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ALS治療薬として、「メコバラミン」を承認申請

QLife / 2024年2月8日 8時30分

末梢性神経障害・巨赤芽球性貧血治療薬メコバラミン、ALSへの有効性も期待されていた

 エーザイ株式会社は2024年1月26日、日本において「メコバラミン(一般名)」の高用量製剤について、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis: ALS)に係る適応で、承認申請を行ったと発表しました。

 ALSは、運動ニューロンの障害により重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす進行性の難治性神経変性疾患で、国内の患者数は約1万人と推定されています。呼吸筋の麻痺による呼吸不全が主な死亡原因で、人工呼吸器を装着しなければ発症後約3~6年以内に命を落とすと言われています。また、確立された根治療法はなく、国内外で承認されている薬剤も限られていることから、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い難病です。

 メコバラミンは、「メチコバール(R)注射液500µg」として末梢性神経障害およびビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で承認・販売されています。また、「メチコバール錠250µg」「メチコバール錠500µg」「メチコバール細粒0.1%」は、末梢性神経障害の適応を有しています。ALS病態に対する作用機序は解明されていませんが、非臨床研究の結果から、神経保護作用と神経軸索再生作用に有効性を示す可能性が示唆されています。1990年代から厚生科学研究費補助金特定疾患対策研究事業の神経変性疾患に関する研究班において、ALSに対する高用量メコバラミンの臨床研究が実施されました。

発症早期ALSに対する高用量メコバラミン投与試験で有効性・安全性を確認

 メチコバールとしての承認用量の50~100倍量である1回25~50mgのメコバラミンの筋肉内投与による短期・長期試験において、高用量メコバラミンがALSに対して臨床効果を示す可能性が示唆されたことから、同社は2006年より臨床第2/3相試験(761試験)を実施。2015年5月、761試験の結果をもとに医薬品医療機器総合機構(PMDA)に新薬承認申請を行いましたが、追加試験が必要という判断により、2016年3月に新薬承認申請を取り下げていました。

 その後、発症早期のALS患者に対する高用量メコバラミンの有効性の検証と安全性の確認を目的とする、高用量メコバラミンのALSに対する第3相試験(JETALS)で良好な結果が得られたことを受け、同社は日本におけるALSに対する新薬承認申請に向けた準備を進めていました。

 同社は「神経領域を重点疾患領域と位置づけ、本領域のアンメット・メディカル・ニーズの充足と、患者様と生活者のベネフィット向上に、より一層貢献していきたい」と、述べています。(QLife編集部)

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