KDDI、沖縄のタクシーに「多言語翻訳システム」を導入

RBB TODAY / 2017年11月17日 18時30分

KDDIと沖縄セルラーでは、沖縄の観光タクシーにおける訪日外国人向け「多言語音声翻訳システム」の社会実証をおこなう

 2020年には東京オリンピックも控え、訪日外国人が増加している中、KDDIと沖縄セルラーでは沖縄の観光タクシーに「多言語音声翻訳システム」をテスト導入する。空港、港といった外国との玄関口で、円滑なコミュニケーションによる”おもてなし”を実現する取り組みだ。

■サービスの狙い

 多言語音声翻訳システムは、情報通信研究機構(NICT)が開発した技術を応用した。対応言語は英語、中国語、韓国語。沖縄県内観光スポット(首里城、美ら海水族館など)を実施エリアに指定、タクシー50台で展開する。期間は11月16日から2018年3月まで。

後部座席から見たところ。マイクとタブレットが設置されているのが分かる

 運転席と後部座席にタブレット端末を設置するほか、乗務員にはピンマイクが、後部座席には指向性の高いマイクが用意される。乗務員と外国人が会話すると、お互いの言語が翻訳されて音声で再生されると同時に、タブレットにも翻訳文が表示される仕組みだ(翻訳はau 4G LTEのネットワークを介したクラウド上でおこなわれる)。なお会話文中のキーワードに合わせた写真、動画も適宜、タブレットに表示されるとのこと。

タクシーの実車を用いたデモもおこなわれた。GPSと地域の辞書により、沖縄特有の地名もスラスラ翻訳していく

 ユニークなのは、GPSを用いることで「地域ごとの辞書」の切り替えが可能になる点。同音異義語や、地域により読み方の異なる固有名詞の識別ができ、音声翻訳システムの精度が向上する。例えば、沖縄の辞書には地名3,000語を登録。「タイラ」と言われた際に、長崎の多比良ではなく、沖縄の田井等がヒットするようになっている。

登壇した(左から)KDDI総合研究所 田中英明氏、KDDI技術開発戦略部の沖本彰氏、沖縄県ハイヤー・タクシー協会 統括部長の新垣良勝氏

 沖縄に発着する航空路線が拡充されたこと、クルーズ船寄港の回数が増加したことにより、2017年上半期の訪日外国人数は過去最高の約150万人に達する見込み(昨年比で約21%増)。KDDI総合研究所 執行役員 プロモーション部門長の田中英明氏は「タクシー運転手と外国人観光客の間で円滑なコミュニケーションに対するニーズが高まっている」と説明している。

 ちなみにKDDIとKDDI総合研究所では、2015年11月から鳥取県の訪日外国人向け観光タクシーにおいて、また2016年12月から東京都の「東京観光タクシー」において、多言語音声翻訳システムを用いた社会実証をおこなってきた。その結果、「乗客とコミュニケーションをとることができた」と回答した乗務員は6割を超えた。KDDI技術開発戦略部 渉外グループ マネージャーの沖本彰氏は「今年からより実用的なフェーズに移行する」と説明する。

 一般社団法人 沖縄県ハイヤー・タクシー協会 統括部長の新垣良勝氏は「今回の取り組みを通じて利用実態を把握し、課題の解決策を見つけていく。高度な”おもてなし”を実現して、顧客満足度を高めていきたい」と意欲的に語っていた。

RBB TODAY

トピックスRSS

ランキング