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【NBA Rakuten解説者インタビュー】落合知也さん「八村選手の活躍は同じ日本人として誇らしい」

NBA Rakuten / 2024年5月2日 12時0分

東京五輪でチームメイトだった富永啓生についてもコメント


現在、越谷アルファーズ(B.LEAGUE)の3人制バスケットボールプロチーム『ALPHAS 3x3』でプレイし、今年のパリオリンピックで、2021年の東京オリンピックに続く2大会連続出場を目指す落合知也選手が、4月25日(木)に「NBA Rakuten」で配信したマイアミ・ヒート対ボストン・セルティックス戦で解説を務めた。5人制、3人制の両競技でプロ経験のある3x3の第一人者に、NBA解説の感想やプレイオフの印象、八村塁や渡邊雄太への思いを聞いた。※インタビューは解説後に実施。


チーム力で勝てるのがNBAの魅力


――今回でNBAの解説は3回目となりますが、解説を通して視聴者にどういったことを伝えたいですか?

落合:まずNBAを観るファンの皆様はコアなファンの方が多いと思いますが、自分が解説することでNBAにさらに興味を持ってもらえたらいいなというのがあります。今自分は3x3をやっていますけども5人制の経験もありますし、プロの経験もあるので選手視点で見たNBA選手の考えですね。このシチュエーションではこう考えているのではないかなという予測や、見立てというのを伝えていければなという想いでやっています

――今日の試合ではヒートが勝利して1勝1敗としました。各シリーズ第2戦まで終えましたが、ここまでのプレイオフの感想を教えてください。

落合:ヒートに関しては自分としても気持ちが入りましたね。シード的にはスイープされてもおかしくないですが、ジミー・バトラーが抜けている状態なのに盛り返すのはNBAの楽しさの一つですね。個の力だけに頼らず、チーム、組織で立ち向かうというのがすごく良かった。3ポイントをたくさん打って、相手の3ポイントを抑えるというマイアミの策が見事にハマっていました。パズルを組み合わせて、ピースがガチっとハマった時の怖さがある。元々の地力の差以上のものが出た試合だと思います。非常に良かったですね。

あと個人的にレイカーズが好きなので、レイカーズが今2勝0敗で負けていて(インタビューは4月25日に実施)、第2戦もマレーにジャンパーを決められて20点差を溶かしてしまう試合がすごく残念だった。LAに帰って、ここから2戦あるので2勝2敗のタイに戻して、もう1回勝負を分からなくして欲しいと思います。昨年のリベンジというのもあると思うのでそこはプライドを持って頑張って欲しい。

――今挙げたヒートとレイカーズ以外で注目しているチーム、または選手はいますか?

落合:セルティックスの2人、ジェイレン・ブラウンとジェイソン・テイタムに注目しています。あとはサンダーの若手集団もすごく好きですね。プレイもそうなんですが、オフコートのファッションがオシャレでそこもすごくチェックしています(笑)。


この舞台に立てている八村選手がすごい


――今プレイオフにも出場している八村塁選手の印象を教えてください。

落合:まず、このNBAという舞台に立てていることがすごい。当たり前のように見てしまっているんですが、とんでもないことをやっていますよね。活躍するのがスタンダードになっていて、求められる値がすごく高くなっている。彼自身もすごいプレッシャーを受けながら、戦っているんだなとイメージしています。

次はオールスター級の選手になるのではないかというレベルにまで来ているので、皆さんもすごく期待している部分があると思います。レブロン(ジェームズ)の愛弟子として認められて、レイカーズでスタメンを張っているのは同じ日本人として誇りしかない。まだ彼も若いですし、これからもっと伸びていくでしょうし、個人としては良いキャリアを歩んでいると思います。

そしてインシーズン・トーナメントでは優勝しましたが、是非チャンピオンリングを取って欲しいです。そうしたら日本に夢や希望、元気を与えられると思うので、すごく応援しています。同じ日本人として誇らしいですね。



――今後八村選手がオールスター級の選手になるために必要なことは?

落合:言うのも恐れ多いですね(笑)。得点に関しては3ポイントも4割を超えていますし、非常に効率の良いオフェンスができていますし、レブロン、AD(アンソニー・デイビス)が出ていると生まれるミスマッチもポストでアタックができている。最初のポゼッションで八村選手に点を取らせたりと、チームからの信頼も厚いですね。その中でどんな相手でも安定して点を取ることがポイントになってくると思います。ナゲッツが相手だと、なかなかミスマッチが作り辛いのがあって彼の強みが活かせてない部分がある。

個人的にはレブロンが下がっている時に、もっと点を取りにいった方が良いと思う。今は合わせて点を取っている印象が強いので。もっと自分でクリエイトして点を取ることができれば、彼自身の幅が広がると思います。

あとはビッグマンへの守り方ですかね。僕というより、他のメディアが書いている記事を見ますが、改善は見られるのでもっと上手くなると思いますし、僕はワクワクしながら見ていますね。


渡邊選手の活躍は自分のことのように嬉しかった


――日本人選手で言うと、渡邊雄太選手が先日に日本復帰を発表しましたね。

落合:びっくりしました。渡邊選手とは特別な関係や友達とかではなかったんですが、日本代表とかのイベントで同席した際に話を聞くことがあって本当に人格者だなと。人として素晴らしいのが喋っていて分かって、信念や決意、自信とかも見てとれる存在でしたね。

渡邊選手は八村選手とはまた違った境遇で、ドラフト外からNBAで6シーズンもプレイするという、海外選手でもなかなかないキャリアを歩んでいて、僕も一ファンとしてすごく応援していました。彼が出る試合は必ずチェックしていたし、活躍すると自分のことのように嬉しかった。同時にもっとニュースになってくれとも思っていました。渡邊選手が活躍する度に期待値がどんどん上がっていたと思いますが、「これは当たり前じゃないんだぞ」と声を大にして言いたかったですね。

Bリーグに戻ってプレイするという決断については、そこまでのプレッシャーで戦っていた結果だと思います。明日切られるか分からないような状況が続けていたと彼は言っていましたが、そういったサバイバルレースを勝ち抜いてきた彼なので本当に後悔なくBリーグでやってほしいです。

日本のバスケットボール界をもっと盛り上がると思うので、そこは同じ競技者としても楽しみです。またどこかのイベントで会えたら「お疲れ様でした」「これからも応援している」と伝えたいですね。



兄貴分として富永を応援


――反対に富永啓生選手が今年NBA入りする可能性があります。東京オリンピックで3x3のチームメイトだった富永選手の、可能性についてはどう見ていますか?

落合:(NBA入りは)十分あると思います。渡邊選手がやってきたことを啓生も見ていると思うので、可能性はゼロではない。実力だけではなくて、運も味方につけないとあの世界ではやっていけない。だから、これからどんなチャンスがあるかわからないですけど、啓生次第だと思います。

ただ、彼は大学もそうですけど、ここまで活躍すると思われなくて、それを跳ね返して結果を残しているので、必ずやってくれると友達として見ているし、信じていますね。彼らしく楽しく、チャレンジしてほしい。友達として心から応援しています。

――今でも連絡は取り合っていますか?

落合:結構連絡は取っています。最近も日本時間のめちゃくちゃ早朝に電話かかってきて、一応僕が先輩なんですけど、気を使わずにかけてきます。年齢は14、5歳くらい離れていますけど、第一声が「What’s up Bro?(兄弟、調子はどうだ?)」ですからね(笑)。

でも、やっぱり東京オリンピックを一緒に経験したのは大きいです。それまでの苦労、厳しい練習とか、いろんな境遇を共にしたので、ただの仲間というより戦友として彼の中に残っているのではないかなと思います。



3x3は世界で戦える競技


――3x3のパリオリンピック予選が5月3日から始まりますが、今の心境や手応えは?

落合:昨日も代表の選考合宿がありました。まだメンバーが分からない状況の中で(その後、落合選手はメンバー入り)、セルビアの世界一のクラブチームとフランス代表を召集して、世界トップクラスの2チームと練習試合をさせてもらってすごくいい手応えを感じています。

まだ本戦出場を決まってないので、タフなトーナメントになりますが、まずはその切符を取らなければいけません。ただ、本戦出場を決めたら、メダルを獲る可能性は間違いなくあると思います。東京オリンピックでは2勝して、準々決勝では最終的に金メダルを獲得したラトビア相手に21-18のスコアだったので、日本代表にはすごくチャンスがあります。

3x3という競技は日本が世界で戦える競技です。アメリカには元NBA選手のジマー・フレデッテがいて、そういった選手たちを倒したいし、自分たちには倒せる力がある。メダルは最大の目標ではありますが、2大会連続本戦出場出ることができれば僕の人生を変える一つのきっかけになります。一つ自信になるので本戦を決めて、その後メダルを獲るために何をしなくてはいけないかというのを次のステップにしたいと思います。

――普段NBAを観ている方達に是非3x3の魅力を紹介してください。

落合:単純に5人制と違うのが、まず野外でプレーすることが多いです。また、DJがイケイケの音楽を流して、MCもいるのでエンターテイメント性の部分ではNBAに似ています。

大きく違うのが、攻守の切り替えの速さ。ショットクロックも12秒なので必然的にシュートに行く回数が多いし、速い。展開の速さというのはフルコートの5×5では見られないところ。あとは21点でノックアウト(試合終了)になるので、そこのスリリングな展開というのが3x3の魅力です。フィジカルもバチバチのぶつかり合いがあるのですごく楽しい。あとお客さんとの距離が近いので、すごい近距離でその迫力が見られるというのも一つの魅力かと思います。



(C)2024 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.

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