2015年年頭にあたって

クオリティ埼玉 / 2015年1月1日 0時5分

新年あけましておめでとうございます。2015年もクオリティ埼玉ならびに主筆のインクをよろしくお願いします。
 
 
2015年の干支は「乙未」(きのとひつじ)になる。「乙」は芽が地上に出ようとして曲がりくねった状態を意味し、「未」は植物がうっそうと茂って暗く覆うことをさす。陰陽五行道では、木が地中に根を張って養分を吸い土地を痩せさせる陰の関係とあるが、そうとらえるのではなく、これから芽が伸びて木々が茂っていく良いことの始まりと前向きにとらえたい。
 
ちょうど60年前の「乙未」の1955年(昭和30年)は、高度経済成長の口開けにあたる神武景気が実質的にスタートした年である。経済成長を説明するための人口ボーナス論が近年注目を集めている。これは一国家において生産年齢人口(15~64歳)とそれ以外の従属人口(0~14歳、65歳以上)の比率をみたとき、生産年齢人口が従属人口の2倍以上あるときを口ボーナス期といい、人口ボーナスの期間はその国の経済成長を後押しするという理論である。この期間を終え、働く人よりも支えられる人が多くなる状況を人口オーナス(負荷)期という。日本は1960年頃から人口ボーナス期に入り、1990年代に終わった。神武景気にはじまった経済成長を人口ボーナスがさらに加速させ、世界に類を見ない高度経済成長を実現させたと言える。そして1990年代からの人口オーナス期は、まさに世間でいう「失われた 20 年」と一致するのである。
 
昨年メディアを賑わした「地方消滅」「地方創生」は、この人口問題に端を発している。今後は生産年齢人口の減少のその先に総人口が減少していくと予測されている。この人口減がすべての原因である。この解決のためには、長期的なところでは現在の合計特殊出生率1.43を、人口を維持するレベルの2.07までいかに向上させるかであるが、短期的には働き方を変える必要がある。それは、女性の働きやすい環境、短時間で多様な働き方を可能にする環境を創造することである。そして社会環境を整備するのは政治の力に他ならない。
 
年の瀬に行われた総選挙は戦後最低の投票率であった。今年の4月には統一地方選挙が控えている。国頼みの地方創生では何も変わらない。各々の地域が主体的に自らの将来について展望を持ち行動を起こすことが本当の「地方創生」である。その意味でも今回の統一地方選挙は重要な意味を持つ。良質な地方政治を創造するためにも、きちんとした判断材料を提供する地域メディアの責任は重いと考えている。
                                  (小林 司)

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