アニメデータインサイトラボ『2025年冬アニメ放送初速分析』公開…『薬屋』が知名度・話題性で圧倒 『転生おじさん』『メダリスト』『Ave Mujica』はSNSやイベントなど事前施策で飛躍
PR TIMES / 2025年1月30日 15時45分
株式会社ブシロード (本社:東京都中野区、代表取締役社長:木谷高明)のグループ分析組織にあたるアニメデータインサイトラボ(代表:大貫佑介)は、アニメビジネスにおける調査を実施しました。今回は2025年冬アニメ作品を対象に、放送開始の前から放送1週目までの検索量データを用い、2025年冬アニメ全57作品(新作40作品、続編17作品)を対象に分析を行い、その結果を公表いたします。報道関係の皆様におかれましては、ぜひ本情報をお取り扱いいただきますよう、お願い申し上げます。
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はじめに
2024年秋アニメのシーズンが12月で終了し、新たに2025年冬アニメの放送が始まりました。前シーズンでは『ダンダダン』が初週から大きな話題を呼び、終了まで注目度の高水準を維持しましたが、2025年冬アニメでは一体どの作品が“初動”で視聴者の目を引いているのでしょうか。
本記事では、放送開始の前から放送1週目までの検索量データを用い、2025年冬アニメ全57作品(新作40作品、続編17作品)を対象に分析を行い、その“初速”に注目しました。
分析概要
分析対象
2025年冬アニメ
新作:40作品
続編:17作品
使用データ
Googleトレンドによる検索量データ(週次)
※最も高い注目を集めた「薬屋のひとりごと」の初週を100として相対比較できるように数値化
分析期間
冬アニメの放送4週間前~放送1週目
2025年冬アニメ初週の全体傾向:続編作品が上位を席巻
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放送1週目の注目度を比較すると、続編アニメである『薬屋のひとりごと』が圧倒的な数値を記録し、トップに立ちました。2位には『俺だけレベルアップな件』(47.4)、3位には新作アニメの『SAKAMOTO DAYS』(39.5)が入っており、上位3作品が他を引き離しています。
さらに4位と5位には『Dr.STONE』と『地縛少年花子くん』が並んで28.1を獲得し、トップ5のうち4作品を続編アニメが占める結果となりました。これは、すでに多くのファンを抱えている人気シリーズの強みが改めて示されたと言えそうです。
新作アニメの健闘:個性派作品が存在感を示す
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新作アニメに焦点を当てると、『SAKAMOTO DAYS』が39.5と突出した数値を記録。2位の『悪役令嬢転生おじさん』(27.4)との差は12ポイント以上となっています。3位には『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(24.9)が続き、この3作品で新作アニメの上位層を形成しました。
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新作アニメにおいて、注目すべき要素としてどのように伸びていったかという点が挙げられます。全体でも3位に入った『SAKAMOTO DAYS』は、週刊少年ジャンプ連載という強みもあり、4週前の時点で7.9と比較的高めのベースラインを確保していました。そこから13.2、18.4と着実に注目度を伸ばし、初週には39.5まで一気に跳ね上がっています。
一方で、『悪役令嬢転生おじさん』は4週前が1.2と低かったものの、放送1週前に5.2から初週の27.4へと約5倍に急伸しました。『メダリスト』も4週前の1.8から放送1週前に10.2まで上昇し、初週には15.2を記録。これらの作品は放送直前のSNSやメディアでの露出施策が奏功し、大幅な伸びにつながったと考えられます。
また、『BanG Dream! Ave Mujica』は2週前に6.5というスパイクを記録し、1週前に5.2と一時的に落ち着きながらも、初週には15.7へと再び伸び、TOP10入りを果たしています。作品の重要発表やプロモーションイベントなど、タイミングに応じた露出が底上げに寄与した例といえるでしょう。
新作アニメ上位作品の注目度推移と要因分析
新作アニメTOP10作品は、それぞれ異なる要因によって高い注目度を獲得しています。
以下、主な要因を5つのカテゴリーに分類し、成功パターンを考察します。
原作メディアの強みを活かした展開
人気漫画雑誌での連載作品は、放送前から安定した注目度を獲得しています。『SAKAMOTO DAYS』は週刊少年ジャンプ連載作品として、放送4週前から7.9という基礎注目度を維持。『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』も週刊少年マガジンでの連載と190万部という発行部数を背景に、放送前から一定の注目を集めていました。強力な原作メディアを持つ作品は、アニメ化時点で既に確固たるファン層を確保していることが分かります。
戦略的な広告・宣伝施策
放送開始に向けた効果的な広告展開も、注目度向上の重要な要因です。特に『SAKAMOTO DAYS』は、放送直前のX(旧Twitter)広告や新宿での大型ピールオフ広告などで、段階的に注目度を引き上げることに成功。放送直前には18.4まで数値を伸ばし、初週の高スコアにつながりました。また『BanG Dream! Ave Mujica』は、ライブイベントやポップアップストアの開催など、ファンとの直接的な接点を重視した宣伝戦略を展開しています。
話題性の高い楽曲による注目度獲得
作品の印象を左右する音楽面での仕掛けも、大きな効果を発揮しました。『悪役令嬢転生おじさん』は松平健の「マツケンサンバII」という意外性のある楽曲選択で話題を呼び、初週27.4という高い注目度を記録。『メダリスト』では、米津玄師が原作ファンとして自ら主題歌制作に名乗りを上げ、作品への期待を高めています。また『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は人気VTuberグループ・ホロライブ所属の「いろはにほへっと」を起用し、「メダかわダンス」という特徴的な演出で注目を集めることに成功しました。
豪華声優陣の起用効果
キャスティング面の工夫も、作品の注目度向上に寄与しています。『天久鷹央の推理カルテ』では、佐倉綾音や小野賢章といった人気声優に加え、水樹奈々、立木文彦などのベテラン声優を配置し、幅広い層に向けた訴求力を高めました。
独自の作品性による差別化
斬新な設定や独創的な展開も、作品の注目度を押し上げる要因となっています。『ババンババンバンバンパイア』は吸血鬼と銭湯という異色の組み合わせで話題を呼び、『全修。』はアニメ業界を舞台にした異世界転生という新規性と、過去の名作アニメへのオマージュを効果的に織り込むことで、アニメファンの興味を引くことに成功しています。
おわりに
2025年冬アニメの新作TOP10作品は、それぞれが複数の要因を掛け合わせることで高い注目度を獲得しています。特に上位作品では、強力な原作メディアを基盤としながら、効果的な広告戦略や話題性のある楽曲などを組み合わせた“複合的アプローチ”が成功の鍵となっている点が印象的です。今後は放送の進行とともに視聴者の評価や口コミも加わり、さらに注目度が変動していくと予想されます。
引き続き、各作品の動向に注目していきましょう。
・レポート著者
株式会社SevenDayDreamers
湯通堂 圭祐
株式会社マクロミルでデータサイエンティストとして複数の新規事業を立ち上げ、その後、FiNC Technologiesにてデータ分析、グロースハック、プロダクト開発、経営企画、人事の責任者を歴任。現在は、株式会社SevenDayDreamersを創業し、データとAIを活用してコンテンツIPの価値最大化に取り組む。
・レポート編集
アニメデータインサイトラボ
代表:大貫 佑介
またアニメデータインサイトラボでは、今後もアニメビジネスに携わる人々に役立つ情報やサービスも提供していきます。
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アニメデータインサイトラボは、アニメ業界のビジネスニュースの発信や情報交換の場を提供していくこととで、アニメ業界のさらなる発展に寄与できるよう目指していきます。
ニュースやレポートのほか、イベント運営やプロモーションやPRの支援も行っているので、ゲーム・アニメのビジネスにお悩みがあればご相談ください。
【メインビジュアル掲載作品の権利表記】
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