対米交渉、長期戦の構えの中国、急ぐ北朝鮮、2020年のトランプ大統領「再選」で局面に大きな変化

Record China / 2019年8月3日 5時20分

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米国との交渉で中国と北朝鮮が対照的な動きを見せている。米中貿易協議で中国は長期戦の構えで、北朝鮮は交渉の加速に躍起。2020年の米大統領選でトランプ氏が再選されるかどうかで局面が大きく変わるためだ。資料写真。

米国との交渉で中国と北朝鮮が対照的な動きを見せている。米中貿易協議で中国は安易な妥結はせず、長期戦の構え。経済制裁に苦しむ北朝鮮は非核化交渉の加速に躍起だ。中朝が見据えるのは2020年の米大統領選挙。トランプ氏が再選されるかどうかで局面が大きく変わるためだ。

7月30日、31日の2日間、中国・上海で行われた米中の閣僚級協議には米国からライトハイザー通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が参加。中国からは劉鶴副首相のほか、対米強硬派と目される鍾山商務相が加わった。目立った成果はなく、中国国営新華社通信によると、次回協議は9月に米国で行うことで合意した。

米ブルームバーグ通信によると、今回の協議でも中国は米国が現在課している制裁関税を直ちに全面撤回することなどの要求を変えていない。商務部の報道官は「譲れない一線」と強調。米国が求める知的財産権の侵害への対応や国有企業への優遇の見直しなどには応じず、「持久戦」に持ち込む姿勢をのぞかせた。

これに対し、トランプ大統領は中国が民主党政権下で合意を望んでいるとの見通しを示し、「中国は恐らく『待とう』と言うのではないかと思う。(大統領選で)私が勝てば中国はほぼ即座に協定の締結に応じることになるだろう」と発言。30日にも記者団に「私が負ければ中国は大喜びだ」と語った。

さらに大統領は1日、現時点で制裁関税の対象になっていない中国産の輸入品3000億ドル(約32兆円)相当に9月1日から10%の関税を課すと発表した。6月末に大阪で開かれた米中首脳会談では貿易戦争の「一時休戦」で合意していたが、この合意を破り、対中圧力を一段と強めた格好だ。

一方、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長は6月30日、南北軍事境界線の板門店でトランプ大統領と握手する“見せ場”をつくったものの、米国の「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」と北朝鮮の「段階的な非核化と制裁緩和」の溝は埋まらないまま。次の米朝首脳会談に向けた実務者協議のめども立っていない。

米朝間の非核化交渉はトランプ大統領という特異なキャラクターの登場で初めて実現した。次期大統領選で人権問題などを重視する民主党出身者がホワイトハウスの主になった場合、交渉が振り出しに戻って、制裁だけが続く北朝鮮にとって最悪の事態も予想される。

7月25日、31日と8月2日に計6発の短距離弾道ミサイルを日本海に発射したのも、米国を刺激しない範囲で何とか振り向かせようとの狙いとみられる。トランプ氏の任期中に完全決着は無理としても交渉を少しでも進展させておきたいと北朝鮮は焦っている。(編集/日向)

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