大雪情報をかき消した過剰な五輪報道

クオリティ埼玉 / 2014年2月27日 15時0分

 二週間以上も経つのに、いまだに建物の陰や道路脇から雪が消えていない。壊れたカーポート。折れたアンテナ等の被害をあちこちで見かけるが、いかに凄い雪だったかを物語っているようである。日に日に拡大し続ける農畜産物への被害。孤立した集落への救援方法のあり方。どれも未曾有の事である。しかし一番残念だったのは報道各局の対応であった。この雪が重大な事態をもたらすと認識するのがあまりにも遅すぎたのである。
 とくに公共放送のNHKは、もっと情況に応じた情報番組を流すべきだったと思っている。もっと早めに雪害を最小限に止めるような厳重警戒を行うべきだったと思っている。農産物のようにどうしても逃れられない被害はあったとしても情報によっては食い止められた被害もあった筈である。 
 車の立ち往生による交通遮断などについては回避できる方法がいくらでもあったのだ。有事における放送局の存在がいかに重要であるかは東北大震災の時に実証済みなのだが、危機管理の対応については継続されていないと強く感じた程であった。
 2月8日の大雪は前夜のNHKニュースは「どなたも経験したことのない大雪となる可能性があります」と厳重に警戒を呼びかけていた。これを聞き、早速、スコップと長靴を出し懐中電灯を確認し携帯電話を充電しておいたが、果たして予報を超える四十年ぶりの大雪となった訳だが停電する事も無く生活には何の支障も無かった事を素直に喜べた。
慣れない雪かきに追われものの情報が活かされたのである。幸いどの降雪地も大事に至らず春のドカ雪と受け止められるくらいの余裕がかえって災いを招いてしまったよう思える。
 2月14日の場合は前夜のニュースで大雪の可能性を伝えたが前週に経験した程度の雪であれば問題なし踏んでか8日の時のような厳重な警戒を喚起する内容ではなかった。
14日は朝から金メダルの羽生選手を始めとする日本選手の活躍に国民と共に浮かれてしまった訳ではないのだろうが、ともかくオリンピックがメーンの報道に終始してしまっていた。
 NHKとしては高い金でゲットした独占放送なのだから、ここで一気に他局を引き離す視聴率をと目論んだのか、繰り返し日本選手活躍のシーンを流していたのだ。地震や台風等の災害時に見られるような報道番組への切り替えは無かったのである。
 当日の午後にはかなりの積雪があったし深夜に向かってさらに雪が強くなると予報されていたにもかかわらず雪に対する危機意識がまったく欠けていたのである。
 少なくともテレビから車での外出を控えるよう、また、雪道用タイヤであっても路面の状態によって発進出来なくなるとか、雪道は自力走行出来ても他の車が動けなければ全車両が立ち往生するとか、道路が塞がれれば緊急車両が通れずに救援に支障をきたすとか、幾らでも具体的な危機管理を伝えられた筈である。
 大規模な停電がなかったのは不幸中の幸いであった。発生していれば多くの尊い人命が失われていただろうと思うとぞっとするが、安倍首相も24日の衆議院予算委員会で「気象情報の提供や政府の記者会見のあり方は国民の生命と財産を守るため、より効果的、迅速に行われるよう不断の見直しに務めたい」と気象庁の特別警報の見直しを検討すると表明しているし、すでに北海道では昨年の大暴雪に懲りて早め、早めの道路閉鎖を実施している。
 NHKも今回の対応をつぶさに検討して改善点を真摯に洗い出して有事への備えに万全を期して欲しいと思う。そして名実ともに国民の信頼しうる公共放送となるよう心より願っている。
( 仁 清 )

クオリティ埼玉

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