早期診断・早期治療が大切な“子ども”の慢性便秘症、親が気を付けるべきこととは?

QLife / 2019年4月1日 14時0分

離乳食開始、トイレットトレーニング、通学開始の時期には便秘に注意
済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長
十河剛先生

 排便が滞ったり、便が出にくくなったりする状態である「便秘」。子どもにも便秘症の患者さんがいると聞くと、驚かれる方もいるかもしれません。横浜市鶴見区内の保育園、幼稚園、小学校に通う3~8歳の子ども3,595人を対象に行われたアンケート調査では、約20%の子どもが慢性便秘症であるという結果が得られています。また、別の調査では、5歳以上の小児期に便秘症で来院した子どもの約25%が成人になっても便秘症を抱えているという結果が示されており、子どもの便秘には、早い段階から適切な治療を行うことが大切です。

 EAファーマ株式会社は3月18日、「大人が知らない『子供の慢性便秘症』の実態と世界標準へと歩み出した最新治療~便秘難民ゼロを目指して~」と題してプレスセミナーを開催。済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科副部長の十河剛先生が講演しました。

 十河先生は「うんちが毎日出ている子どもでも、便秘の可能性があります」と指摘。便秘による症状は、便が出ないだけでなく、腹痛や、肛門の痛み・痒み・出血、痔核、便失禁、便漏れなどのお尻の症状に加え、嘔吐や吐き気、げっぷ、口臭など口やお腹の症状や、集中力の低下、夜尿も便秘の症状として表れます。口臭やげっぷが気になる子どもに、便秘症の治療を行ったところ、排便の問題だけでなく、げっぷや口臭が改善された例もあるそうです。

 小児慢性機能性便秘症診療ガイドラインでは、子どもが便秘を発症しやすいのは「離乳食開始の時期」「トイレットトレーニングの時期」「通学開始の時期」の3つの時期としています。離乳食開始の時期の便秘には、母乳を飲んでいたときと比べて便が硬くなりやすいことや、いきんで排便するという2つの動作を一緒に行う運動が難しいことが影響しています。トイレットトレーニングの時期には、排便を我慢できるようになることが便秘症につながり、通学を開始する時期になると、学校のトイレで排便することを恥ずかしく感じたり、朝、排便の時間が十分に取れなくなったりすることなどが便秘になりやすい理由として挙げられます。これらの3つの時期にさしかかったら、子どもが便秘になっていないか、親はとくに注意して見る必要があります。

「力んでいるけど、うんちが出ない」それって便塞栓かも?

 便秘の症状が進行すると、大量の便が直腸内に溜まって固まってしまう「便塞栓」の状態になってしまうことがあります。便塞栓があると、薬を使って排便を促してもなかなかうまくいかず、「便秘の悪循環」に陥ってしまいます。この悪循環を断つには、便塞栓を取り除くことが重要です。子どもの場合、便塞栓を疑う症状にはどのようなものがあるのでしょうか。十河先生は、以下の7つの症状を紹介しました。 少量の硬いうんちが出ている 肛門の周囲やパンツにうんちが付着している うんちがなかなか出ないのに、下痢をしてしまう おしっこはトイレでできるのに、うんちは漏らしてしまう 力んでいるけど、うんちが出ない 最後の排便から1週間近く排便がない お腹の下のほうに硬いものがある

 便秘症治療の原則は、便塞栓がある場合はまず便塞栓を除去してから、生活習慣・食習慣・排便習慣を規則正しく整えること。この3つの習慣を規則正しく整えるために、補助の役割として行われるのが、薬による治療です。便秘症の子どもを持つ親がよく心配することとして「便秘薬はクセにならないか?」という疑問がありますが、「なかには習慣性があるといわれている薬もありますが、薬がクセになるよりも、必要な薬を飲まずに直腸にうんちが溜まっている状態がクセになるほうがずっと心配です」と十河先生。

 放っておくと大人になっても便秘症が続いてしまう、子どもの慢性便秘症。早期診断・早期治療により、予後が改善することが期待できますが、治療が遅れるほど、大人になっても頑固な便秘と付き合っていかなければいけない可能性が高くなります。十河先生は最後に「子どもの便秘は、しっかり治療をしてあげれば多くの場合、いずれは薬による治療をやめることができます」と締めくくりました。「うちの子ども、便秘かな?」と疑うような症状がみられる場合は、早めに受診し適切な治療を受けるようにしましょう。(QLife編集部)

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