2019NBAアウォーズをより楽しむために...押さえておきたい3つのポイント
NBA Rakuten / 2019年6月17日 10時40分
今シーズンも残すところあと少しとなったが、NBAファイナルでNBAの楽しみがすべて終わった訳ではない。
NBAの場合ファイナル終了後も「NBA Awards (アワード受賞祭典)」があるのだ。今年で3回目を迎えるNBAアウォーズだが、この祭典とはどのようなものなのだろうか?多くの方はこのイベントが比較的新しい事もあり、その立ち上がり背景や、どのような事が行われているのか疑問に思う事が多いかと思う。今回の特集ではNBAアウォーズをより楽しむために押さえておきたいポイントを3つご紹介したい。
1) 立ち上げ背景
本アウォーズは初開催から数えまだ3回目と新しいものであり、NBAの取り組みの中では極めてニューフェースといえる。
第1回目の開催となった2017年以前は、プレイオフ途中にシーズンMVPをはじめとする各種アウォーズを発表していた。ただ、せっかくの年間優秀選手をプレイオフ中にセレモニーなくウェブやニュースのみで発表する事に対し、アダム・シルバー(NBAコミッショナー)がもったいなさを感じた事、並びにそれらアウォーズ発表をショー化する事でよりNBAに注目を集められると思った事から、このイベントが立ち上げられた。
また、米国プロリーグとしてNBAのライバルといえるNFLが同セレモニーを2012年に開始し、爆発的な人気を得ていたのも、シルバー氏の決断を後押ししたと思われる。
2) 見どころ
もちろん最大の見どころは実際にどの選手がアウォーズを受賞するかといった点に尽きるが、NBAアウォーズではその授賞式をショー化しており、本授賞式自体にも多くの見どころが存在する。
その中で最大の見どころは総合司会を務めるシャキール・オニールがどのように選手を「いじる」かという点である。米国大手スポーツメディアであるESPN社が毎年その年優秀だったスポーツ選手を賞するべく開催するESPY(エスピー)アウォーズや、先ほども例に出したNFLアウォーズにおいてもそうであるように、司会が選手を「いじり、笑いを取る」というのが近年の米国スポーツ式典での定番と化してきており、NBAアウォーズもその例外ではない。これは日本の表彰セレモニーを知る日本人からは理解・想像しづらい点かと思うが、米国スポーツセレモニーは表彰式というより正直に「スタンドアップ・コメディー」的な要素が強いのも特徴である。
過去2回のNBAアウォーズではラッパーのドレイクと、コメディアンであるアンソニー・アンダーソンが司会役を務め、会場にいた選手を大いにいじり、会場・TVの前の視聴者を爆笑の渦に巻き込んだ。
特に近年NBA選手たちのハンドシェークが複雑化している事に着目し、それらハンドシェークに格好悪いものがある事から、新たなハンドシェークをコメディアンであるウィル・フェラルと提案したセグメントは最高のウケをとり、その後YouTubeなどでも大量に再生された。
今回コメディアンとしての才能も幾度となく発揮してきたシャキール・オニールがどのように本アウォーズをホストしていくのか、是非注目して欲しい。
3) 注目アウォーズ
そんなNBAアウォーズだが、では今年度の注目アウォーズは何なのだろうか?個人的に注目したいのは、受賞者が全く読めない事からも、①MIPと、②MVPである。
① Most Improved Player (MIP: 最も今年成長した選手に贈られる賞)
シーズン前に識者によるアウォーズ予想でも最も困難と言われるのがこのMIP賞であり、今年もその例外ではなかった。
シーズン前の米国大手スポーツベッティングサイトであるGambling.comが発表したオッズでは、シカゴ・ブルズのザック・ラビーンが最も人気が高く、その次にマイアミ・ヒートのジョッシュ・リチャードソンが続く結果となっていた。
しかし蓋を開けてみたら、その両選手は最終候補にも残っておらず、残ったのはサクラメント・キングスのスピードスターであるディアロン・フォックス、ブルックリン・ネッツのドリブルマエストロなディアンジェロ・ラッセル、そしてトロント・ラプターズの超アスレチックウィングのパスカル・シアカムの3名である。確かにシアカムとフォックスはまだリーグ在籍年数が短く、そのポテンシャルの高さから大きな成長が期待されていたが、ここにシーズン後半ラッセルが名乗りを上げた。
ラッセルは2015年にレイカーズからドラフト2位と高順位で指名されたが、チームメイトとの会話を盗撮しリークするといった未熟な行動が多々見られ、わずか2シーズンで見切られる形でネッツにトレードされてしまった。
そんなラッセルだが、ネッツに来てからは過去の悪評を覆すべく、コーチの言葉に耳を傾け、ダイエットを行い、またメンタルを鍛えるためにその専門家をつけるまでしていたのだ。それら努力が実ったのが今シーズンの結果に表れたと言え、チームをプレイオフに導くと共に、個人としてオールスターにも選出される等、最高のシーズンを送る事ができた。
個人としてはその苦悩を知っているからこそ、今年のMIPには是非ラッセルを推したい。
② Most Valuable Player (MVP: 最優秀選手賞)
当然ながら例年最も注目を集めるのがMVPである。
今年も例年通り、シーズン途中まで今回アウォーズの最終候補者3名に残った、ジェームズ・ハーデン、ヤニス・アデトクンボ、ポール・ジョージによる三つ巴の争いであったが、シーズン後半にポール・ジョージ(及び所属するオクラホマ・サンダー)が調子を落としてからは前者2名によるデッドヒートが繰り広げられる事となった。
よって、今回のアウォーズには上記3名が残っているが、実質はヤニスとハーデンの一騎打ちとなっている。
この両名において、どちらが本アウォーズを受賞するかという議論はシーズン途中から継続してスポーツメディアで議論となっている。NBAアウォーズの最終候補者発表後、米国大手スポーツメディアのスポーツイラストレイテッド社が同NBA記者7名の内誰がMVPを受賞するか投票をとったところ、7名中6名がヤニスをMVPと評し、一方的な結果となってしまった。
一方、米国スポーツメディア最大手のESPNがとった統計では、以下図の通りヤニスとハーデンが極めて拮抗する形となった。
![](https://image.nba.rakuten.co.jp/media/news/1170/body/onedis1.jpg)
![](https://image.nba.rakuten.co.jp/media/news/1170/body/onedis2.jpg)
また、大手スポーツベッティング会社であるファンデュエル社では、両者のオッズが現在拮抗しており、その何れが受賞するか全く読めないとしている。
筆者個人としては、ここ数年で最高の得点力を見せてくれ、バスケ元来の楽しさとも思える「点を取る事」を再認識させてくれたジェームズ・ハーデンを押したい。
ハーデンは今シーズン、ダブルエースとして期待されていたCP3ことクリスポールを長期離脱で欠く中、32試合連続で30得点以上取り、チームをプレイオフ上位争いに導いたのだ。ロケッツがハーデン、ポール以外にオールスター級の選手を持たない中でこれ程の得点力と、勝利数を上げたのはまさにハーデンのおかげと言え、彼が背負った責任の重さを考えると彼こそがMVPに相応しいと捉えている。
そんな見どころ満載なNBAアウォーズは日本時間6月25日(火) 午前9時50分より開始!
家徳” Yutaka" 悠介
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![](https://image.nba.rakuten.co.jp/media/news/1170/body/sporta.jpg)
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