【ライブレポート】父・尾崎豊の楽曲だけでセットリストを組んだ尾崎裕哉のコンセプトライブ第二弾!OZAKIがOZAKIを歌い継ぎ、無垢な魂の叫びが響き渡った夜――2月14日(土)WOWOWで放送・配信!
PR TIMES / 2026年2月12日 18時15分
https://www.wowow.co.jp/music/ozaki/
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混迷の時代に希望と光を探し、歌を届けることを使命として活動を続けるシンガーソングライター尾崎裕哉。2024年に入ると音楽を志したきっかけでもある父・尾崎豊の作品と改めて向き合い、再解釈を試みた。それが尾崎豊の楽曲のみで構成したコンセプトライブ「OZAKI PLAYS OZAKI」だ。2025年12月には、その第二弾公演が東京・大阪で開催された。
12月9日、東京国際フォーラム・ホールC。会場には早い時間から多くの観衆が駆け付け、期待の熱気が渦となって初冬の寒さを吹き飛ばしていく。開演前、エントランス付近には人だかりができていた。本公演で初公開された「Resonance Board(レゾナンスボード)」を、多くの来場者が足を止めて見つめていた。そこには歌詞の断片やキーワード、問い、時代背景への考察、そして自身への投げかけが幾重にも書き込まれている。父の言葉をそのまま受け取るのではなく、自らの身体と言葉で咀嚼し直し、現代にどう響かせるか――その試行錯誤の軌跡が刻まれていた。それは父と向き合う記録であると同時に、尾崎裕哉が“尾崎裕哉であるため”に続けてきた対話の痕跡でもあった。
定刻を過ぎると、高鳴る鼓動のようなBEATが刻まれる中、尾崎裕哉が登場する。満場の拍手と歓声に“もっと!もっと!”と煽る勢いそのままに「十七歳の地図」を歌う。笑顔の奥に、思いを届けようという強い意思が感じられる。その思いを、オーディエンスもボルテージの高い叫びで受け止める。
間髪入れずに続けたのは「路上のルール」だ。明日へと踏み出す決意を散文詩のような歌詞に託して放つ。歌いながらリズムを取りステップを踏むその動きは、楽曲が持つ衝動性を体現するようでもある。続いて披露されたのは「街角の風の中」。メランコリックなメロディとフォークロック調のサウンドに乗せて郷愁を描いていく。青いOvation Adamasを弾きながら歌う姿は、記憶をなぞるのではなく、いまこの瞬間に楽曲を鳴らす意志を感じさせた。
「僕が僕であるために」では、自身のアイデンティティを探しながら、社会の喧騒に飲まれることなく“勝ち続ける”ことを誓う。西本明の厳かなキーボードのフレーズは、その背中を後押しするエールのようだ。アルバム『十七歳の地図』のマスターテープに収められた当時の息吹がそのまま伝わるような瑞々しさがそこにあった。
ピアノの前に座ると、自らの葛藤や逡巡を語る。内省的な視点で紡がれる言葉が聴き手の胸に沁み込んでいく。そして、ピアノを弾き歌い出されたのは「卒業」。誰もが人生の岐路に立ち、幾つもの“卒業”を重ねていく。ステージと客席で声と心をひとつにして、すべてを祝福する荘厳な風景が繰り広げられた。
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スペシャルゲストとして本多俊之が呼び込まれ「太陽の破片」が演奏される。イントロから祈りや願いが込められたサキソフォーンが全開となる。ラストの二人での掛け合いでは、12インチシングルのジャケットビジュアルを想起させるようなスポットライトの演出も見事だった。至高のバラード「Forget-me-not」では、心のぬくもりさえ伝わるような繊細なキーボード伴奏に艶やかなヴォーカルが混じり合い溶け込んでいく。
圧巻は「15の夜」だった。ティーンエイジャーのバイブルとして大人への反発がフォーカスされることが多いが、特に秀逸なのは“自由になれた気がした”というラインだろう。衝動と表裏一体の諦観がそこにある。この夜の歌はその葛藤を見事に表現されていて、重層的な心象風景がリアルに伝わってきた。
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「Freeze Moon」では、聴衆の胸を激しくかき立てる古川望のギターリフに、フリーキーなサックスが重なっていく。タケルのスキャットとハーモニーも深い彩りを加える。ひざまずき、うつむき、虚空を見上げて叫ぶ。頭上に銀色の紙吹雪が舞い、照明が鮮やかに色合いを変えていく。天に届かんとばかりに力強く右腕を掲げるその姿が頼もしかった。
「Driving All Night」では、ギターを背中に回して、言の葉を研ぎ澄ましていく。時に全身でリズムを取り、時に自分の内面をみつめるように下を向き歌う。凄腕のバンドメンバーに支えられながら、走り続けることを表明するかのような骨太なパフォーマンスに痺れた。
宮川剛のドラムスがリズムを刻み、本田達也のグルーヴィーなベースラインが疾走したのは「Scrambling Rock'n'Roll」だ。至極のロックンロールに、会場全体が高揚に向かって加速度を増していく。熱いコールアンドレスポンスから感極まり、客席に飛び降りて走り回る。ほとばしる汗がそれぞれの生を祝福するかのように輝いていた。
本編最後は、生前に尾崎豊のコンサートでは披露されることが無かった「汚れた絆」だった。前曲までの弾けまくったアクションから一転して、尾崎裕哉は舞台中央に立ち何かを胸に刻み込むように歌う。表層的な部分ではなく、あくまで本質を探究しようとする深い思慮が感じられて嬉しかった。交錯する熱烈なアンコールを受けて、再び青いOvation Adamasを爪弾きながら歌い始めたのは「シェリー」だ。珠玉の名曲を一語一語噛み締めるように歌う。まさに大団円とも言えるような大きな感動に包まれたひとときだった。
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この夜最大のサプライズは、父・尾崎豊の創作ノートからみつかった未発表作品「Say good-bye to the sky way」だった。子供の頃、尾崎裕哉は「いつかこの曲にメロディをあてたい」と思い眠りに就いたところ、夢の中でメロディが降りて来たという。西本明と共に創り上げたサウンドで、最後に遺された言葉を丁寧に綴っていく。言葉にならない深い余韻がしばらく残った。この作品については現時点では音源としてのリリースや放送・配信の予定が無く、コンサート会場でしか聴くことができない。この夜の感動をひとりでも多くのかたに尾崎裕哉のライブで体感して欲しいと願うばかりだ。
アンコール最後は日本の音楽史に残るバラード「I LOVE YOU」。この夜の歌は、楽曲の持つ純度の高さそのままに、震えるほどの輝きに満ちていた。父・尾崎豊が遺した音楽を継承しようと真っ直ぐに向き合う尾崎裕哉。その壮絶な格闘が、シンガーとしてパフォーマーとしての彼を高い次元へと引き上げている。透明感の高いヴォーカルの中にも、人生の苦みや重みといったニュアンスが感じられたことがその証だ。また、歌の魅力を存分に引き出した熟練のミュージシャンたちのプレイも素晴らしかった。
無垢な魂は、連鎖し循環する。ロックンロール音楽の本質がそこにある。継承でありながら再創造すること。“OZAKIであって、OZAKIではない”。OZAKI世代もOZAKIを知らないジェネレーションにも伝えたい“普遍性”が、この夜確かに存在していた。
<バンドメンバー>
Keyboards:西本明
Bass:本田達也
Guitar:古川望
Drums:宮川剛
Chorus:タケル
Sax:本多俊之
<WOWOW番組情報>
【尾崎豊生誕60年記念 連続特集】
●尾崎裕哉 - OZAKI PLAYS OZAKI 2.
2月14日(土)午後9:00~
WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~30日間アーカイブ配信あり
収録日:2025年12月9日
収録場所:東京 東京国際フォーラム ホールC
●尾崎豊 LIVE CORE 完全版
3月14日(土)午後7:00~
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~2週間アーカイブ配信あり
収録日:1988年9月12日
収録場所:東京 東京ドーム
▽番組サイト
https://www.wowow.co.jp/music/ozaki/
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