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地球の永久凍土帯に広がる地形を用いて、火星の地下に氷が豊富にある場所を特定!~将来の火星有人探査時の着陸候補地として提案~〔高知大学, 岡山大学, 東京科学大学〕

PR TIMES / 2025年1月17日 0時54分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-19561f4b1e7e48ee275f8dbfb53832f4-1946x1106.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


高知大学と岡山大学、東京科学大学の共同研究成果プレスリリースです。


2025(令和7)年 1月 17日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/


<発表のポイント>
- 火星周回衛星で撮像された衛星画像を利用して、地球の永久凍土帯に見られる周氷河地形の分布を探索し、火星中緯度域の浅部地下に氷が豊富に存在する場所を精密に推定した。
- 周氷河地形の分布は、隕石衝突で形成された新しいクレーターの底で地下氷の存在が確認されている場所や、気候モデルにより推定された多量の降雪がある場所と一致した。
- 火星の浅部地下氷は有人着陸探査時の水資源として利用可能であり、本研究で明らかにした地下氷が豊富に存在する場所を、将来の火星有人探査時の着陸候補地として提案した。



◆概 要
 岡山大学大学院環境生命自然科学研究科(博士前期課程)の佐古貴紀さん(高知大学理工学部卒業生)、高知大学理工学部の長谷川精准教授、岡山大学惑星物質研究所のルジ・トリシット准教授、イタリア・ダヌンツィオ大学惑星科学研究大学院の小松吾郎准教授(千葉工業大学惑星探査センター客員主席研究員)、東京科学大学地球生命研究所(ELSI)の関根康人教授らの研究グループは、火星周回衛星から得られた衛星画像を探索し、地下氷の存在により形成される周氷河地形の分布を調べ、火星中緯度で地下氷が豊富に存在する場所を精密に推定することに世界で初めて成功しました。

 現在の火星は極寒乾燥な環境からなり、地表に液体の水は存在しません。しかし地下数十cm~数mには、永久凍土の形で多量の水氷が存在していると考えられています。この浅部地下氷は、2040年代に計画されている火星有人着陸探査の際に、飲料や燃料の形で水資源として利用可能です。そのため有人探査が可能な火星のなるべく低緯度域に、浅部地下氷が豊富に分布する場所を正確に把握することが求められていました。

 そこで同研究グループは、地球の永久凍土地帯に広がる「周氷河地形」に着目し、米国航空宇宙局(NASA)の火星周回衛星「マーズ・リコネッサンス・オービター」で撮像された高解像度衛星画像(HiRISE)を用いて表層地形を観察し、有人探査候補地の北半球中緯度域(N30°~42°)において、地下氷が豊富に存在する場所を探索しました。

 その結果、アラビア台地、ユートピア平原、アマゾニス平原の領域に周氷河地形が多数分布し、浅部地下氷が豊富に存在する可能性が高いことを明らかにしました。本研究で明らかになった周氷河地形の分布領域は、隕石衝突により形成された新しいクレーターの底部で地下氷の露出が確認されている場所や、気候モデルにより推定された多量の降雪がある場所とも一致しており、この場所を将来の火星有人探査時の着陸候補地として提案しました。

 この成果は、米国地球科学連合が発行するオープンアクセス科学誌「Journal of Geophysical Research: Planets」に2024年12月30日付けで掲載されました。

 本件は、2025年1月16日に公開されました。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-eb8d1c7b7c69137c215ab8f2f9d5b372-800x714.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
浅部地下氷を水資源として利用する、将来の火星有人探査のイメージ図



◆論文情報
 雑誌名:Journal of Geophysical Research: Planets
 論文タイトル:The periglacial landforms and estimated subsurface ice distribution in the northern mid-latitude of Mars
 著者:Takaki Sako、Hitoshi Hasegawa*(責任著者)、Trishit Ruj、Goro Komatsu、Yasuhito Sekine
    佐古 貴紀(岡山大学大学院環境生命自然科学研究科(博士前期課程))
    長谷川 精(高知大学自然科学系理工学部門 准教授)
    ルジ トリシット(岡山大学惑星物質研究所 准教授)
    小松 吾郎 (ダヌンツィオ大学惑星科学研究大学院 准教授、千葉工業大学惑星探査センター客員主席研究員)
    関根 康人(東京科学大学 地球生命研究所ELSI教授)
 巻号:v.130, e2023JE008232.
 DOI:10.1029/2023JE008232
 URL:https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2023JE008232


◆詳しい内容について
 地球の永久凍土帯に広がる地形を用いて、火星の地下に氷が豊富にある場所を特定!~将来の火星有人探査時の着陸候補地として提案~
 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20250116-1.pdf


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-064d4d6115ef5ca730aff7a2612e4edd-1486x220.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]




◆本件お問い合わせ先
<本件にかかる問い合わせ先>
 高知大学自然科学系理工学部門 准教授 長谷川 精
 TEL:088-844-8321

<発信元>
 高知大学 広報・校友課
 TEL:088-844-8643

 岡山大学 総務・企画部 広報課
 TEL:086-251-7292

 東京科学大学 総務企画部 広報課
 TEL:03-5734-2975

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8745、086-251-8746
 FAX:086-251-8748
 E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://fspp.kikibun.okayama-u.ac.jp/

<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://venture.okayama-u.ac.jp/

 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学統合報告書2024:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002801.000072793.html
 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2025年1月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002800.000072793.html
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-67cb4b5efccfa098669409758543ab23-1904x1066.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-515b11c004c81dd24d79b72ef61c4893-1792x711.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください
- 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/72793/2852/72793-2852-83573f8442ade573510a2ec2cfbc08d6-2348x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



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