三代目J-Soul Brothersが3週連続トップ EXILEグループの“若手育成”はなぜ強い?

リアルサウンド / 2014年1月23日 12時11分

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 音楽ライターが最新CDチャートの傾向を分析する当コラム。今週は石井恵梨子氏が、2014年01月13日~2014年01月19日のCDアルバム週間ランキング(2014年01月27日付)について解説した。(リアルサウンド編集部)

 元旦から三週目、三代目J-Soul Brothersの『THE BEST/BLUE IMPACT』が3週連続の一位。 オリジナル・アルバムにオマケのベスト盤というのは判断に困る、というのは2週間前の宇野氏の意見(参考:三代目 J Soul Brothersが2年連続元旦1位 EXILEファミリーの戦略を探る)で、こちらもまったく同意なのだけど、とりあえずぶっちぎりに売れているのは事実。EXILEファミリーの勢いは今年もまだまだ続きそうだ。

 もっとも、ボスのEXILEは2年以上オリジナル・アルバムを出していない。それよりは忠実かつ有望な若手を育成し、次々と売りだしていくことに重きを置いている印象で、これはミリオンセラーなき時代を象徴するビジネス戦略かもしれない。特大ホームランは無理でも、話題の新人にクリーンヒットを、中堅どころにナイスバントを打たせ続け、「同じようなサウンド/雰囲気が好き」な支持層をがっちりキープしていく。興味のない人間から見ればEXILEファミリーはどれもこれも似たようなものだろうが、一度ハマれば飽きない、それどころかいつでもフレッシュな話題がある。これはチーム全体で見ればものすごく強いことだ。

 多くの韓流ファンは、昔からその流れにがっちり搦め捕られてきた人種である。6位の東方神起『テンス』はタイトルどおりデビュー10周年を記念する作品。豪華ミュージカルのごとき作品のすぐ隣、8位にランクインしたのは全員90年代生まれの5人組B1A4の『フー・アム・アイ』。キュートなルックスでラップも得意、いかにも今どきの、だけどなぜか日本人よりピュアに見えると絶賛されるK-POPの若き担い手。新陳代謝が進めば進むほど、韓流ファンはそこから逃れられないようだ。

 それとは対照的なのはロック系だ。2位と4位は銀杏BOYZ、3位にはドラゴンアッシュの『THE FACES』。峯田和伸もkjも90年代末からキャリアを築き、紆余曲折どころでは済まない荒波を乗り超えてきたロック・ミュージシャンである。ドラゴンアッシュは新作で「続けていくこと」を高らかに宣言したし、銀杏の場合はこの作品を最後に峯田以外のメンバーが脱退するというから、両者のドラマはまだまだ終わらない。ひとりのカリスマがどれだけ劇的なストーリーを見せていくのか。そこがロックファンの心を捉え続けていくのだろう。

 もちろんイキのいい若手バンドは多数いる。ただ、新陳代謝を高めて次々と刺激を見せていくよりも、継続というストーリーのほうが強いのが今日のロックなのだと、改めて思い知らされた今週のチャートである。(石井恵梨子)

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