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[天皇杯]30年で最もジャイキリされたJクラブはどこ? 1位は半数の大会でやられた…

REAL SPORTS / 2022年1月7日 17時21分

天皇杯の醍醐味(だいごみ)といえば、やはりジャイアントキリングだろう。「何が起こるか分からない」一発勝負ならではの緊張感と、「勝って当然」と見られる“格下”を相手にする難しさ。独特の雰囲気にのみ込まれ、戦前には予想もつかなかった番狂わせが起きる。これまでに最もジャイアントキリングを許したのは、果たしてどのJクラブだろうか? ランキング形式で振り返りたい。

(文=REAL SPORTS編集部、写真=Getty Images)

30年の歴史で最もジャイアントキリングを許したのは…

 ランキング作成にあたり集計方法は以下の通り。
・集計期間は、1992年大会から2021年大会まで。
・対象はジャイアントキリングされたJクラブで、Jリーグ参入後の成績のみを加算する。(Jリーグ参入前の成績は含めない。ただしFC町田ゼルビアはJリーグ参入後の2013シーズンはJFLに降格し、Jリーグ正会員の資格を喪失しているが、このシーズンの戦績も対象とする)
・ジャイアントキリングの定義は、下位カテゴリーに所属するチーム、あるいは学生チームが、上位カテゴリーに所属するJクラブに勝利した場合を指すものとする。90分、延長、PK戦にかかわらず、下位カテゴリー所属チームがJクラブを相手に勝利した場合は全てジャイアントキリングとする。
・上位カテゴリーと下位カテゴリーの実質カテゴリー差をポイントとし、その合計でランキングする。(例:2021年大会、JFL<実質4部>のHonda FCが、J1<1部>の横浜F・マリノスをジャイアントキリング。この場合は<4-1=3>で3ポイントとする)
・Jリーグより下位のリーグの実質カテゴリーは、Jリーグのカテゴリー数によって変動するものとする。(例:Jリーグが1部制だった1993~98年大会は、旧JFLが実質2部。2部制に移行した1999~2013年大会は、JFLは実質3部。3部制に移行した2014年大会以降は、JFLは実質4部として計算する)
・J3所属クラブは本大会へのシード出場枠は与えられず都道府県予選からの参戦となるが、都道府県予選でジャイアントキリングが起きた場合も同様にポイント加算する。
・大学チームは昇降格のあるピラミッドに属していないが、ポイント計算のため、便宜上、4部相当扱いとする。(※天皇杯における大学チームの成績は4部相当のカテゴリー所属チームの戦績と五分であることから、4部相当の実力を持つものと定義)

22大会に参加してわずか3度しかジャイキリされていない九州の雄は?

まずは一気に33位まで発表。

※()内のデータは、下位カテゴリー所属チームとの勝敗数および敗率、Jリーグ参入シーズンを記載
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47. 愛媛FC         1pt.(7勝1敗、12.5%/2006年参入)
47. ロアッソ熊本      1pt.(6勝1敗、14.3%/2008年参入)
47. カマタマーレ讃岐    1pt.(5勝1敗、16.7%/2014年参入)
47. テゲバジャーロ宮崎   1pt.(0勝1敗、100.0%/2021年参入)
42. カターレ富山      2pt.(10勝1敗、9.1%/2009年参入)
42. FC琉球         2pt.(8勝2敗、20.0%/2014年参入)
42. ギラヴァンツ北九州   2pt.(6勝2敗、25.0%/2010年参入)
42. レノファ山口FC     2pt.(2勝1敗、33.3%/2015年参入)
42. ファジアーノ岡山    2pt.(2勝2敗、50.0%/2009年参入)
38. ザスパクサツ群馬    3pt.(11勝1敗、8.3%/2005年参入)
38. 大分トリニータ     3pt.(23勝3敗、11.5%/1999年参入)
38. FC岐阜         3pt.(5勝2敗、28.6%/2008年参入)
38. アスルクラロ沼津    3pt.(4勝3敗、42.9%/2017年参入)
33. 水戸ホーリーホック   4pt.(14勝2敗、12.5%/2000年参入)
33. いわてグルージャ盛岡  4pt.(11勝3敗、21.4%/2014年参入)
33. Y.S.C.C.横浜      4pt.(10勝4敗、28.6%/2014年参入)
33. 松本山雅FC       4pt.(4勝2敗、33.3%/2012年参入)
33. 藤枝MYFC        4pt.(5勝4敗、44.4%/2014年参入)
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ここまではJリーグ参入が比較的最近のクラブの名前が並んでいる。今回のランキングの対象がJリーグ参入後のデータになるため、当然といえば当然の結果といえるだろう。

この中で特筆すべきは、42位タイのカターレ富山、37位タイのザスパクサツ群馬。下位カテゴリー所属チームとの敗率で10%を切っている。ちなみに両クラブがジャイキリされたのはともに2015シーズンで、カターレ富山(J3)は県予選で富山新庄クラブ(北信越1部)に、ザスパクサツ群馬(J2)は本大会でFC岐阜SECOND(当時東海1部)に敗れている。

30~40位台で唯一1990年代参入クラブでランクインしたのは、37位タイの大分トリニータ。これまで22大会に参加してジャイキリされたのはわずかに3回。いずれもJ1所属時にJ2クラブ相手に許したのみ。しかも相手は、2003年の川崎フロンターレ、2004年のコンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)、2008年のサガン鳥栖と、今となってはJ1に定着している強豪クラブばかりだ。JFL以下のチームとは18戦して一度も敗れていない。

20位台にオリジナル10の2クラブが登場! さすがの勝負強さは…

続いては20位台を発表。

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29. ジュビロ磐田      5pt.(41勝5敗、10.9%/1994年参入)
29. アビスパ福岡      5pt.(19勝4敗、17.4%/1996年参入)
29. FC町田ゼルビア     5pt.(3勝4敗、57.1%/2012年参入)
29. 栃木SC         5pt.(1勝3敗、75.0%/2009年参入)
23. 鹿島アントラーズ    6pt.(51勝4敗、7.3%/1992年参入)
23. 清水エスパルス     6pt.(43勝5敗、10.4%/1992年参入)
23. サガン鳥栖       6pt.(29勝4敗、12.1%/1999年参入)
23. 川崎フロンターレ    6pt.(39勝6敗、13.3%/1999年参入)
23. 徳島ヴォルティス    6pt.(11勝3敗、21.4%/2005年参入)
23. SC相模原        6pt.(2勝5敗、71.4%/2014年参入)
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23位タイの鹿島アントラーズは、29大会に参加してジャイキリされたのはわずかに4回、敗率も10%を切っている。さすがの勝負強さといえるだろう。

オリジナル10からは、清水エスパルスも23位タイに入った。ジャイキリされたのは29大会で5回だけ。J1の場合、下位カテゴリーとの対戦といっても実力のあるチームが相手になるが、その中でもしっかりと白星を積み重ねているのは素晴らしい結果といえるだろう。

29位タイのジュビロ磐田がジャイキリされたのは、27大会のうち5回。その内訳を見てみると、1994年の大塚製薬(現徳島ヴォルティス/当時旧JFL)、1995年のヴィッセル神戸(当時旧JFL)、1996年の福島FC(後に解散/旧JFL)と3年連続で食らっていた。この直後から黄金時代が始まったのは興味深い。

この5年間で4度のJ1優勝を飾った川崎フロンターレは23位タイ。まさに今、黄金時代を迎えているアズーロ・ネロも、過去には6度のジャイキリを受けている。2000年の浦和レッズ(当時J2)、2008年のサンフレッチェ広島(当時J2)、2009年のベガルタ仙台(当時J2)、2011年の湘南ベルマーレ(当時J2)、2014年の愛媛FC(当時J2)、2018年のモンテディオ山形(J2)と、愛媛FCを除けば全てJ1在籍経験のあるクラブばかりだ。

29位タイのFC町田ゼルビア、栃木SC、23位タイのSC相模原は“格下”との対戦で負け越している。町田は4敗のうち2敗を東京都予選で、相模原は5敗の全てを神奈川県予選で喫している。栃木は12大会で“格下”と対戦する機会はわずかに4回しかなく、うち2回が県予選で敗れている。

J1クラブで地域リーグのチームに2回ジャイキリされた唯一のクラブは…

続いては10位台だ。

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19. 大宮アルディージャ   7pt.(30勝4敗、11.8%/1999年参入)
19. 京都サンガF.C.     7pt.(20勝6敗、23.1%/1996年参入)
19. 横浜FC         7pt.(13勝5敗、27.8%/2001年参入)
19. ブラウブリッツ秋田   7pt.(9勝4敗、30.8%/2014年参入)
18. ジェフユナイテッド千葉 8pt.(24勝8敗、25.0%/1992年参入)
16. ガンバ大阪       9pt.(44勝5敗、10.2%/1992年参入)
16. 柏レイソル       9pt.(27勝7敗、20.6%/1995年参入)
13. モンテディオ山形    10pt.(21勝5敗、19.2%/1999年参入)
13. アルビレックス新潟   10pt.(27勝7敗、20.6%/1999年参入)
13. 東京ヴェルディ     10pt.(25勝9敗、26.5%/1992年参入)
11. サンフレッチェ広島   11pt.(34勝6敗、15.0%/1992年参入)
11. セレッソ大阪      11pt.(34勝8敗、19.0%/1995年参入)
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ここまでくると、ほとんどが1990年代の参入クラブが名を連ねる中で、目を引くのが19位タイのブラウブリッツ秋田だ。2017年に国士舘大学、2018年にVONDS市原FC(関東1部)、2019年に明治大学、2021年に北海道十勝スカイアース(北海道)と、実にこの5年で4度ジャイキリされている。

18位のジェフユナイテッド千葉は、2009年までの18大会で8度のジャイキリを受けており、この期間だけに限定すれば最多となっている。だがこの大会を最後に11大会連続でジャイキリから遠ざかっており、これは2008年以降12大会連続でジャイキリされていない大分トリニータ、ロアッソ熊本に次ぐ数字だ(水戸ホーリーホックも11大会連続継続中)。

ちなみにジャイキリされなかった連続最長期間は、鹿島アントラーズの16大会連続(1995~2010年)。次いで14大会連続のジュビロ磐田(1997~2010年)、愛媛FC(2006~2019年)、13大会連続のアビスパ福岡(2002~2014年)となっている。大分、熊本、千葉、水戸がこの記録を塗り替えることができるのか楽しみだ。

13位タイのモンテディオ山形は、いくつかの“初”記録を持っている。J2所属時の2002年大会で群馬FCホリコシ(後のアルテ高崎→解散/当時関東2部)に敗れたが、これが天皇杯の歴史においてJクラブが地域リーグのチームに初めてジャイキリされた記録となる。また同時に、Jクラブが4部相当以下のカテゴリー所属チームに初めてジャイキリされた記録でもあり(関東2部は当時5部相当)、3カテゴリー下のチームに初めてジャイキリを許した記録でもある。さらにJ1所属時の2009年大会で明治大学に敗れたが、これはJ1クラブが大学チームに史上初めてジャイキリされた記録となった。

ちなみにJクラブが大学チームにジャイキリされたのは35回で、J1クラブに限れば8回。他には大宮アルディージャが福岡大学に(2011年)、ヴィッセル神戸が関西学院大学に(2014年)、ベガルタ仙台が筑波大学に(2017年)、ガンバ大阪が関西学院大学と法政大学に(2018年、19年)、名古屋グランパスが鹿屋体育大学に(2019年)、FC東京が順天堂大学に(2021年)敗れている。

16位タイのガンバ大阪は30大会で5度、11位タイのサンフレッチェ広島は29大会で6度のジャイキリと決して回数は多くないのだが、G大阪は前述のように大学チームに2度ジャイキリされたこと、広島は2012年にFC今治(当時四国1部/4部相当)、2021年におこしやす京都AC(関西1部/5部相当)といった地域リーグのチームに2度ジャイキリされたことが響いた。ちなみにJ1クラブとして地域リーグのチームに2度ジャイキリを許したのは広島のみとなっている。

記憶に強く残るジャイキリは……横浜FMと浦和がトップ10に

いよいよトップ10の発表だ。

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8. ヴィッセル神戸     12pt.(23勝9敗、28.1%/1997年参入)
8. 福島ユナイテッドFC   12pt.(4勝5敗、55.6%/2014年参入)
8. 湘南ベルマーレ     12pt.(30勝7敗、18.9%/1994年参入)
4. 横浜F・マリノス     13pt.(41勝10敗、19.6%/1992年参入)
4. ヴァンフォーレ甲府   13pt.(25勝7敗、21.9%/1999年参入)
4. 浦和レッズ       13pt.(37勝9敗、19.6%/1992年参入)
4. FC東京         13pt.(26勝9敗、25.7%/1999年参入)
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8位タイのヴィッセル神戸は、1997年のJ参入から2014年までの18大会で実に9度ジャイキリされた。だが2015年から6大会連続(継続中)でベスト16以上に進出しており、2019年大会では初優勝を飾っている。近年国内外のスター選手を多数獲得するなど日本随一のビッグクラブと変貌を遂げたことが、天皇杯の成績にも表れていることがよく分かる結果となった。

同8位タイの福島ユナイテッドFCは、J3創設の2014年参入から7大会で5度のジャイキリを許している。2014年は本大会で奈良クラブ(当時関西1部)に敗れ、2017年からは4大会連続でいわきFCを相手に県予選敗退を続けている。特に2017年のいわきは福島県1部(7部相当)所属で、Jクラブが都道府県リーグ所属チームにジャイキリされたのは史上初のことだった。いわきは2022シーズンからのJ3参入が決まっているが、本大会出場権を懸けた県予選の激しい戦いはまだ続くことになりそうだ。

4位タイは4クラブ。J2オリジナル10の甲府とFC東京がここにランクインした。甲府は1999年ソニー仙台FC(JFL)、2012年福島ユナイテッドFC(当時東北1部)、2017年ヴァンラーレ八戸(当時JFL)、2021年福井ユナイテッド(北信越1部)、FC東京は2012年横河武蔵野FC(現東京武蔵野ユナイテッドFC/JFL)、2021年順天堂大学といった、JFL以下所属や大学チームによるジャイキリが目立った。

同4位タイの横浜F・マリノスは実に10度ものジャイキリを許している。特に1994~1998年は5大会連続ジャイキリの憂き目に遭っており、これは東京ヴェルディと並ぶ最長タイ記録だ。

また横浜FMといえば、2003年大会の市立船橋高校との対戦を覚えている人も多いだろう。この年、市立船橋高校はザスパ草津(現ザスパクサツ群馬/当時関東2部)、阪南大学を破り、このシーズンJ1で両ステージ制覇の完全優勝を成し遂げた横浜FMと3回戦で相対した。当然J1王者の圧倒的有利が予想され、実際キックオフ早々の4分、6分に2点リードを奪った。だがここから驚異的な粘りを見せた市立船橋は69分、84分に追いつき、試合は延長、PK戦までもつれ込んだ。結果的に横浜FMが勝ち上がり、史上最大のジャイキリとはならなかったが、市立船橋の勇敢な戦いぶりには称賛の声があがった。過密日程を理由に2015年大会以降は2種登録チームの出場資格がなくなったこともあり、この試合が高校チームによるジャイキリに最も近づいた瞬間となった。

2021年大会で劇的な優勝を飾った浦和レッズも、過去には9度のジャイキリを許している。印象的なのは2007年大会、愛媛FC(当時J2)との対戦だ。このシーズン、Jクラブとして初めてAFCチャンピオンズリーグ優勝を果たしたが、その2週間後にまさかのジャイキリを許してしまった。

さらに2009年大会では当時北信越1部所属の松本山雅FCにジャイキリされ、3つの“初”記録がついてしまった。1つ目はJ1クラブが地域リーグのチームに初めて敗れたこと、2つ目はJ1クラブが3カテゴリー下のチームに初めて敗れたこと、3つ目はJ1クラブが4部相当のチームに初めて敗れたことだ。

ちなみに天皇杯の歴史上、J1クラブが地域リーグのチームに敗れたのは5回だけ。前述のサンフレッチェ広島(2回)と、2012年アルビレックス新潟が福島ユナイテッドFC(当時東北1部)に、2014年ベガルタ仙台が奈良クラブ(当時関西1部)にジャイキリされている。

またJ1クラブが3カテゴリー下のチームにジャイキリされたのは天皇杯史上で9回あったが、2度食らったのは浦和だけだ(2019年Honda FC(JFL/4部相当)に)。

一度もジャイキリされていない7クラブはどこだ? 

トップ3発表の前に、一度もジャイキリされたことのないクラブも紹介しておきたい。

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ガイナーレ鳥取     0pt.(11勝0敗/2011年参入)
V・ファーレン長崎    0pt.(6勝0敗/2013年参入)
AC長野パルセイロ    0pt.(12勝0敗/2014年参入)
ツエーゲン金沢     0pt.(4勝0敗/2014年参入)
鹿児島ユナイテッドFC  0pt.(6勝0敗/2016年参入)
ヴァンラーレ八戸    0pt.(4勝0敗/2019年参入)
FC今治         0pt.(1勝0敗/2020年参入)
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Jリーグ参入が比較的最近のクラブの名前が並んでいるが、特筆すべきはガイナーレ鳥取だ。2011年のJ参入から10大会連続でジャイキリされておらず、これは前述の大分トリニータ、ロアッソ熊本の12大会、ジェフユナイテッド千葉、水戸ホーリーホックの11大会に次ぐ連続記録を更新中だ。またJリーグ参入年からの連続記録も、愛媛FCの14大会(2006年参入~2019年)、サンフレッチェ広島の13大会(1992年参入~2014年)に次ぐ記録となっており、これを塗り替えることができるか注目だ。

1位は圧倒的なポイント差……22大会中11度のジャイキリ

最後にトップ3の発表だ。

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2. 名古屋グランパス    16pt.(34勝9敗、20.9%/1992年参入)
2. 北海道コンサドーレ札幌 16pt.(18勝8敗、30.8%/1998年参入)
1. ベガルタ仙台      21pt.(20勝11敗、35.5%/1999年参入)
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2位タイには2クラブが並んだ。天皇杯史上最初にジャイキリを食らったのは名古屋グランパスで、1992年大会1回戦でフジタ(現湘南ベルマーレ/当時旧JFL1部)に敗れている。

2001年大会では佐川急便SC(後に解散/当時JFL)にジャイキリを許しており、これはJクラブが2カテゴリー下のチームにジャイキリされた初めての記録であり、同時にJ1クラブが3部相当のチームに初めてジャイキリされた記録でもある。

同2位タイの北海道コンサドーレ札幌は23大会で8度のジャイキリを許している。その中でも特にインパクトが強かったのは2017年大会、いわきFCとの対戦だろう。当時福島県1部(7部相当)に所属していたいわきFCは、前述のように県予選で福島ユナイテッドFC(J3)を破り、本大会でも1回戦で“格上”のノルブリッツ北海道FC(北海道/5部相当)を8-2の大差で下していた。J1の札幌もこの勢いにのまれて延長戦の末に5-2で敗戦、史上最大6カテゴリー差のジャイキリが実現した。

天皇杯史上で5カテゴリー以上も下のチームにジャイキリされたのは札幌だけ。J1クラブが都道府県リーグのチームに敗れたのも、J1クラブが7部相当のチームに敗れたのも唯一の記録だ。今回のランキングではこの6ポイントが加算されてしまったためにトップ3入りしてしまった。

そして1位は、ベガルタ仙台となった。11度のジャイキリは天皇杯史上最多で、22大会のうち実に半数でジャイキリされたことになる。その中でも2000年、当時J2所属の仙台が関西学院大学に敗れたのは、史上初めて大学チームにジャイキリされた記録となった(2009年にモンテディオ山形が明治大学にジャイキリされたのはJ1クラブとしての初記録)。

再びJ1に昇格した2010年、ソニー仙台FCとの「仙台ダービー」では延長の末にジャイキリを許している。この後、両者は2011年、2012年にも対戦。3年連続での仙台ダービーが実現し、仙台はリベンジの2連勝を飾った。ちなみに天皇杯ではベガルタ仙台と仙台大学による「仙台ダービー」も2度実現しており、2005年はPK戦までもつれる接戦となった(2度ともベガルタ仙台が勝利)。

また本大会で大学チームから3度ジャイキリされたのは、史上最多回数の数字だ。(県予選を含めれば、SC相模原とY.S.C.C.横浜の4回が最多)

2014年には当時関西1部所属の奈良クラブに敗れている。これは、J1クラブが5部相当のチームにジャイキリされた初めての記録であり、またJクラブが4カテゴリー下のチームにジャイキリされた初めての記録でもある。ちなみにJ1クラブが5部相当のチームにジャイキリされたのも、Jクラブが4カテゴリー下のチームにジャイキリされたのも、前述の2021年広島とおこしやす京都の対戦と合わせてわずか2回だけの記録となっている。


今回、ジャイアントキリングに焦点を当ててランキング形式でお伝えしてきたが、こうして振り返ってみると、30年の歴史の重みを感じることができる。応援しているクラブがジャイキリされれば眠れぬほどの悔しさが募り、逆に下位カテゴリー所属や大学生チームの選手、関係者、ファンにとっては、一生忘れられない瞬間となるだろう。

ジャイアントキリングは、一発勝負だからこそ生まれるドラマであり、また同時に日本サッカーが成熟した証しでもある。これからも記憶に残る名勝負を生み出してくれることに期待したい。

<了>






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