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日本の処理水海洋放出、隣国は反発もドイツ専門家「最良かつ最も安全な方法」―独メディア

Record China / 2021年4月14日 14時20分

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ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ中国語版サイトは13日、「トリチウムが含まれる核廃水は本当に健康に危害が及ぶのか」と題する記事を掲載した。

ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ中国語版サイトは13日、「トリチウムが含まれる核廃水は本当に健康に危害が及ぶのか」と題する記事を掲載した。
記事は、日本政府が13日に福島第一原発の汚染処理水を海洋放出する方針を閣議決定したことで、現地の漁民や隣国から強烈な不満を引き起こしたとした上で、ドイツの専門家の見立てを紹介した。
それによると、ハノーファー大学の放射線学教授、ゲオルグ・シュタインハウザー(Georg Steinhauser)氏は、原子炉の冷却に用いた廃水(処理水)を太平洋に排出することが、明らかに最適かつ最も安全な方法であると指摘している。
同氏は、福島が地震リスクの高い地域であることを踏まえると、貯水槽を増やすのは良い方法ではないとの考えを示し、「貯水槽から水が漏れて地面に浸透すれば、トリチウムが地下水層に拡散し、しかもそれほど希釈されることはない。冷却水を海に放出することは、環境にも人間にとっても最良で、最も安全な方法だと思う。これは国際原子力機関(IAEA)を含め、多くの人々が提案している方法だ」とした。
記事は、多くの地元住民や環境保護主義者、周辺国の漁民らからは放出による影響を懸念する声が上がっているとし、「彼らは、日本政府はより安全な解決策が見つかるまで福島原発の敷地外により多くの貯水槽を設置すべきだと考えている」「海が汚染され、水産物のイメージに大きな打撃となることを懸念している」と伝えた。
一方で、「日本政府は(処理水を)排出前に希釈し、(トリチウムの)濃度を国の基準の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に下げることを強調している」としたほか、「東京電力も、汚染水は多核種除去装置(ALPS)で処理し、62種類の放射性物質をろ過するとしている。トリチウムだけは除去できないが、フィルタリングされた処理水の濃度が基準値を超えたままである場合は、処理が繰り返される」と説明した。
記事はまた、トリチウムの危険性についても解説している。「処理水に残っているトリチウムは水素の同位体である。放射性物質だが、危険性はセシウム137やストロンチウム90には遠く及ばない。トリチウムから出るのは弱いベータ線であり、プラスチックや人間の皮膚の層でほとんどを遮断することができる」とした。
シュタインハウザー氏は「人々が心配するのは、トリチウムについてほとんど知られていないためだろう」と指摘。「トリチウムを希釈して少しずつ海中に排出すれば、人体や環境への脅威にはならない。核実験によって残存する成分と比べると、わずかな割合でしかない。しかも、すぐに検出される基準を下回る濃度に希釈される。恐れる必要はない」とした。
また、ドイツの原子力研究所の一つ、ユーリッヒ研究センター(FZJ)のブルクハード・フューエル・ファビアネク(Burkhard Heuel-Fabianek)氏も、処理水を太平洋に放出することは「放射線学的に無害」と考えており、「トリチウムは水の一部と言える。すぐに人体から排出されるので、生物学的な影響は他の物質ほどではない」と指摘。「ストロンチウムは骨の構造に吸収され、骨の結晶構造に溶け込むと体外に排出されない」ものの、トリチウムはこれとは異なるとの見解を示した。
記事は一方で、環境団体グリーンピースからは「日本政府はメディアや国民の視線をトリチウムに集中させているが、汚染水には人体や環境に有害な物質がほかにも大量に含まれている」「流出した東電の内部文書は、処理してもヨウ素、ルテニウム、ロジウム、テルル、コバルト、ストロンチウムなど多くの放射性物質を『検出不能』までに減らすことはできないことを証明している」との主張が出ているほか、米ウッズホール海洋研究所のケン・ビュセラー(Ken Buesseler)氏も「トリチウム以外の放射性物質もあり、一部の半減期はより長く、海洋生物の体内に残留したり、海洋堆積物になったりしやすい。これらの物質は複雑な経路を通って、人体や環境に潜在的な脅威になり得る」と指摘していることを併せて伝えた。(翻訳・編集/北田)

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