国民の8割が悩む腰痛、高齢者に適した有効性の高い運動療法とは

QLife / 2020年3月17日 18時30分

「健康寿命をおびやかす慢性腰痛」プレスセミナーを開催
金沢大学大学院整形外科学の加藤仁志助教

 日本シグマックス株式会社は3月9日、「健康寿命をおびやかす慢性腰痛~高齢者に適した運動療法、その効果と課題~」と題したプレスセミナーを開催。同セミナーでは、金沢大学大学院整形外科学助教の加藤仁志先生による講演が行われました。

 厚生労働省の報告によると、国民の8割以上が生涯に腰痛に罹患します。日本の住民を対象とした大規模なコホート研究(LOCOMOスタディ)によると、40歳以上の腰痛有病率は37.7%で、およそ2770万人が腰痛もちであると推定されています。つまり、腰痛は、国民病であると言っても過言ではありません。

 高齢に伴う運動器障害(ロコモティブシンドローム)は、健康寿命にかかわる重要課題とされており、腰痛も、その主な原因の1つです。腰痛には、「ぎっくり腰」といわれる急性腰痛と、発症から3か月以上痛みが続く「慢性腰痛」があります。慢性腰痛の治療として「腰痛診療ガイドライン」で有効性が示されているのは、「内服薬や外用薬による薬物治療」「運動療法」「認知行動療法」の3つです。しかし、「運動療法」は、実際に、どのような方法で、どの程度行えばいいのかはまだ明らかにされていません。

高齢者に適した運動療法の効果と課題

 慢性腰痛に対する運動療法では、「有酸素運動」「体操・ストレッチ」「筋力トレーニング」の3つの運動が重要とされています。有酸素運動は、痛みを感じにくい体をつくり、体操・ストレッチは腰に負担のかかりにくい体をつくります。筋力トレーニングは、痛みだけではなく運動機能の改善効果も期待できるため、高齢者の慢性腰痛にはお勧めです。しかし、筋力トレーニングは、「痛みや脊柱変形、筋力低下などで継続できない」「効果がでるまで時間がかかる」など、高齢者が継続するには課題があります。

 「仰向けに寝て上体を起こす従来の腹筋運動は、腰痛に対する筋肉トレーニングとしてあまりお勧めできません」と、加藤先生。腰痛に対する筋力トレーニングでは、体幹(コア)を鍛えるため、腹筋や背筋運動が行われます。体幹を鍛えるために必要な運動は、「おなかをへこます」と「お腹を固める」の2つだそうです。おなかをへこますことで、体幹を支える重要な腹横筋を選択的に収縮させます。へこませたままお腹にぐっと力をこめて固めることで、腹筋全体で体幹を安定化させるトレーニングができます。この運動は、座ったままでも立ったままでも行うことができ、体力や筋力がない高齢者でも可能とのこと。体幹を鍛えることは、慢性腰痛と同時に運動機能の改善につながりますので、すぐに効果がでなくても継続してトレーニングに取り組むことが大切です。(QLife編集部)

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公益社団法人 日本整形外科学会 腰痛

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