NHK Eテレ「グレーテルのかまど」で紹介! 角川文庫の新訳ドリトル先生シリーズ最新刊『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』が発売!
PR TIMES / 2024年10月25日 13時45分
NHK Eテレ「100分de名著」でも話題! 最新刊は著者の思想をもっとも色濃くあらわした遺作!
株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:夏野剛)は、 2024年10月25日(金)に、『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』(ヒュー・ロフティング 河合祥一郎=訳 角川文庫)を発売します。
先日放送されたNHK Eテレ「グレーテルのかまど」でも紹介された角川文庫の人気シリーズです。番組内では訳者の河合祥一郎氏による作品紹介もありました。なお、同じくNHK Eテレ「100分de名著」の今月10月回は『ドリトル先生航海記』を取り扱っています。今、ドリトル先生への関心が高まっている時期かと思います。このタイミングで、作者ヒュー・ロフティングの思想をもっとも色濃くあらわした遺作『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』を読まれることは意義深いと考え、編集部は急遽出版を企画しました。
では、ヒュー・ロフティングの思想とはいったいどんなものなのでしょうか。河合訳の特徴とともに、以下にご紹介します。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/7006/15669/7006-15669-70eb300800b9d6e516b9264e780761d7-1448x2054.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ご存じでない方のためにも、まずはドリトル先生シリーズのあらすじについて、ざっくりとご紹介。
<ドリトル先生シリーズのあらすじ>
動物のことばが話せるお医者さん、ドリトル先生。博物学者でもある先生は、助手のトミー少年やおなじみの動物たちとともに世界中を探検します。海賊と対決したり、王さまになったり、牢屋に入れられたり、巨大カタツムリと海底旅行したり、おまけにサーカス団や動物園も作って、月旅行もしちゃったりなんかして! はじめから終わりまでびっくりゆかいなお話がいっぱいです! そして、すべてを読みおえたとき、この壮大な動物と人間の物語に、きっとあなたは胸をうたれ涙します。一生の宝物になる名作です!
本シリーズは1920~1950年代に刊行され、現在に至るまで世界中の大人と子どもに愛されてきた名作です。第2弾の『ドリトル先生航海記』で、作者ロフティングはアメリカの最も優れた児童文学に与えられる賞、ニューベリー賞(第2回)を受賞しました。
また本シリーズは全13作(角川つばさ文庫版は「ドリトル先生と秘密の湖」を上下巻にわけているため全14作)となりますが、時系列順にはならんでおらず、それぞれが独立した作品であることから、どの巻からでも読めるようになっています。
河合訳の特徴。先行訳との違い
「ドリトル先生」といえば、先行の井伏鱒二訳(岩波文庫)を思いうかべる方も多いかと思いますが、あちらは1951~79年にかけて出版されたもので、時代の制約もあったせいか、原文どおりに訳されていないところも多くあります。ですが、本作ではそうした点をすべて改めています。
- ダブダブが焼くおやつが先行訳では「パン」だが、正しくはイングリッシュ・マフィンであるため、新訳では「マフィン」に。
- ガブガブの好物は先行訳では「オランダボウフウ」だが、正しくは「アメリカボウフウ」。新訳ではこれを英文そのままの「パースニップ」に。
- 世にもめずらしい動物pushmi-pullyu(頭が二つある動物)は、先行訳では「オシツオサレツ」だが、新訳では「ボクコチキミアチ」に。
などなど、イギリスの文化背景を知っていないと正しく訳せないくだりが今の日本語で美しく訳されています。
最新刊『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』に色濃くあらわれた、作者ロフティングの思い
本作『秘密の湖』は、前巻の第9弾『月から帰る』(1933)から15年の歳月を経て、作者ヒュー・ロフティング(1886-1947)が亡くなった翌年の1948年に刊行された遺作です。作者の最晩年に第二次世界大戦が起こり、世界崩壊の危機を体験した作者の“戦争への怒り”と“平和への祈り”が本作に深くこめられています。その結果、シリーズ最長の物語となり、最も思索的な作品にもなっています。
本作の前半では、永遠の命を求めて長寿の研究に携わろうとするドリトル先生の姿が描かれます。何千年も前に起きたノアの洪水を経験した世界最古のカメ・どろがおなら、長寿についてなにか教えてくれるかもしれない、と期待し、先生たちは秘密の湖ことジャンガニカ湖を訪れます。そして、ノアの箱舟の話をどろがおから聞き出すのですが、それはもちろん『旧約聖書』に基づいた物語でした。地上に増えた人間の堕落に怒った神がこれを洪水によって滅ぼすとともに、「正しい人」であるノアの家族とすべての動物を救うという、世界大リセット・プロジェクトです。
『旧約聖書』では、大洪水になると、箱舟はアララテの山に乗り上げますが、その後、ノアが放ったハトがオリーブの葉をくわえて戻ってきたことから、洪水が収まったとわかります。このことから、オリーブの葉をくわえたハトは“平和の象徴”となるわけですが……。なんと本書ではそのオリーブが見つからない! どういうこと? といった、意味深長な展開になります。
「正しい人」に見えたノアが実は全然正しくなかったり、動物たちが人間を命がけで救ったりと、『旧訳聖書』とは全く異なるお話として展開していくのですが、そこには死を間近にしたロフティングの最後の思いが描かれます。大感動のラストには圧倒され、担当編集は涙しましたが……くわしくは本作をお読みください。
河合訳のドリトル先生シリーズは累計45万部! 人気の理由は?
KADOKAWAでは、河合祥一郎訳で、角川文庫、角川つばさ文庫、「100年後も読まれる名作」という複数のレーベルにわたってドリトル先生の物語を刊行しています。
刊行された順番は、角川つばさ文庫版全14巻→「100年後も読まれる名作 ドリトル先生航海記」(この1作のみ)→角川文庫版1~10巻、という流れ。
角川つばさ文庫は小学生向け、「100年後も読まれる名作」は小学校低学年~中学年向け、角川文庫は大人向けとなるのですが、シリーズ累計はなんと、45万部!
なぜここまで人気なのでしょうか? 動物のお話や、動物のことばが話せるドリトル先生というキャラが多くの日本人に魅力的にうつったのかもしれませんが、その他の理由として編集部が考えたのは以下の3つです。
- 誤訳や古い言いまわしを廃した、読みやすい新訳
- 『ドリトル先生のガブガブの本』も含め、シリーズ全作をそろえたのは角川つばさ文庫版のみ
- 日本未公開、初邦訳の短編が収録されている(角川つばさ文庫版第13巻『新訳 ドリトル先生の最後の冒険』)
(なお、角川文庫版のドリトル先生シリーズは、角川つばさ文庫版の漢字表記や表現を大人向けに加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビを最低限にまでへらしています)
今、注目をあつめているドリトル先生シリーズ。複数の出版社が刊行していますが、編集部は河合訳のドリトル先生シリーズを、自信をもっておすすめいたします。
『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』について
書誌情報
『新訳 ドリトル先生と秘密の湖』(角川文庫)
著:ヒュー・ロフティング
訳:河合祥一郎
発売:2024年10月25日(金)
定価:1430円 (本体1300円+税)
ISBN:9784041155059
発行:株式会社KADOKAWA
詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322407000636/
永遠の命を求めて――
作者の思想を最も表した、必読の遺作!
人が動物を、動物が人を命がけで救う大感動作
第3巻『郵便局』に登場した、秘密の湖にすむ世界最古の生き物を覚えてる? その謎の生き物どろがおが、なんと地震で生きうめに! 先生と動物たちは、彼を助けるために、なつかしのファンティッポ王国に旅立つ。そこで、先生のおうちに昔住んでいたワニのジムと再会し、奇想天外な救出作戦に乗り出す。どろがおが目の当たりにした「ノアの箱舟」の真実が明らかに。人が動物を、動物が人を命がけで救う大感動の第10巻!
著者プロフィール
ヒュー・ロフティング
1886年生まれ。イングランド人の父とアイルランド人の母を持つイギリス人。第一次世界大戦では西部戦線で戦い、けがをした軍用馬が治療も受けずに銃殺されるさまに心を痛め、動物のことばが話せて動物を助けるジョン・ドリトル先生の物語を自分の二人の子どものために書きはじめる。1923年、シリーズ第2弾の『ドリトル先生航海記』でニューベリー賞を受賞。アメリカに移住したため、アメリカ人作家としてのイメージが強い。1947年没。
河合祥一郎(かわい・しょういちろう)
1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)、『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)、『NHK「100分de名著」ブックス シェイクスピア ハムレット』(NHK出版)など。角川文庫よりシェイクスピアの新訳、『不思議の国のアリス』、「新訳 ドリトル先生」「新訳 ナルニア国物語」シリーズなどを刊行。
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