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日本への外国人流入、コロナ後に急増=人手不足が主因、地方含め“移民国”に

Record China / 2024年2月23日 22時50分

労働力不足の緩和に貢献

では、日本に住む外国人が急増している理由は何なのか。山本氏は「外国人の急激な流入増加は、基本的に国内の人手不足の反映である。…(この2年間の)増加は新型コロナからの反動では説明がつかず、多くの企業が労働力不足への対応を急いだ結果だろう」と分析する。

日本では1970年代前半の第2次ベビーブーム以降、長期にわたり出生数の減少が続いているうえ、団塊世代(1947~49年生まれ)が今年末までにすべて後期高齢者になることなどから、労働力不足が今後さらに深刻化するのは必至。山本氏は「外国人の流入は、こうした労働力不足の緩和に貢献する」と期待を寄せる。

それにしても、この2年間は円安が急激に進んだ時期と一致する。せっかく日本に来て働いても、ドル建てないし自国通貨建ての手取りはその分減ってしまうわけで、出稼ぎ先としての魅力は薄れているはず。それにもかかわらず多くの外国人が日本に向かうのはなぜなのか。もちろん現在でもなお日本の賃金は多くのアジア諸国よりは高いが、それだけが理由なのか。あるエコノミストは「日本の治安がいいこと、広い意味での社会の規律が維持されていること(電車が時刻表通りに動く、食事が安くておいしい、各種サービスの質が高い、など)が評価されているのではないか」と見る。

同じことを別の言葉で言い換えているだけかもしれないが、私は“日本ブランド”が依然として健在であることが大きいのではないかと思う。アジアで最初に先進国の仲間入りを果たし、高い技術力を誇り、欧米諸国に伍して主要7カ国の一角を占めている日本に対し、一種のあこがれを抱いている人たちは、アジアを中心にまだまだ多いのではないか。それが、最近の円安にもかかわらず出稼ぎ先に日本を選ぶ人が多い一因なのではないだろうか。もっとも、それは一種の神話であり、顕在化しつつある相対的な技術力の低下が続けば、ブランドの価値も次第に下がってしまうのだが…。

“日本ブランド”の維持強化を

このように急速に移民国化している日本だが、課題は少なくない。そもそも、労働力不足を外国からの移民で補うというやり方について、広く社会的な合意が成立しているとは思えない。現在のように半ばなし崩し的に定住外国人が増えていくと、どこかの時点で強い軋轢が生じかねない。政治が前面に出て、外国人の流入増の是非について方向性を示す必要がある。

仮に外国人を積極的に受け入れる方向でまとまったとしても、やるべきことは山積している。日本語の習得支援や子女教育をはじめ受け入れ態勢をさらに整備しなければならないし、地域住民の意識改革も必要になるかもしれない。そして、ブランドを維持するためには、経済だけでなく文化、スポーツ、科学など幅広い分野で活力を高める努力が不可欠だ。特に広く大衆にアピールする芸能・文化とスポーツの魅力アップは効果的だ。

足元で日本以上に急速に少子化が進んでいる中国、韓国でも、今後労働力不足が顕在化する可能性がある。その場合、日中韓で外国人材の奪い合いが起きるかもしれない。そのような状況になっても、外国人労働者に日本を働き場として選んでもらえるよう、官民挙げて日本ブランドの維持強化に注力していくべきだろう。

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