飛んだブルーの妖精に歓喜の涙

クオリティ埼玉 / 2014年2月21日 13時57分

4分間というわずかな時間の中で息もできないほどの興奮を味わった。
失敗が許されない女子フィギュア浅田真央選手。
前日、ショートプログラムでのジャンプの失敗で16位からのフリーの出発、メダルは絶望的だった。
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森元総理が「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」との暴言を発したほどだ。
 
不安と期待が入り混じるその4分という時間は「もうメダルなどどうでもいい、悔いのないように飛んで」との祈りから始まった。
誰もが固唾を呑んで見守った4分間だったにちがいない。
しかし、その心配をよそに氷の上で舞う妖精のようにトリプルアクセルなど、コンビネーションも含めた6種類8回のジャンプを全て成功させ、フリーで自己最高となる142.71点を打ち出した。観ていた誰もが、トリプルアクセルが決まった瞬間思わず歓喜の声をあげたであろう。これぞ、浅田真央選手の底力と言わずして何と言おう。
 
演技を終えた浅田選手の目には涙が溢れていた。
と同時に多くの日本国民の目頭が熱くなった。
それもそのはず、このところ、ジャンプで転倒した浅田選手を見続けた。
しかし浅田選手のジャンプはトリプルアクセルという他選手ができない三回転半という難易度の高い技である。成功率が極めて低い技に取り組んでいるのだ。女王キムヨナさえ避ける技だ。
 
24歳、浅田真央。5歳のときにスケートに出逢い「天才少女」と呼ばれた彼女には数々の試練があった。「ママ観て、褒めて」と口にしていた彼女が最愛のママを失ったのはおよそ2年前。ママのために踊っていた彼女が日本のため、支えてくれた人びとのために踊った。
 
人を感動に導くものは決してメダルだけではない。
闘争心だけでない、想いが込められた最高の演技に人は魅了される。
 
演技後のインタビューで「自分の目指しているフリーの演技ができた」と語った浅田選手。
雲一つない今日の晴天がやり切った浅田選手の晴れやかな気持ちをあらわしているかのようだった。
                                                                                                                    (古城 智美)
 

クオリティ埼玉

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