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今アツい、日本バスケ界を牽引する司令塔 川崎ブレイブサンダースNo.7篠山竜青

NBA Rakuten / 2019年4月26日 16時0分

今、国内バスケが熱い。今年2月、男子日本代表が21年ぶりにワールドカップ予選を自力突破し、東京五輪出場権を獲得。3季目に突入したBリーグも各地でチケット売り切れが相次ぎ、順調な成長を続けている。この流れに乗り、今季大いにクローズアップされたプレーヤーの1人が、川崎ブレイブサンダースと日本代表で司令塔と主将をつとめる篠山竜青。NBAとの関わりや、アメリカ代表と対戦する8月のワールドカップに向けての抱負などを聞いた。

NBAと出会ったのはいつごろでしたか?

バスケットボールをプレーしていた兄と姉の影響で、物心つくまえから身近な存在でした。家にはNBA関連のVHSがたくさんありましたし、衛星放送で試合もよく見ていました。

試合の内容までしっかり覚えているところだと、ブルズが3ピートを達成した1998年のファイナル。小学生高学年でした。ジョーダン(マイケル・ジョーダン)のラストショットは今でも鮮明に覚えていますし、97年もスティーブ・カーのブザービーターをうっすら覚えています。小さいころのヒーローは、仮面ライダー、ウルトラマン、そしてジョーダンでした。

NBAのどんなところに惹かれましたか?

選手、ファッション、エンターテイメント、とにかくすべてがかっこよかったですね。試合前にアリーナが真っ暗になる演出なんかは、当時の僕からしたら考えられないものでした。入場シーンも大好きで、それこそ、毎日の遊びは「入場」から始まっていましたよ。選手になりきって、玄関から近くの公園の滑り台まで、気持ちを作りながらゆっくり走っていくんです。

ヒーロー・リュウセイが大歓声に沸くコートに出ていくわけですね。

そうそうそう。絶対みんな似たようなことをやりますよね?

それこそ、うちの3歳の息子も、ブレイブサンダースの選手になりきって入場します。

日本のバスケットボール界もそういう世界になってきているんですよね。すごくうれしいです。

映像以外だと、NBA関連の雑誌もご覧になっていましたか?

高学年から。「読んでいた」というか「見ていた」という感じですけど。NBA雑誌って写真がでかいんで、それを切り抜いて下敷きを作ったり、付録のポスターを部屋に貼ったり…。「趣味はポスター貼り」と言っても過言ではないくらい、部屋中がポスターだらけでした。

当時好きだった選手は誰ですか?

アイバーソン(アレン・アイバーソン)です。プレーもかっこよかったけれど、ユニフォームの着こなしとか会場入りするときの服装とか、ファッションもものすごくかっこよくて。先生が怖くてできなかったけれど、本当は彼のようにアームスリーブをつけてプレーしたかったです。

それこそ、私服でいかついアクセサリーを身につけたりは…?

やってみたかったけれど、ヤンキーにからまれるのが怖いのでできませんでした(笑)。でも、誕生日のプレゼントは毎年アイバーソンのもので、中学生の頃はAIモデルのTシャツとスウェット、スニーカーでキメて、横浜駅の西口をドキドキしながら歩いていましたね。実は、アイバーソンのルーズな着こなしには今でも影響されていて、ユニフォームやチームウエアもダボっと着るのが好きです。トレンドはタイトなシルエットですけど、なびきません!

Bリーグの選手も、NBA選手のようにファッションアイコンとして世間に認知されるといいですよね。

会場入りの服装は、ちょっと工夫してもいいかもしれませんね。チームによってスポンサーのスーツを着たりジャージだったり様々ですけど、そこで油断しない。統一感の中でいかにスニーカーで遊べるかとか、そういう意識を高く持つ必要はあるかなと感じます。

成長していってもNBAへの熱は相変わらずでしたか?

徐々に自分のバスケが大変になっていって、NBAを見るよりも対戦相手の映像を見る時間のほうが多くなっていきました。あとは自分の手が届きそうな国内リーグの試合を、「自分の現在地とどれくらい距離があるんだろう」と考えながら見たりすることも増えましたが、オールスターとファイナルは毎年必ず見ていました。

プロ選手になった今は、どのような視点でNBAを見ていますか?

小さいころは選手にフォーカスしていましたが、今はこのチームはこんな歴史があって、GMがこんな人で…と、「球団」という大きな枠で見ることが多いですかね。選手の集め方も気になります。有名選手を一気に寄せ集めるチームもあれば、コツコツ育てるポリシーのチームもある。自分の現状と照らし合わせて、今後Bリーグはどうなっていくべきなのかなんてことも考えたりします。

ちなみにクラブハウスの食堂では毎日何かしらのNBAの試合が見られるようになっています。最近は「これは試合観戦でなくスカウティングなんだ」という意識で見るようになって、ちょっと不思議な感覚です。「この選手たちと夏に対戦するんだよな…」と。

篠山選手がキャプテンを務めるバスケットボール男子日本代表は、FIBA ワールドカップの予選ラウンドでアメリカ代表と激突します。マッチアップしてみたい選手はいますか?

やっぱりカリー(ステフィン・カリー)やカイリー・アービングですかね。プレイオフで勝ち進んだ選手はワールドカップを回避するかもしれませんが、誰が出てきても楽しみです。

日本代表はアジア予選で4連敗を喫した後、8連勝と大きく巻き返してワールドカップの出場権を手にしました。この大会を振り返っていただけますか?

今回の予選は、これまでの1カ国開催の短期決戦でなく、1年3カ月の間に6回のウィンドウ(会期)を設定し、ホーム&アウェーで戦うという方式でした。結果的に見れば、この方式が日本にとってうまく作用した大会だったなと振り返ります。4連敗は非常に苦しくてチームは沈むところまで沈みましたが、時間が空くことで切り替えもできましたし、八村塁、渡邊雄太のアメリカ組が合流できたのも、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)の帰化が間に合ったのもこのレギュレーションだったからでした。

彼らがそろった状態で、強豪のオーストラリアを日本で迎え撃てたというのも大きかったですね。たぶん誰もオーストラリアに勝てるとは思っていなかったでしょうが、「ホームだからみんなで後押ししてくれる。とにかくチャレンジしよう」という気持ちで戦い、プレッシャーに打ち勝つことができました。

キャプテンとしてはどのようなことを心掛けていましたか?

本音をいうと、全然ないんです。メンバーはみんな精神面がしっかりしていますし、特に、結果が出ない中で長く代表を支えてきた竹内譲次さん(アルバルク東京)や古川孝敏さん(琉球ゴールデンキングス)らは、チームのことを思って適切な場面で発言し、引っ張ってくれました。僕の役割は彼らを補足することと、メディア対応くらい。キャプテンとして取り上げてもらえるのがおいしいと思えるくらい、苦労はなかったです。

代表活動を経て、個人として成長を感じることはありますか?

メンタルや技術などすべての面でステップアップできたと思いますが、特に、ポイントガードとしての経験値を大きく積むことができました。ゲームコントロールに対しての深みや引き出しの数と言いますか、「こういう状況ならこうなるよな」というような感覚は、アメリカで活躍する渡邊や八村とともにプレーし、アジアのトップレベルと戦うことで増やせたと思います。

改めて、ワールドカップの抱負を聞かせてください。

現状の日本バスケと"世界一"との距離がどれくらいかがダイレクトにわかる、すごくいい機会だと受け止めていますし、自分にとってもアメリカ戦は一生の思い出に残るゲームになると思います。もちろん、ボコボコにされたら…という恐怖心もありますけれど、それよりもワクワク感や楽しみな気持ちのほうが強いです。準備できる時間はあまり多くありませんが、その中でしっかり成長して本番を迎えたいです。

また、10月8日、10日にはさいたまスーパーアリーナで16年ぶりにNBAのジャパンゲームが開催されます。このイベントに期待したいことはありますか?

僕、前回(2003年)のジャパンゲームを見に行ってるんですよ。確かスーパーソニックス×クリッパーズだったかな。めちゃくちゃ鮮明な記憶がありますし、「世界トップのバスケットってこういうものなんだ!」という気づきや感動も忘れられません。だから、そんなイベントが復活するというのはとてもうれしいですね。様々な方が楽しみにされていると思いますが、個人的には特に子どもたちに見てもらいたい。本当にすごく大きな刺激になるので。

子どもたちのためにというところでは、今後も毎年ジャパンゲームが開催されることにも期待したいです。NBA側に「毎年日本で試合をしたい」と思ってもらうためには、バスケットボールファンを増やし、盛り上がりや文化を作ることが必要不可欠。日本でプレーする僕らが、Bリーグや代表戦を通してその役割を果たしたいと思っています。

青木 美帆

中高生向けバスケットボール専門誌の編集者を経て、現在はフリーのライター兼エディター。国内バスケットボールを主戦場とし、現在Bリーグや日本代表で活躍する選手の多くを、中高生時代から取材している。

(C)2018 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.

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