ネッツを支える“3ポイント職人”渡邊雄太 さらなる成長へ直面する課題【1/1(日)午前9時00分『THE MATCHUP』ネッツ対ホーネッツ】
NBA Rakuten / 2022年12月31日 11時30分
10連勝と絶好調のネッツで欠かせない存在となった渡邊
初日の出・お雑煮・年賀状、日本の新年を彩る行事は数あれど2023年元日はこの男の存在を忘れてはいけない。NBAブルックリン・ネッツの渡邊雄太。今季リーグ最長、破竹の10連勝中と絶好調のネッツが、日本時間1月1日(日)午前9時からシャーロット・ホーネッツと対戦する。キャリア最高の活躍を続ける渡邊が、新年早々日本のファンの前に登場する。
開幕からすでに2か月(出場は22試合)が経過してなお、渡邊は3ポイント成功率で52.3%という高確率を維持している。ケガからの復帰後、一時規定本数に達してリーグ1位に返り咲くも現在は1本足りず、リーダーズボードに名前は載っていない。しかし現在の1位はデイミオン・リー(フェニックス・サンズ)の48.6%。元日のホーネッツ戦で2本以上成功させると再びリーグトップへの返り咲きがほぼ確実となっている。
そんな渡邊のホットスポットとなっているのが66.7%で射抜くコーナースリーだ。今シーズン、コーナースリーを30本以上打っている選手の中では最も高い確率で、さらに左コーナーからに限るとその確率は72.2%にまで跳ね上がる。コーナースリーはまさに渡邊の代名詞にもなりつつある。
厳しくなるマークも認められた証、今後の課題は?
負傷離脱以前と復帰後で渡邊の3ポイントに対するディフェンスの厳しさには変化が表れている。ケガをする11月21日まではワイドオープン(ディフェンスとの距離が6フィート以上)の状況で1試合平均2.1本の3ポイントを放っていたのが、復帰後は1.1本に減少。逆にオープンまたはタイト(ディフェンスとの距離が2〜6フィート)の状況での3ポイントが0.8本から1.8本と増加しているのだ。
今シーズンの渡邊はワイドオープンでの3ポイントは57.9%と驚異的な数字を残しているが、オープンまたはタイトな状況においては44%と約14%も低下してしまう。44%もあれば十分とも思えるかもしれないが、NBA最強のシューターと称されるステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)はその差がわずか4%ほど。マークが厳しくなっても“決め切る力”、渡邊もその部分をさらに向上させることができれば相手チームにとってより脅威の存在となる。
求められる守備面でのステップアップ
もう一つ気になるのがディフェンスに関するスタッツだ。ヘルプディフェンスの嗅覚、ローテーションでの的確さ、そして献身性。ネッツというチームにおいて渡邊のディフェンスでの貢献度は大きい。しかしアイソレーションに対するディフェンスにおいては気になる数字が出ている。1ポゼッション以上アイソレーションディフェンスをする選手の中で、ポゼッションごとの被得点数がリーグで5番目に高い数字となっているのだ。アイソレーションに絶対的な自信を持つ各チームのエースをマークする機会が増えたため、この数字は致し方ない面もあるかもしれないが、ディフェンスを売りにする選手にとっては悔しい数字だろう。
ポイントとなるのがフィジカル面だ。俊敏性、手の長さなど長所を生かし、横の動きや高さでは優位性を発揮しているが、フィジカルに強みのある相手に対してはドライブで押し込まれ得点につなげられるシーンが目立つ。12月17日の古巣トロント・ラプターズ戦ではその弱点を徹底的に狙われた。フレッド・バンブリートにアイソレーションを仕掛けられると、フィールドゴールを3本全て決められ、マッチアップにおいて7得点を許してしまった。
開幕前の状況から考えると十分すぎる活躍を見せてくれているが、さらなる高みへと昇るためにもこういった課題をクリアしていきたい。
ビッグ3とは抜群の相性
今シーズン、クロージングラインナップで出場が増えている渡邊だが、その大きな要因がネッツの誇る強力ビッグ3(ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ベン・シモンズ)との相性の良さだろう。4Qにこの4人が揃って出場した際のネットレーティングは+48.9と大きくプラスとなっている。
オフェンス面では今シーズン64本成功させているフィールドゴールのうち、28本がデュラント、カイリー、ベン・シモンズのアシストから。1対1に強いビッグ3にマークが集中することで渡邊がフリーになりやすく、効果的に3ポイントを決めることができている。今後は先述の通りマークが厳しくなることも予想されるが、プラスに考えると相手ディフェンスはビッグ3に集中し切ることができない。フロアスペーサーとしてチームに大きな恩恵を与えることになるだろう。
現地実況にも注目! 新たなニックネームは生まれるか?
「Yuta The Shoota(ユウタ・ザ・シューター)」「Mr.Clutch(ミスター・クラッチ)」「Hot-anabe!(ホタナベ。好調を意味するHotと渡邊を組み合わせた造語)」、ネッツの現地実況が生み出す渡邊を表す言葉からもブルックリンでの彼への対する愛が伝わってくる。
かつて“リンサニティー”と呼ばれ衝撃を与えたジェレミー・リン(元ニューヨーク・ニックスほか)や、ロサンゼルス・レイカーズ在籍時にショータイムになぞらえ“カルーショー”という愛称でも親しまれるアレックス・カルーソ(現シカゴ・ブルズ)らドラフト外から人気プレイヤーへと階段を登った選手たちのようにファンからの期待も高まるばかり。今後生み出されるかもしれない新たな愛称にも注目したい。
■【THE MATCHUP】ブルックリン・ネッツ対シャーロット・ホーネッツ
日時:日本時間1月1日(日)午前9時
会場:スペクトラム・センター
解説:中原雄 / 実況:永田実
視聴可能プラン:LEAGUE PASS、BASIC PASS
(C)2023 NBA Entertainment/Getty Images. All Rights Reserved.
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