世界最高レベルの精度で球の直径測定を実現
PR TIMES / 2024年12月16日 12時15分
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/3442/6054/3442-6054-862882b99bf7dfafe0df1229d38d1c79-1600x900.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ 近藤 余範主任研究員、平井 亜紀子研究グループ長、川嶋 なつみ研究員、尾藤 洋一副研究部門長、パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社(以下、PPE)は世界最高レベル(※1)の精度を実現する球直径測定技術を開発しました。
近年、車載カメラや内視鏡などの高精細な画像が必要とされる分野において、それらのデバイスに搭載される光学素子は、光学性能を向上させるために設計形状の自由曲面化が進んでいます。自由曲面レンズ・ミラーでは、表面の凹凸をナノレベルに低減するだけでなく、曲率半径を含めた絶対形状をナノレベルで設計形状と合致させる必要があります。これを実現するにはナノレベルの加工技術だけでなく、それと同等以上の形状計測技術が不可欠です。
自由曲面レンズ・ミラーなどの光学素子の形状測定機において、絶対形状の測定精度は、形状測定機の基準として用いられる球の直径校正精度に依存しています。これまでの球の直径校正精度は、100 nmから200 nm程度の不確かさをもち、形状測定機のもつ測定の分解能や再現性に比べて高いとはいえません。今回、低接触力プローブシステムを搭載した三次元測定機(µ-CMM)(※2)と、シリコン製ブロックゲージ(※3)を基準とした球直径校正方法を開発し、それにより不確かさ15 nmで球の直径を測定できました。この球を自由曲面形状測定機の基準として用いることで、自由曲面形状の高精度化が期待されます。
なお、この研究成果の詳細は、2024年12月7日に「Precision Engineering」に掲載されます。
※1 論文発表時(2024年12月7日)現在、PPE標準機事業センター事業企画課調べ
※2 三次元測定機(µ-CMM)
測定物にプローブを接触し、測定物表面のXYZ座標位置を読み取る座標測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)。プローブには非接触式もある。一般的なCMMは、プローブ測定点がXYZ座標測定用のスケール軸上と合致しない(アッベの原理を満たさない)ため、アッベの誤差が発生する。今回開発した三次元測定機は、測定精度を高めるため、レーザー干渉計を搭載し、レーザー光軸がプローブ中心を通るように設計したアッベの原理を満たすものである。一般的なCMMに対して、アッベの原理に従って微小な寸法を高精度に測定するために設計された三次元測定機を特にµ-CMM(micro-Coordinate Measuring Machine)と呼ぶ。nano-CMMと呼ばれることもある。
※3 ブロックゲージ
ブロックの端面間の長さで定義される端度器の一つ。シンプルでありながら精度が非常に高く、加えて実用性も高いため、マイクロメーターやノギス、三次元測定機などの校正に用いられる、最も普及している長さ標準。
【お問い合わせ先】
■国立研究開発法人産業技術総合研究所
工学計測標準研究部門 長さ標準研究グループ
主任研究員 近藤 余範
〒305-8563 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央事業所3群
TEL:050-3521-3207
Email:kondou.y@aist.go.jp
■パナソニック ホールディングス株式会社
コーポレートR&D戦略室 技術広報担当
〒571-8508 大阪府門真市大字門真1006
Email:crdpress@ml.jp.panasonic.com
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース]世界最高レベルの精度で球の直径測定を実現(2024年12月16日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn241216-1
<関連情報>
・産総研プレス発表 基準球面レンズの表面形状を高精度に校正(2024年11月28日)
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20241128_2/pr20241128_2.html
・産総研プレス発表 シリコンウエハーの厚さを高精度に測定(2018年9月4日)
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180904/pr20180904.html
・Two-point diameter calibration of a sphere by a micro-coordinate measuring machine using a silicon gauge block as a reference standard
https://doi.org/10.1016/j.precisioneng.2024.12.003
・国立研究開発法人産業技術総合研究所
https://www.aist.go.jp/
・パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社
https://www.panasonic.com/jp/company/ppe.html
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
Bluetooth Core仕様v5.1による屋内位置情報サービスの強化、方向検知機能をどのように活用するのか?
マイナビニュース / 2024年12月6日 6時55分
-
ミツトヨがSEMICON JAPAN2024に出展
PR TIMES / 2024年11月29日 18時40分
-
基準球面レンズの表面形状を高精度に校正
共同通信PRワイヤー / 2024年11月28日 14時0分
-
ミツトヨが小型表面粗さ測定機 サーフテストSJ-220を販売開始
PR TIMES / 2024年11月25日 12時45分
-
【新製品ニュース】ZEISS、3Dイメージングを劇的に加速する超高分解能X線顕微鏡VersaXRM 730 日本市場での本格的プロモーション開始
@Press / 2024年11月20日 11時0分
ランキング
-
1同じ年収200万円でも手取り20万円の差がつく…「年収の壁」を逆手にとって手取りを最大化する裏ワザ
プレジデントオンライン / 2024年12月17日 6時15分
-
2LINEヤフー、PayPay銀行をスマホ決済ペイペイに譲渡へ…子会社化で「スーパーアプリ」目指す
読売新聞 / 2024年12月16日 20時21分
-
3日立の新社長は「創業の地からやって来た大本命」 德永氏が加速させる「デジタルセントリック」とは
東洋経済オンライン / 2024年12月17日 7時30分
-
4歯医者に行くと、年に1回は「レントゲン」を勧められます。断っても勧めてくるのですが、普通なのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月15日 4時40分
-
5「毎朝3分あれば弁当を作れる」超多忙オードリー・タンがデリバリーではなく手作りにこだわる納得の理由
プレジデントオンライン / 2024年12月17日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください