日韓の「腕比べ」でASEANにも損害か?―中国メディア

Record China / 2019年8月27日 8時40分

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日本が輸出管理制度の中で優遇措置の対象となる「ホワイト国」から韓国を除外すると決定したことを受けて、韓国はこのほど新たな対抗措置を取り、日本から輸入する廃棄物の放射能検査を強化すると発表した。資料写真。

日本が輸出管理制度の中で優遇措置の対象となる「ホワイト国」から韓国を除外すると決定したことを受けて、韓国はこのほど新たな対抗措置を取り、日本から輸入する廃棄物の放射能検査を強化すると発表した。北京の学者は、「日韓の貿易紛争が引き続きヒートアップしていくと、ASEAN諸国の経済にも新たな挑戦をもたらす可能性がある」との見方を示した。中国新聞社が伝えた。

韓国環境部はこのほど、輸入量が多い廃棄物の品目について環境のための安全管理を強化し、具体的には日本から輸入した廃バッテリー、廃タイヤ、廃プラスチックの放射性物質検査及び重金属検査を強化することが含まれるとした。

公式のデータによると、韓国は昨年、日本から廃バッテリーを7万1000トン輸入し、同期の韓国の廃バッテリー輸入全体の15%を占めた。廃プラは6万6000トンで38%だった。韓国は今回の措置を「輸入廃棄物の放射性物質に対する国民の懸念」を踏まえてのことというが、韓国メディアの多くは日本の経済的報復行為に対する対抗措置であるとの見方を示す。

しかし日本は韓国の対抗措置を受けて「変心する」ことはなく、それどころかさらに強硬な態度に出ている。日本経済新聞の報道では、韓国が最高裁判所の元徴用工訴訟での判決に基づいて、引き続き日本企業の資産の売却を進めていこうとするなら、日本は「必ず対抗措置を取る」。日本は目下、韓国の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)入りを拒否することを検討中という。

中国社会科学院日本研究所の楊伯江(ヤン・ボージアン)所長は、「日韓はともに貿易立国であり、貿易紛争が無限に拡大することはあり得ず、日本が参議院選挙の後で韓国への態度を軟化する可能性はあった。しかし日韓の問題が歴史的な怨恨、領土紛争、国と地域の政策の方向性などに関わって複雑に入り組んだもので、解決が難しいことを考えると、両国間の摩擦がそう簡単に収まるとは思えず、両国関係が短期間で大きく改善することは非常に難しいといえる」と述べた。

外交学院国際関係研究所の周永生(ジョウ・ヨンション)教授も、「日韓のこのたびの貿易紛争は両国の長年にわたる歴史問題や領土問題が積み重なって勃発したもので、しばらくは両国関係が好転する可能性は低い」と述べた。

日韓経済貿易関係の緊張が続けば、両国経済に損害が出るだけでなく、ASEAN諸国にも被害が及ぶ。

ASEANは韓国の重要な貿易パートナーだ。公式のデータでは、2018年の韓国のASEAN10カ国への輸出額は1000億ドルを超え、韓国の輸出全体に占める割合は16.6%に達し、北米自由貿易協定(NAFTA)や欧州連合(EU)よりも高い。韓国の輸出貿易パートナー上位15カ国のうち、ASEAN諸国が6席を占める。

韓国対外経済政策研究院(KIEP)のまとめた報告では、ASEANで製造する電子部品と設備産業の最終製品のうち、韓国の付加価値への寄与度は、フィリピンで2.17%、シンガポールで1.59%、インドで0.32%、インドネシアで0.6%に上り、各国の外国寄与度ランキングでも韓国は上位にいる。これはつまり、韓国の電子部品と設備の輸出が減少すれば、東南アジアの関連産業に打撃を与える可能性があるということだ。

韓国の半導体産業は一部の重要な部品、原材料、技術をこれまでずっと日本からの輸入に依存してきた。楊氏が指摘したように、「深い依存」であり、日本の輸出規制措置が長く続けば、韓国半導体産業が深刻な打撃を受けることは確実だ。こうした状況の中では、ASEAN各国の電子部品と設備産業も損害を被ることになる。

現在、グローバル経済が全体として低迷していることから、ASEAN諸国の一部でも経済が低迷している。インドネシアの今年上半期の経済成長率は5.06%に低下し、市場の予想を下回った。タイの第1四半期の経済成長率は2.8%にとどまり、4年ぶりの最低を更新した。

中国にとって、日韓貿易紛争は「危機」でもあり、「機会」でもある。

中国は日本にとって1番目の貿易パートナーだ。中国人民大学太平洋経済研究所の陳建(チェン・ジエン)所長は「経済の関連性の緊密さについて言えば、日中、中韓は実際のところ日韓よりも緊密だ。こうした状況の中、日韓貿易紛争により両国の中国経済への依存度がさらに高まる可能性がある」と述べた。

日本研究所の李清如(リー・チンルー)副研究員は、「このたび韓国企業が日本に『首を締め上げられた』ことから、グローバル産業チェーンで高い位置にいる日本が一撃必殺で、相手を制御する力があることがわかる。中国は自国と日米などとのハイテク技術産業における開きをより冷静に認識し、これから弱点部分を補っていく必要がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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