女性に好かれる都市が生き残る-都市部も他人事でない「増田リスト」

クオリティ埼玉 / 2014年6月23日 13時2分

少子高齢化が社会問題となって久しい日本であるが、前岩手県知事で東大客員教授の増田寛也氏が座長を務める民間有識者による「日本創世会議」は、先月8日、自治体の将来推計人口に関する会見を開き、それが大変な波紋を呼んでいる。発表内容は全国1800自治体の2040年の将来推計人口で、約30年後の2040年に若年女性の人口が半減する896の市町村を「消滅可能性都市」とし、そのうちの523は消滅する可能性が高いというショッキングな内容だった。この詳細は中央公論6月号に「消滅する地方都市-523」という特集で、896市町村のリスト-いわゆる「増田リスト」ともに掲載されている。
 
増田氏は旧建設省出身で、小沢一郎にすすめられ1995年岩手県知事に初当選した。その後小沢一郎と決別し、改革派知事の代表格として知事を3期務めた。その後地方分権改革の旗手としての実績をかわれ、第一次安倍改造内閣では今の官房長官である菅氏の後任として総務相に就任している。現在は社会保障国民会議議員をはじめ、第2次安倍内閣の有識者会議や審議会の委員などを多数務めている。
 
もう少し詳しく説明すると、レポートでは出産年齢の中心である20~39歳の若年女性が2040年に2010年の半分以下に減る自治体を、人口減が止まらない「消滅可能性都市」と定義している。その理由は出産の95%が20~39歳の女性によるものなので、この若年女性人口が減少すると総人口の減少に歯止めがかからない関係にあるためである。そこで地方から東京圏への一極集通の人口移動が収束しないと仮定して試算した結果、896市町村がこの「消滅可能性都市」の定義に該当した。さらにこのうち2040年時点で人口が1万人を切る市町村は全市町村の3割にあたる523あった。人口が1万人を切るとその後一気に人口が減り行政体として機能の維持が困難になり、そのため現実に消滅する可能性が高いとみられている。ちなみにもし人口流出がなかったとしても現在の平均出生率1.41では30年後人口は7割になる計算で、人口を維持するためには出生率はただちに2.0程度になる必要があるそうだ。
 
今回の発表の特徴は「消滅可能都市」に該当する市町村名が公表されているところである。民間の立場からゆえできることで、政府の立場ではできなかったろう。しかし、安倍首相、菅官房長官と増田氏の関係から、政府側も承知の上で公表に踏み切ったのではないかと推測できる。ある雑誌では事前に増田氏が菅官房長官に公表への理解をもとめていたという記事もでていた。また発表の翌日には新藤総務相が「共同歩調をとっていきたい。思いは同じで役割分担をしたい」と発言し、連携を示唆している。それくらい、政府も自治体に対して危機感を共有したいということであろう。
 

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