヒロシマ ~カラーフィルムに残された復興への祈り~
8/15(土) いま甦る幻の映画「ひろしま」~受け継がれていく映画人の想い~
いずれも、午後1:00 WOWOWプライム
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