AIで尋ね人探し!10年前に誘拐された子供4人を探し出す―中国

Record China / 2019年6月18日 17時50分

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騰訊優図実験室が実施した経年変化に対応した顔認証技術による絞り込みに基づき、警察がDNAによる親子鑑定を行った結果、約10年前に行方不明となっていた4人の子供を探し出した。これは、中国国内で初めてのことであり、非常に素晴らしいブレイクスルーといえる。

キャビンアテンダントがまもなく離陸する航空機の座席に座っていた李新(リー・シン)氏に、「携帯電話の電源を切って下さい」とたびたび促す中、最後の最後になって四川警察からの電話で「4人の子供が該当しました!」という情報が届き、李氏は思わず興奮を抑えきれなかった。受話器の向こうからは、歓喜の声や涙にむせぶ声まで聞こえてきた。李氏もうれしさのあまり、目元を熱くしていた。なぜなら彼はこれが決して簡単なことではなかったことを十分承知していたからだ。新華デイリーテレグラフが伝えた。

騰訊(テンセント)優図実験室が実施した経年変化に対応した顔認証技術による絞り込みに基づき、警察がDNAによる親子鑑定を行った結果、約10年前に行方不明となっていた4人の子供を探し出した。これは、中国国内で初めてのことであり、非常に素晴らしいブレイクスルーといえる。

テンセント守護者計画の安全専門家である李新氏は、警察官として8年のキャリアがあり、行方不明者捜索・誘拐グループ摘発事件に携わったのは、今回が初めてではない。だが、今回の行方不明者捜索にAIを使った点は、極めて特殊だったといえる。

李氏の同僚が、行方不明となった子供を探す両親から寄せられた子供の写真を見た時、誰もが言葉を失った。どの写真も少しでも汚れたりしてしまわないように1枚ずつぶ厚い油紙に幾重にも包まれていたからだ。行方不明の子供たちはそのほとんどが3歳以下で、生まれてから撮影された写真が1枚しかないという子供や、生後満1カ月の時の写真だけという子供もいた。

四川省公安庁刑偵局誘拐対策処の蒋暁玲(ジアン・シャオリン)処長は、「写真を集めた時、両親は、『くれぐれも写真を無くさないでほしい』と繰り返し言っていた。両親にとってこれは子供が残してくれた唯一の拠り所だったからだろう」と当時を回想した。

これらの写真に写っている子供たちは全員、四川省公安庁誘拐対策処の未解決事件と関係があった。2008年から2010年にかけて、3歳前後の子供10人が、四川省で連続して誘拐されるという事件が起こったためだ。

四川省公安庁誘拐対策処と事件が発生した県・市の公安当局はこの10年間、誘拐されて行方が分からなくなった10人の子供を探し続けてきた。蒋処長は「訪問調査やモンタージュ写真の公開、ネットワーク公告など試せることはすべて試してみたが、事件発生から時間がたちすぎており、仲介人の手掛かりもなく、事件は迷宮入りになるかと思われていた」と話した。

しかし2017年12月に転機が訪れた。公安部刑偵局の陳士渠(チェン・シーチュー)副局長が調査のためテンセントを訪れた際に、優図実験室の経年変化に対応した顔認証技術のことを知り、この技術に関する情報を四川警察に伝えたのだ。

李氏は、「難易度は非常に高く、実はその当時、関係者も自信はなかったが、あのぶ厚い油紙に包まれた写真を見て、どこまでも努力していく決心がついた」と当時を振り返った。

その当時、10年以上も前に失踪した子供を経年変化に対応した顔認識技術で探し出したケースは、世界的に見ても皆無だった。経年変化に対応した顔認証技術については、優図顔認証計算式の責任者である李博士が同僚とともに、0歳から18歳までの子供の顔の成長・変化に対するモデリング・シミュレーションを行い、学習可能な顔のサンプルを大量に生成した。その後、ディープニューラルネットワークのアルゴリズム用いて、これらの人の顔に成長過程で生じる複雑な変化を学習させた。

まさに「努力は決して人を裏切らない」という言葉があるように、約半年間に及ぶ努力と夜を徹した作業を繰り返したことで、ついに大きなブレイクスルーを実現した。「DDL(データ駆動型学習)」と呼ばれるアルゴリズムによる経年変化に対応した顔認識の精確率は96%以上に達した。

間もなく、優図実験室チームは、彼らのモデルを用いて警察に提供された膨大な量のデータに対する第1回のマッチングを実施し、警察は行方不明の子供たちそれぞれに最も似ていた順位トップ5人まで絞り、最終的にオフラインでの確認作業を行った。

その結果が、本文冒頭のくだりとなった。警察はDNA鑑定を経て、この第1回のマッチングで誘拐された4人の子供の所在を突き止めることに成功し、その4人のうち3人の精確率は最高だった。

蒋所長にとって最も印象深かったことは、第1回のマッチングで見つかった4人の子供の中には生後わずか数カ月の写真しかなかった子供が含まれていたことだった。彼女は、「科学技術の力は偉大すぎる」と感嘆を禁じえなかった。

引き続きこの技術を用いてさらに3人の子供が見つかった。当時四川省で相次ぎ連れ去られた10人の子供のうち、現在まですでに7人が見つかっている。公安部刑偵局の陳副局長は、「誘拐された子供の多くが無事見つかったことは、誘拐されて長年が経過した子供を探す上でAIが重要な役割を担うことができる事実を裏づけている。経年変化に対応した顔認証技術は、DNA鑑定に続き、公安機関が誘拐された子供を捜索する上で、極めて有効な方法を提供するものであり、大きな『一里塚的意味合い』を備えている」とコメントした。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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