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【NBA Rakuten解説者インタビュー】大西玲央さん 「河村選手はプレシーズンで多くのことを証明した」

NBA Rakuten / 2024年10月26日 14時20分

ジェームズとデュラントのベテラン対決にも注目


2024-25シーズンの開幕を記念して、NBA Japanシニアエディターであり、「NBA Rakuten」の解説でもお馴染みの大西玲央さんにインタビュー。河村勇輝や大西さんが注目するチーム、選手について語ってもらった。※インタビューは10月24日のユタ・ジャズ対メンフィス・グリズリーズ戦の解説後に実施。


河村選手はいい意味での驚きが大きい


――今季からNBAに挑戦している河村勇輝(グリズリーズ)、プレシーズンでの活躍が目立ちました。

大西: プレシーズンは1、2試合くらい出られればいいのかなって思っていたら、最終的にはずっと出場していました。凄い選手だし、NBAでも十分できるというのは分かっていたんですけど、いい意味での驚きが大きいです。ジャ・モラントの怪我などもあったとはいえ、その中で起用され続けたのは河村選手が実力で勝ち取ったもの。2ウェイ契約も手にして、本当に素晴らしいです。

――プレイを観た印象は?

大西:今季のグリズリーズは、みんなでしっかりパスを回していくっていう全員バスケのスタイル。そのため河村選手もパスファーストっていう感じになっているのかなと思いましたが、一方でシュートを狙うべきところではしっかり打っていました。FIBAワールドカップやオリンピックでは、1対1からのステップバックで3ポイントを決めていますからね。そうしたシーンもいずれNBAで観られると思います。

あとはシュートをどれぐらい決められるか。プレシーズンでは珍しくエアボールもありましたけど、選手のサイズやクローズアウトの詰められ方など、いろいろ測っていたんじゃないかと思うんです。これだけ高いならこの角度で打たないとな、とかそういう所を見極めながらやっていたと思うので、慣れてくればどんどんシュートが入るはずです。



――今日行なわれた開幕戦、ベンチ入りも果たして日本人4人目のNBA公式戦デビューが期待されましたが、出場はならずでした。

大西:中継でも話したのですが、単純な序列じゃないんです。PGのポジションだけ見るとモラント、スコッティ・ピッペンJr.、そして3番手が河村選手なのですが、グリズリーズのスタイルだとみんなパスを回すので絶対的なPGが必ずしも必要ではないんです。マーカス・スマートやルーク・ケナードなどもボールを運べるし。なのでピッペンJr.が不調でも自動的に出番が回ってくるわけではない。ただ、河村選手はプレシーズンで多くのことを証明してきたので、状況がかみ合えばプレイタイムを与えられるはずです。

――Gリーグでは個人プレイに走ってしまう選手も少なくないです。

大西:一度パスを出すとボールが戻ってこないというのを、Gリーグではいっぱい見てきました。ただグリズリーズではそうしたことはなかったし、Gリーグのハッスルでも同じシステムがしっかり踏襲されていれば河村選手の良さが生きる場面は多くあると思います。Gリーグで実戦を積むことはとても大事になりそうですね。


ウェンバンヤマのオールNBAチーム入りはある


――八村塁選手(ロサンゼルス・レイカーズ)が開幕戦で活躍していました。

大西:よりアグレッシブになっている感じがしました。JJ・レディックHC(ヘッドコーチ)は、八村選手の3ポイントを増やしたいと明言していましたが、僕も3ポイントは積極的に打っていくべきだと思います。一方で八村選手が得意なミッドレンジについて、レディックHCは得点効率が良くないと話していました。それでも開幕戦で八村選手は、ミッドレンジを打てる場面でしっかり決めていたので、特に混乱はないんだなと安心しましたね。あとインサイドで相手を押し込むのを意識していたのかなと。相手を見極めて、行ける時はどんどん押し込んで積極的に攻めるっていう姿勢が見られたのは良かったです。

――八村選手は相手に全然力負けしていないですからね。

大西:昨日はディフェンスも非常に良かったです。昨日も35分プレイしていましたが、ディフェンスでも存在感を示せればこれくらいの出番は常時与えられそうです。



――大西さんが今季注目しているチームは?

大西:ニックスです。カール・アンソニー・タウンズやミケル・ブリッジズの獲得と言った大きな動きがありましたし、そのブリッジズとOG・アヌノビーのディフェンスも強力です。開幕戦はボストン・セルティックスが良すぎたので負けてしまいましたが、ニックスはまだ噛み合ってない段階。これから良くなっていくと思います。

ウェストではサンズです。新加入のタイアス・ジョーンズが素晴らしい。昨シーズンはデビン・ブッカーが任されていたのですが、やはり安定してPGに専念できる選手が1人いるとオフェンスは変わってきます。それにジョーンズはミスが少ない。そのなかでブッカー、ケビン・デュラント、ブラッドリー・ビールをうまく使えれば、もっとオフェンスが機能してくるはずです。

――昨季強烈なインパクトを残したビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)はいかがでしょう?

大西:今季2年目ですが、オールNBAチーム入りはあり得ると思います。複数の試合が行なわれている時間帯でスパーズが試合をしていたら、つい観ちゃいますね。クリス・ポールの加入もびっくりしました。優勝を追うのではなくウェンバンヤマとのプレイを選んだんだって。これまでポールは加入したチームを強くしてきた実績がある一方、ウェストは本当に強いチームがひしめき合っています。ポールの神通力がどこまで通用するのか注目です。


グリズリーズの展開が早いバスケを楽しんでほしい


――新シーズンの開幕、河村選手のNBA挑戦もあって、このタイミングで初めてNBAを観る方も多くいらっしゃると思います。大西さんがそうした方にオススメしたい注目ポイントは?

大西:河村選手を注目する方が多いと思うのですが、グリズリーズの展開の早いバスケは本当に魅力的なのでそこを楽しんでほしいです。あとは好きな選手を見つけること。ジャ・モラントみたいにプレイが派手な選手もいますし、そうした好きな選手が増えるとより楽しめると思います。NBAには魅力的な選手が本当に多いですからね。

あとはBリーグをメインに観ていた方であれば、NBAとの違いを楽しんでほしい。どっちがいい・悪いというのではなく、プレイもタイムアウト中のパフォーマンスもそれぞれの良さがある。それらの違いが楽しめるようになれば、結果的に両方のリーグの理解も深まり、NBAもBリーグももっと楽しめるようになると思います。

今シーズンは解説する時も、初めてNBAを観る方もいらっしゃるということをできるだけ意識しています。今日の中継でもディフェンスの3秒ルール(守備の選手は攻撃の選手を守ることなく制限エリア内に3秒以上とどまることができない)について説明しましたが、そうしたことはやっていきたいですね。

――ちなみに先日NBAの開幕ロスターが発表されましたが、NBA Japanには全選手の日本語表記も掲載されています。こちらは長年大西さんが担当されていますが、かなりの人数を確認しながら作業するのは大変ですよね?

大西:僕が1人で暴走している感じです(笑)。基本的には全員一回は検索します。たとえ普通の名前でも全然違う読み方だったりする可能性があるので。新しい選手は全員検索して発音を確認するんですけど、これが結構大変で。海外の選手だと現地のリーグで出ている時の映像を確認しても、実況や解説の方が正しく言っていない可能性もありますからね。

本人の発音を確認するにも、自分の名前を言っている動画ってあまりなくて。最近ユーロリーグでは自分たちが名前を言っている音声ファイルが用意されているので、それを確認したりもします。それでも現地での読み方とアメリカでの読み方が違ったりすることもあるので、そうした事を鑑みながら一番いい仮名ってなんだろうと考える。本当に時間が掛かる作業です。開幕直前とかに突然ポンって契約する選手がいると、けっこう大変ですね(笑)。「外国語の完璧なカタカナ化なんて無理なのだからなんでもいい」という声が多いのを理解しているのですが、僕自身がアメリカに住んでいた時に名前を間違えられるのが割とストレスだったので、できる限り発音を近づけたいという想いが強いです。



(C)2024 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.

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