中村憲剛「バナナを被った」現役時代の深意。元Jリーガー社長と熱論するセカンドキャリア
REAL SPORTS / 2021年6月30日 11時30分
日本サッカー界の“レジェンド”中村憲剛と、元Jリーガー社長として知られる嵜本晋輔。同じプロサッカー選手としてサッカー人生を歩んだ2人だが、まったく異なるキャリアを築き上げ、ともにセカンドキャリアをまい進する現在に至る。そんな2人の対談を通して、川崎フロンターレの事例を挙げながら、今後のスポーツ界のあり方を提言し、アスリートの理想のキャリア形成について考える。
(進行=岩本義弘[REAL SPORTS編集長]、構成=REAL SPORTS編集部、撮影=大木雄介)
現役選手のユニフォームがもたらす想像以上の価値今季も川崎フロンターレの勢いが止まらない。以前は実力が拮抗(きっこう)するリーグとして知られていたJリーグにおいて、無敗優勝の実現も決して夢物語ではない存在となりつつある。また“常勝軍団”と認知される以前から、地域やファンとのコミュニティを大切にし、サッカーファンをうならせる素晴らしい企画を“仕掛ける”クラブとして知られていた。
サッカーとビジネスは密接に絡み合い、相互に作用する。
そこで今回、現役ラスト4年で3度のリーグ優勝を飾るなど華々しい功績を残して昨年引退を表明した中村憲剛、そして、22歳で現役を引退した元Jリーガーで、現在は上場企業の社長として華麗なるセカンドキャリアを歩む嵜本晋輔の2人が、「サッカーとビジネス」をテーマに対談を行った。
――嵜本さんは現在サッカー界とどのような関わりを持たれていますか?
嵜本:今まさにデュアルキャリア株式会社という会社を、グループ会社のバリュエンスジャパン株式会社に統合したところで、スポーツ関連事業を加速させようとしています。統合前のデュアルキャリア株式会社は、「アスリートの持続可能な未来を創る」というミッションのもと、スポーツとアスリートの価値をもっと上げていきたいとの思いで立ち上げた会社です。事業内容は憲剛さんにもご協力いただきましたが、HATTRICKというスポーツ専門のオークションサイトを立ち上げて、選手が実際に着用したユニフォームやスパイク、クラブで有効活用されずに倉庫に眠ったままのアイテムなど、アスリートやスポーツ界が持っている本来もっと価値の高いものをファンやサポーターに届けることで新たなマネタイズを模索しています。その収益をクラブや選手に還元することで、例えばコロナ禍で影響を受けているクラブの経営状況や選手の活動資金にしてもらうなど、少しでもクラブや選手の力になれたらと考えています。
あとすごく意義があるなと感じているのは、チャリティーオークションという部分を切り出すと、選手からすると少なからず“またかよ”と感じると思うんですよ。ただ一方で、現役のアスリートに感じていただきたいのは、そのアイテムが近くにあることで、どれだけ救われるファンやサポーターがいるのかというところです。つらいことがあってもそれを見るたびに励まされる力が込められていると思っています。実際に身に着けていたユニフォームがもたらすパワーは、十数年ブランド品を扱ってきたのでよくわかるんです。ルイ・ヴィトンのバックを肩から下げた瞬間に気分が晴れたり、自分にちょっと自信を持てたりする。単純にモノをお金に換えるだけではない、アスリートの持っている価値やその喜びをもっと世の中に伝えていくことができれば、HATTRICKの活動に対するアスリートからのさらなる共感も得られると思っています。
中村:ユニフォームもスパイクも、現役の時は当たり前のようにクラブハウスにあったものが、引退後はもう手元にないわけじゃないですか。だから今ひょっとしたら自分が一番その価値を感じているかもしれないです。現役の選手たちには身に着けているウェアやギアには思っている以上に価値があるんだよと伝えたいですね。
現役中は、練習後にいつも見学に来てくれたファンやサポーターにサインをしていて、それを皆さんすごく喜んでくれていました。その姿を見て僕もそれがモチベーションになって「もっと頑張んなきゃ」と思えていました。今はそういう手段がないから、余計にそれを感じますね。
――現役中の着用アイテムはもう増やせないわけです。
中村:そうなんです。(現役時代の背番号の)「14」と書いたサインはもうあげられないので。今の選手たちには現役選手のサインの価値を理解して、ピッチ内外での活躍でさらにその価値を高めてほしいですね。ピッチ外でも意義のある活動に積極的に参加することで、じゃあ今度試合を見に行ってみようと思ってもらえるきっかけづくりになる可能性もあるわけですから。間違いなくこれからの時代はそういう考えも必要になってくると思います。
中村憲剛はどのような思いでバナナをかぶり、風呂桶を掲げたのか
――中村さんは、現役中はサッカーしかしてこなかったと発言されていますが、フロンターレというファンコミュニティをすごく大切にするクラブで育ち、率先して先頭に立っていたことが現在ビジネスに生かされていると感じますか?
中村:それはありますね。何事もやらないよりやってみるクラブだったので。もちろんおじゃんになった企画もあったりしますけど、いいリアクションがあって長く定番になっている企画もたくさんあります。ファンやサポーターに喜んでもらえるかどうかなんて、いろいろ試行錯誤してやってみないとわからないので。
――中村さんも最初からまったく抵抗なくバナナをかぶったり、風呂桶(おけ)を掲げたりしていたわけではないですよね。
中村:そうですね(笑)。最初は僕も「え? バナナかぶるの?」と思いましたし、嫌でしたよ(笑)。けど、その写真をSNSにあげたらすごく大きな反響をいただきました。いい意味で「さすがフロンターレ、バカだな」とか、すごく好意的な反応でサッカーファンみんなが喜んでくれていた。その反響が(クラブのスポンサー企業である)ドールさんのバナナの宣伝にもなって、サッカーファンがたくさんバナナを購入してくれた分だけ、フロンターレの競技場建設や育成の費用になったりするわけです。
嵜本:めっちゃいいですね。選手はそのような循環を普段は意識していないですし、クラブは選手にしっかりと説明するべきです。
中村:フロンターレはそこの部分を先にしっかりと説明します。時には企画がちょっと斜め上なこともありますけど。風呂桶もそうですよね。あれも2017年にフロンターレが初めて優勝した時に、シャーレ(Jリーグ杯/優勝銀皿)がその時点で首位の鹿島(アントラーズ)の試合会場のほうにいっていたからクラブが代わりに桶を用意して、シャーレ風に印刷して、万が一優勝したらこれを掲げようと。そしたら逆転優勝を決めて、桶を掲げることになりました。
――あれも“フロ”ンターレという言葉遊びから生まれた企画ですよね。
中村:そうです。(川崎)浴場組合(連合会)との連動企画で。地域貢献活動の一環として銭湯の利用促進キャンペーン「いっしょにおフロんた~れ」として2010年にスタートしていて、風呂桶に関してもそこから始まっているんです。そういう意味ではフロンターレに在籍することでいろいろビジネスの勉強もさせてもらっていたかなと思います。
選手が登場する算数ドリル「考えた人やばいな」
――ビジネスパーソンの嵜本さんから見て、フロンターレというクラブはどのように見えていますか?
嵜本:一番印象に残っているのは算数ドリルです。あれは考えた人やばいなと思いました。現役選手が勉強を応援してくれている写真が算数ドリルに載っているじゃないですか。あれって、スポーツの応援の文脈と、勉強が苦手な子どもたちへのエールの文脈がリンクしているわけです。あとは刷り込みですよね。幼少期にサッカーに接点のない子どもたちに対して、川崎フロンターレの選手たちが露出してくるわけですよね。今のJリーグの課題の一つに、ファンの高齢化があって、次世代のファンを育成していかないといけない中で、選手の稼働がなく、配布されたもので地域の子どもたちと選手との接点が持てる。フロンターレにはすごく優秀なマーケターがおるなって正直驚きました。
中村:単純に何かとコラボするだけでは終わらせず、必ず何か2つ3つ意味がちゃんと含まれているんです。だから、企画一つにしても厚みがあります。それだけの企画を出さないとOKが出ないプロモーショングループなので。
――企画にインパクトだけではなく、深みもないとダメなんですね。
中村:そうです。もちろん僕ら選手のところにくる時にはもうちゃんとした企画になっていて、僕も別にすべての企画に最初から入っているわけではないですが。けど、“この企画をやろうと思うんだけど”と最初に相談を受けることはあり、中には“それはどうなの”と思うものもありましたが、最後に形になる頃には深みが増しているんです。ほかのクラブもいいものはどんどん取り入れるべきだと思います。ほかがやっているからやらないとかではなくて。
嵜本:確か算数ドリルもプレミアリーグのクラブの企画を参考にしたのではなかったですか?
中村:そうです。アーセナルから。クラブの人がイギリスに視察に行った際にセスク(・ファブレガス)が登場する教材があったみたいで、「あのセスクが! 面白い! じゃあうちでも」となった。地域の人たちが喜んでくれる企画であればマネでもなんでもいいんです。
商店街回りのイベントで「誰に支えられているのか体感できる」
――フロンターレはマネではなく、自分たちが生み出している斬新なアイデアもたくさんあります。
中村:選手のピッチ外の素顔を引き出すという部分はこだわりを持っています。ピッチ内では決して見せない一面を、ファンの方たちは絶対見たいと思うんですよ。選手の人間的な魅力を伝えて、仮にその選手がレギュラーから外れても、引退しても、あるいは移籍をしても、その選手のことを生涯応援してくれるファンを増やすことにもつながるのではないかと。
――ただ参加する選手側も“中村憲剛”が最初にやるから、ほかの選手もやるわけですよね。
中村:けど、僕が入る前からその風土はもうありました。例えば毎年恒例の商店街挨拶回りというイベントはもうあったので。僕は何の違和感もなく普通に回っていました。これがサッカークラブの当たり前の活動なんだと思って。だけどそんなクラブがほかにあまりなかったのだと後でわかるわけですけど。
ただ、僕は毎シーズンの最初に行う商店街回りのイベントがすごく好きで。1月の必勝祈願の後、商店街を回るんです。つまり新加入選手が一番最初に参加するイベントなんですよ。あれをやると、誰に支えられて自分たちがプレーできているのか身をもって体感できるんです。商店街の方々も選手が来てくれたら喜んでくれるんですよね。商店街に選手が来て、サイン色紙をもらったら僕が逆の立場だったら絶対うれしいですし、一度試合を見てみようかなと思ってもらえると思うんです。
ビジネスパーソンとの会食が、気付きにつながる可能性
――中村さんとはかつてのチームメートで、嵜本さんとは現在一緒に働く仲間である井川祐輔さんが以前で「選手全員がオフ期間にメインスポンサーでインターンをすればいい」と話していました。お二人はこの意見をどう思いますか?
中村:井川はいい意味でJリーガーっぽくないというか、すごく外に目が向いている選手でした。けど、これからの時代は、たぶんそういう面も必要だと思うんです。Jリーガーって実は時間があるといえばあるので。午前練をやって、午後から夜まで丸々何もなかったりもする。そこで24時間をどうマネジメントするかは個人の裁量ですから。そこでビジネスをしたり、語学などの勉強をする選手もいるでしょうし。一方でパチンコに行く選手もいるだろうし。そこは誰にも強制されない。だから空いた時間をどう使うかという意味では、やっぱりいろいろな人と現役時代から会ったほうがいいのかなと思う部分もあります。ただ自分は現役の時は鎖国的だったので……。
――現役時代からたくさん人に会う生活を送っていたら今の“中村憲剛”にはなっていなかったかもしれない。
中村:そうなんです。だから向き不向きがあると思います。サッカー以外に意識が偏ってしまって、サッカーが中途半端になってしまう選手もいるとは思うので。だから例えばオフシーズンでと期間を決めてインターンにいくのはいいと思います。ただオフ期間だからこそやりたいことって選手はほかにもいっぱいあって。サッカー選手として何を大事にするかは、それはもう本当に個人の価値観だから。だから僕が今の現役の選手たちに話をする時は「今は目いっぱいサッカーやっとけ」と伝えています。外に出てから学べることっていっぱいあるから。僕の立場だとどうしてもそういうアドバイスになってしまう。
嵜本:僕は現役選手に必要なものが何かと考えると、選択肢だと思うんです。その選択肢を手に入れるために必要なものは、視点や視野になる。つまり、情報に触れることだと思うんです。情報に触れるために役立つのが、デュアルキャリアだと思うんですよ。これは2つのキャリアを持つという意味ではなくて、視点を1つではなくて、2つ3つに増やしていくという意味です。憲剛さんのようなトップオブトップにはいけない選手のほうがマジョリティで、その大半の選手たちがとっている行動は「選択肢がないからサッカーを続ける」だと思うんです。だから現役の時から多くの情報に触れて多くの経験をして、サッカー以外の選択肢もあるという状況をつくらないと、結局J1からJ2、J2からJ3とカテゴリーを落としてサッカーを続ける状況は、選択肢がないからではないかと僕は思っています。
中村:そう。だから今その選択肢を嵜本さんや井川が身をもって増やしてくれている段階だと思うんですよ。これまでは“引退しました、セカンドキャリアどうしましょう”という流れが常識だったけれど、現役中からいろいろなことをやれると皆さんが見せてくれている。それを受けて今の現役の選手たちがどう選択していくかが大事で。
嵜本:はい。だから僕はアスリートに何か協力できることがないかって考えた時に、選択肢を増やすことが、彼らの人生に大きく影響すると思い至りました。なので、その気付き、ハッと気付ける一つの手段がインターンかもしれないし、こういう対談なのかもしれないですけど。これまでのアスリートは、ピッチの上で結果を出すことだけを求められてきたと思います。でもそうじゃない。ピッチの上で結果を残すのは当たり前なのだけれど、3年後5年後、絶対引退というものはある中で、ピッチ上のことだけを考えていていいのかと気付く必要があると僕は思っています。そういう意味では、一年でも早く、例えば地域に触れ合うようなきっかけをクラブが提供したり、あるいは時にはビジネスパーソンと会食に行くことが、一つの気付きにつながる可能性はあると思います。
サッカーを通して身につけた「決断の潔さ」
――嵜本さんから見て中村さんには今後どのような道を歩んでほしいですか?
嵜本:リユース業界には入ってこないでほしいですね。競合になるのが怖いので(笑)。いや、でも憲剛さんのようなサッカー界でキャリアを極めた人が、何か次のキャリアでも成功される姿を見せていただきたいです。それが一番影響力がありますから。僕の場合は、サッカーでは何の結果も出していない人間が、ビジネスに転身してたまたまリユース業界で成長できているだけの話なんです。だからサッカー界で結果を出した憲剛さんが、ビジネス界でも結果を出すことのほうが、現役選手からすると刺激になると思うんです。ここからのビジネス面での仕掛けを個人的にはすごく楽しみにしています。
――結果としてどのような選択をしても中村さん自身が熟考して選んだ道であれば、楽しく充実したものになるはずです。
中村:少なくとも今楽しいですからね、本当に。毎日刺激があって。それはたぶんきっちりと自分の中で納得できる形で現役を終えられたことも間違いなくあると思うんです。未練がある状態でやめたわけではないので。そういう意味では、本当に切り替えて新しい人生がスタートできています。これから何かを成し遂げるために今はいろいろと勉強中です。嵜本さんはじめ今後もいろいろな方とお会いしてお話しながら、自分を広げたいなと考えています。
嵜本:いやいや。こちらこそありがとうございます。すごく楽しい時間でした。
中村:嵜本さんのビジネス界での成功は、今の現役の選手たちにとってすごく勇気が湧くことだと思います。実際にお会いするまでは、もっとギラついている人なのかなと思っていたんですよ(笑)。お会いしてみて物腰の柔らかさが印象的でした。現役時代に良くも悪くも苦い経験も多かったとは思うんですよ。だけどそれをちゃんとポジティブに変換できていることを今日話していてすごく感じました。人間誰しも良い経験も悪い経験もあるわけじゃないですか。よくなかったことをいかにいいほうにもっていくかは、本来誰しもができることだと思うんですよ。悪いことが起きた時に人のせいにするんじゃなくて、自分がもっとこうしなきゃいけないと考えて変われるかどうか。そこが分かれ目なんだろうなって。
あと嵜本さんは潔い。収益のベースになっている事業でも、その先の時流を読んで必要であれば撤退して別の形に変える。そこの判断はサッカーをやっていたからかなと思うところもあります。瞬間的な自分の選択で、自分の評価が下される環境にいたからこそ、ビジネスの世界でも決断の潔さは生きているのかなと。成功されている理由が今日少し理解できました。
謙虚な姿勢につながるそれぞれの思いと原体験
――中村さんも常に謙虚な方だという印象です。
中村:謙虚というか、本当にサッカーしかやってこなかったので。周りの人たちのほうがすごいっていうのが常に自分の中ではあります。僕はサッカー界では一応40歳までやってきた人間ですけど、そのサッカー界を一歩外出たら全然大したことない人間なので。
――そこまでのキャリアを築いてそう思えることはやっぱりすごいことです。
中村:僕の場合は高卒でプロになれていないし、大学の時も悔しい思いばかりしてきました。そっちの時代も経験してよく知っているから。そこはベースにあるというか。最初からずっとうまくいっていた人生だったら、もっと天狗(てんぐ)になって、たぶん僕は今ここにはいないので。
――そのような現在の謙虚な姿勢につながっている原体験は嵜本さんにもありますか?
嵜本:ありますね。僕は今会社のオーナーですけど、常に戦力外通告を受けるかもしれないと思いながらやっています。能力がそのマーケットに求められる水準に追いついてこなくなった時に、世の中や会社内から求められなくなる可能性はあるわけです。今サボっていたら、いつか絶対その日が訪れるので。僕が今の状況でまったく満足できないのは、そういう背景があります。サッカーで小中高と順風満帆にきて、でもプロではとてつもない壁にぶち当たって挫折を経験したからこそ、ビジネス界で成長できていても100億円じゃ物足りないというか、1000億円になっても満足しないと思います。
中村:すごいですね。
嵜本:サッカー選手にとってサッカーがうまくなりたいという思いは、なくならないじゃないですか。
中村:そうですね。その通りです。
嵜本:それとまったく同じだと思います。僕は幸いサッカーで戦力外通告を“してもらえた”ので、あの経験を生かして二度と同じ挫折はしたくないという思いもあります。自分の存在価値や世の中に対しての影響力とか、そういったものをもっともっと高めていきたい。その思考はサッカーから得られたものだと思っています。
<了>
PROFILE
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都出身。川崎フロンターレ・Frontale Relations Organizer(FRO)。久留米高校、中央大学を経て、2003年に川崎フロンターレに入団。2006年から5年連続、2018年から3年連続でJリーグベストイレブン8回受賞。2006年に日本代表にも選出され、2010年FIFAワールドカップに出場。2016年にJ1史上最年長の36歳でMVPを獲得。2017年のJ1リーグ初優勝、2018年のリーグ2連覇に中心選手として貢献。2019年11月に左膝前十字靭帯損傷という大ケガを負うも、約10カ月間の長いリハビリを経て、翌2020年8月の復帰戦でゴールを挙げるなど3度目のリーグ優勝に貢献。同年11月に現役引退を発表。2021年4月、日本サッカー協会のロールモデルコーチ、グロース・ストラテジストに就任。新著『ラストパス 引退を決断してからの5年間の記録』(KADOKAWA)が6月30日に発売。
PROFILE
嵜本晋輔(さきもと・しんすけ)
1982年4月14日生まれ、大阪府出身。バリュエンスホールディングス株式会社 代表取締役社長。関西大学第一高校卒業後、2001年にJリーグ・ガンバ大阪に加入。2003年のシーズン後に退団。2004年にJFL・佐川急便大阪SCで1シーズンプレーしたのち22歳で現役引退を表明。2007年に実兄2人と共にブランド品に特化したリユース事業「MKSコーポレーション」を立ち上げ、同年にブランド買取専門店「なんぼや」をオープン。2011年株式会社SOU(現バリュエンスホールディングス株式会社)を設立。2018年に東証マザーズ上場。現在はサポートや寄付等を目的としたスポーツオークション「HATTRICK」をはじめ、アスリートのデュアルキャリアを支える取り組みを進めている。著書に『戦力外Jリーガー経営で勝ちにいく 新たな未来を切り拓く「前向きな撤退」の力』(KADOKAWA)がある。2021年6月にを開設。
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