日本一は巨人で決まりと断言できる、これだけの理由。データで見る日本シリーズ
REAL SPORTS / 2020年11月21日 15時54分
21日、いよいよ日本一を懸けた決戦の火ぶたが落とされる。福岡ソフトバンクホークスと読売ジャイアンツ、2年連続で同じ組み合わせとなった2020年の日本シリーズはどんな結果に終わるだろうか? さまざまなデータから、その行方を占ってみたい。
(文=REAL SPORTS編集部、写真=Getty Images)
通算成績は巨人優勢も、近年はソフトバンクが圧倒福岡ソフトバンクホークスと読売ジャイアンツ、2020年の日本シリーズは2年連続で同じ顔合わせとなった。
これまでの日本シリーズの戦績を比較してみると、巨人は過去35度の出場で22回の日本一(勝率62.9%)、対するソフトバンクは19度の出場で10回の日本一(勝率52.6%)。実績だけ見れば、数でも率でも巨人が圧倒している。
では直接対決の戦績はどうか?
両者は過去に日本シリーズで11度対戦しており、通算で9勝2敗と、これも巨人が圧倒している。だが、うち9回は1950~70年代、南海時代の対戦成績で、昨季はソフトバンクが4連勝で圧倒して日本一に輝いたことが記憶に新しい。
実際、近年の直接対決の戦績はソフトバンクが圧倒している。日本シリーズこそこの20年で2度しか対戦していないが(1勝1敗/内訳は6勝4敗でソフトバンク(ダイエー時代含む))、2005年から始まった交流戦では36勝23敗と、その差は歴然だ。
ソフトバンクはこの10年で日本一に6度輝いており(巨人は1度)、多くの評論家もソフトバンク優勢の予想をするなど、8年ぶりの日本一奪還を目指す巨人にとっては高い壁だといえるだろう。
第1・2戦ホームのチームは、2連勝しないと優勝確率が激減日本シリーズは基本的に、第1・2戦を一方のホームで戦った後、第3・4・5戦をもう一方のホームで戦い、第6・7戦でまた第1・2戦と同じホームで戦う。今年は、第1・2・6・7戦が巨人、第3・4・5戦がソフトバンクのホームだ。
過去70年の日本シリーズの結果を見ても、やはり最初の2試合の結果が重要だと分かる。第1・2戦のホームチームが2連勝したケースは過去に21回あったが、うち16チームが日本一に輝いている。実に76.2%という数字だ。
だが、1勝以下に終わった場合は31.3%と、その確率は急激に下がる。2連敗したケースでは3勝10敗、1勝1敗の五分で2戦を終えたケースであっても11勝21敗と、日本一の確率は3割程度まで落ち込む。ここでどうしても2連勝、そのためには初戦を絶対に落とせないとなると、かかるプレッシャーが重くなるのはホームチームになる。
逆にビジター側にとっては、敵地での2試合で1勝以上を挙げた場合、68.9%の確率で日本一となっている(31勝14敗)。2戦のうち一つでも星を取れば優勝の可能性が高まることを考えると、そこまで気負わずに初戦に臨めるのかもしれない。
巨人はビジターでの第3・4・5戦の勝率が高いしかしこれはあくまでもNPB全体のデータの話。今回の2チームに絞って見てみると、また違った見え方になる。
巨人が第1・2戦をホームで戦うのは、過去に20回あった。そのうち1勝1敗で終えたのが12回。この12回のうち9度優勝している。2連勝を含め1勝以上を挙れば、なんと81.8%の確率で日本一に輝いているのだ。
また仮に2連敗したとしても、まだ可能性はある。過去70年に第1・2戦をホームで2連敗したチームが、その後巻き返して日本一に輝いたケースはわずかに3度しかないが、その中の一チームが2000年の巨人だ。しかもその時の相手はダイエー(現ソフトバンク)だった。
ソフトバンク目線で見ると、第1・2戦をビジターで戦ったのは6回。うち3回が巨人戦で、その全てで日本一を逃している。その中には、ビジターで2連勝を飾ったり、1勝1敗で切り抜けたにもかかわらず、本拠地でその勢いを持続できなかった過去がある。
これまでの両チームの直接対決の星を見てみると、巨人ホームの第1・2戦の通算戦績は3勝3敗でまったくの五分。だがソフトバンク(ダイエー・南海時代含む)ホームの第3・4・5戦は6勝3敗、巨人のホームに帰ってきての第6・7戦は4戦全勝と、圧倒的に巨人が優勢な戦績となっている
これは対ソフトバンク戦に限ったことではない。巨人は過去にビジターでの第3・4・5戦を24勝19敗と五分以上の成績で切り抜けているのだ。こうして見ると、巨人はホームの第1・2戦で、1勝さえ挙げることができれば日本一に近づくといえるかもしれない。
ホーム・京セラ開催も、巨人にとっては不利に働かないとはいえ、今年の日本シリーズでは、巨人のホームゲームはいつもの東京ドームではなく、京セラドーム大阪での開催となっている。日本シリーズを本拠地以外で戦うのは、1980年の近鉄バファローズ(オリックス・ブルーウェーブとの吸収合併で消滅)以来、40年ぶりとなる。この時は本来の本拠地・藤井寺球場がナイター照明の不備で使用できず、大阪球場(正式名称・大阪スタヂアム)をホームに第3・4・5戦を戦った。第1・2戦をビジターで2連勝して迎えた“ホーム”の第3・4戦で2連敗、最終的に3勝4敗で広島カープに日本一を奪われた。
だがこの時と違うのは、巨人は京セラドームが開場した1997年から(当時名称は大阪ドーム)、ほぼ毎年ホームゲームを開催している。これまでに32試合を主催して19勝13敗、勝率は59.4%。同じ期間でのホームゲームの勝率が59.7%だから、ほぼ同等の数字だ。
また、巨人は過去に日本シリーズにおいて京セラドーム(大阪ドーム時代を含む)で試合をしたことはないが、関西で開催された日本シリーズの試合では、30勝21敗(58.8%)と良い成績を残している。
これらの数字を見ても、京セラドームでのホーム開催は決して不利には働くとはいえないだろう。いやむしろ巨人8年ぶりの日本一奪還は現実的なのではないかとさえ思えてくる。エースの菅野智之で挑む第1戦、ここで白星をつかみ取ることができれば……、断言してもいい。巨人が優勝する、と。
しかし、あくまでもデータはデータ。過去の結果の集積にすぎない。これから行われる日本シリーズはあくまでも未来であり、その結果をつくるのは今の両チームの選手たちだ。
新型コロナウイルスの感染拡大によりさまざまな影響を受けた2020年のプロ野球界、最後に笑うのは、果たしてどっちだ? 新たな歴史が刻まれるのを楽しみに待ちたい。
<了>
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