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チームリーダー坂本勇人の不在が巨人に与える影響とは? 期待される後釜は…

REAL SPORTS / 2021年6月4日 12時5分

新型コロナウイルスの影響で、日程が不安定ではあるが、プロ野球は交流戦真っ只中だ。そこで今回は、『巨人軍解体新書』の著者で、プロ野球選手を始め巨人ファン中心に数多くの野球ファンから支持されているゴジキ氏(@godziki_55)に、巨人軍のチームリーダー・坂本勇人の存在と彼の離脱が巨人軍に与える影響について分析してもらった。

(文=ゴジキ、写真=KyodoNews)

歴代最高遊撃手として君臨している坂本勇人

巨人軍のチームリーダーである坂本勇人は、名実ともに歴代最高の遊撃手になり得る存在なのは間違いない。

今シーズンでプロ15年目を迎えるが、プロ入り後の活躍ぶりは、12球団で一番長い歴史のある巨人軍という枠を超えて、歴史的に見てもトップクラスの選手になりつつある。走攻守三拍子に渡り、これまでの功績は計り知れないものがある。

走塁面で脚力が衰える以前は、併殺打が少なく盗塁成功率も高い数値を残していた。その脚力を生かした上での守備範囲は、若手時代から非常に広く、多くのピンチを救った。特に、2013年から2015年の守備は、非常にパフォーマンスが高く、データ上でもすさまじい数値を残した。

もともとは、1歩目のスタートの良さから守備範囲は広かったが、当時ヤクルトに所属していた宮本慎也や移籍してきた井端和弘などの指導により、それに付随してさらに洗練されたのは間違いない。その結果、守備面において確実性も向上したことにより、2015年のプレミア12では最優秀守備選手賞を獲得した。その後は、ゴールデングラブ賞を複数回獲得しており、名実ともに守備の名手として名を上げたのではないだろうか。

若手時代は、3年目で打率3割を記録し、4年目で30本塁打、6年目で最多安打を記録するなど天才的な打撃センスが光っていたが、7年目の2013年から数年間は、打撃面でキャリアハイ遠回りしていた時期なのも否めない。チームリーダーとしても優勝できずにいた中で苦悩もあったのではないだろうか。

その数年間の鬱憤を晴らすかのように、2016年からは高い守備力と遊撃手としては歴代最高クラスの打撃力も兼ね合わせる形となる。この年のキャンプで松井秀喜氏からアドバイスをもらい、打撃フォームを変えた上で首位打者を獲得した。翌年は、WBCで大会を通して打率.417を記録したことや、広島の菊池涼介と鉄壁の二遊間を組んで、2大会連続のベスト4に貢献した。さらに、2018年は離脱期間があったものの、キャリア最高の打率.345を残して、原辰徳第三政権へと入っていった。

監督・原辰徳の“育成最高傑作”坂本勇人とのキセキ

原辰徳第三政権で、坂本の打撃はさらにレベルアップする。

2019年からは、本格的に二番打者として出場することが多くなるが、坂本・丸佳浩・岡本和真の並びが他球団に対して脅威の存在になっていく。この年は、プロ野球令和初ホームランを皮切りに、遊撃手としてプロ野球では史上初の3割40本塁打を達成し、リーグ優勝に導く活躍を見せて、文句なしのシーズンMVPにも輝いた。打撃成績に目がいくが、2014年以来のフル出場した上で、この成績を残したシーズンでもあった。

続く2020年のシーズンでは、開幕前の新型コロナウイルスの微陽性の影響から調整不足が露呈した時期もあったが、徐々に成績を上げていき、プロ野球史上2番目の若さとなる2000本安打を達成した。

ここまでの坂本の功績は、監督である原氏なしではありえなかったといっても過言ではない。プロ2年目の2008年の開幕戦では二塁手としてスタメンに抜擢し、二岡智宏のケガなどもあり、そのまま遊撃手として定着した。ただ、3年目に雑なプレーをした際即座に代えるなど原氏の坂本に対する厳しさも随所に見られた。

原第二政権、第三政権でリーグ優勝8回・日本一2回を経験した実績を見ても、手塩に掛けた一番の選手といってもいいだろう。

原氏が、監督通算1067勝を挙げた試合の発言の中で、下記のように答えた。

「勇人は入団した時から知っていて、私が手塩に掛けながら育て、一緒に泥んこになりながら練習したり、彼を助けてきた自負がありました。しかしここ数年は彼に頼っている。今日もあの場面でホームランというのは、昔は私が育てたけど、今は彼に育ててもらってるなと頼もしく思ってます」

このコメントを見ても、二人三脚でキャリアを歩んできた結果がいかに多大なるものかということがわかる。

今後も原&坂本の師弟コンビに注目だ。

これまでの離脱期間から見る坂本勇人の存在感

坂本の離脱自体は複数回あるが、1カ月以上の離脱は5月9日に右手親指骨折のケガで離脱した今回を含めて2度ある。1度目は、2018年のシーズンにあったが、左脇腹の肉離れにより離脱した。

離脱期間を改めて見てみると、センターラインで攻守に渡り、チームを支えてきた坂本の穴はかなりのものだ。

守備面に関しては、離脱時に代わりになる選手が坂本よりも若手の選手になったとはいえ、ポジショニングや連携などの細かいプレーはかなり差があるように見えた。また、ピンチの時に坂本がマウンドに行き、投手に劇を飛ばしてきたような役割を他の選手が担えるかどうかも非常に重要な要素だろう。こういった面では、守備のうまさだけではなく、長年巨人軍を引っ張ってきた「精神的支柱」という面でもなくてはならない存在ということだ。

打撃面では、長年においてセンターラインながらもトップクラスの成績を残していた選手が不在というのは、非常に痛手だ。12球団の遊撃手を見ても、シーズンをトータルで高いレベルで結果を残し続けている選手は坂本だけといっても過言ではない。

前任の二岡智宏がケガで離脱の回数が比較的多かったことから、ケガに強い坂本の偉大さは実感できたのではないだろうか。さらに、スターティングオーダーに坂本の名前があるだけでも他球団からは脅威であり、不調の時期でもプレッシャーをかけられる存在だ。

かつてニューヨークヤンキースに所属していたデレク・ジーターのように、常勝軍団のチームリーダーであり、カリスマ的な存在は坂本だからこそ担っていけたのだろう。多角的な視点で見ても、現場やファン問わず坂本の復帰は待ち遠しい。

坂本勇人の後釜を現時点の実績と実力から見る

巨人軍だけではなく、球界として見ても歴代屈指の遊撃手である坂本の後釜のハードルは非常に高いだろう。

その中で、現時点での候補選手を見ていきたい。

まずは、吉川尚輝だ。昨シーズンは初の規定打席到達を記録しており、現在はクリーンアップに座るなど期待値は非常に高いものはある。打撃面で調子の波があるものの、守備範囲の広さは大学の先輩である菊池にも負けないぐらいのものがある。昨年以前はケガに悩まされるキャリアだったが、単年ではなく複数年で出場できれば坂本の後釜としては最有力候補ではないだろうか。

その吉川の対抗馬は今シーズンよりヤクルトから移籍してきた廣岡大志だ。巨人軍のユニフォームに袖を通してからは、持ち前の思いきりのよさはもちろんのこと、接戦の場面で勝利に導く殊勲打を放つ活躍を見せている。さらに、廣岡の場合は遊撃手の他に外野を含めて、さまざまなポジションを守れるユーティリティ性も兼ね備えている。吉川と同様に打撃に波があるだけに、坂本が遊撃手として退いた後はローテーション化するのも選択肢の一つではないだろうか。

若い選手で見ると、高卒ルーキーの中山礼都もいい素材を持っている。高校時代は、中日に1位指名された高橋宏斗とプレーしており、明治神宮大会優勝に貢献した。坂本とは、10歳以上離れている選手とはいえ、ゆくゆくは一軍で活躍する姿を見たい選手の一人である。

巨人軍の野手陣の選手層は非常に厚いものはあるが、球界の中で唯一無二の存在でもある坂本の不在は代わりが効かない。だからこそ、坂本が戻ってきた時にチームが上昇気流に乗れそうな状態にするために、現在抜擢されている戦力の選手たちの奮起は間違いなく必要だ。そのために、この苦しい状況での交流戦や、ペナントレースの今をチーム一丸となって、乗り越えてほしいと願っている。

<了>






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