温かみある白と究極のシンプルさ、和田玉で作られた「白玉杯」―中国
Record China / 2024年3月7日 23時30分
白玉杯は1000年以上地下に埋まっていたにもかかわらず、傷や破損なども無く、玉は温かみのある白さで、そのフォルムは魏晋南北朝時代特有のシンプルさを追求した逸品となっている。
先秦(紀元前221年以前)や前漢(紀元前206-8年)・後漢(25-220年)の時代には大量の玉器が冠婚葬祭で用いられた。その後、後漢末期から三国時代にかけては、戦乱が毎年のように勃発したため、葬儀の簡略化が進み、埋葬品としての玉器は次第に姿を見せなくなっていった。1956年に河南省洛陽市で見つかった三国時代の「曹魏正始八年墓」は盗掘し尽くされていたものの、考古学者が墓室の隅から泥まみれの器物を発見。泥を洗い落としたところ、完全な状態の「白玉杯」であることが分かり、多くの人を驚愕させた。1000年以上地下に埋まっていたにもかかわらず、傷や破損なども無く、玉は温かみのある白さで、そのフォルムは魏晋南北朝時代特有のシンプルさを追求した逸品となっている。
「白玉杯」のフォルムは極めてシンプルだが、1700年以上も昔にこれほどシンプルな美しさを追求することは決して容易なことではなかった。また「白玉杯」の原料は、新疆ウィグル自治区の和田(ホータン)地区で採取された「和田羊脂玉」となっている。戦乱が頻発していた三国時代に、はるか遠く西域の同地区の玉を手に入れることは至難の業であったことは想像に難くない。しかし「白玉杯」の発見は、黄河中流域を中心とした中原は戦争などで混乱していたものの、西域各国との貿易・往来が維持されていた史実を裏付けており、三国時代にシルクロードを通じた交流があったことの強力な裏付けとなっている。
さらに玉器職人の世界では、「四角は簡単だが、円形は難しい」という言葉がある。玉器の中でも、玉杯は特に難しく、シンプルで何の変哲もないように見える「白玉杯」には、実は玉器職人の洗練された技術が詰まっているのだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「なぜここに?」アレクサンドロス大王の肖像が刻まれた工芸品を「意外な場所」で発見
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月24日 11時50分
-
≪中華ドラマNOW≫「陳情令」35話、人食い霊堂の真相が明らかになる=あらすじ・ネタバレ
Wow!Korea / 2024年4月19日 20時47分
-
国家文物局、武王墩墓の考古学的新発見を発表―中国
Record China / 2024年4月17日 10時50分
-
南米の古代人、キツネをペットとして飼っていた? 人骨と共に埋葬された骨格を発見
ニューズウィーク日本版 / 2024年4月15日 12時40分
-
広西・柳州、3~4万年前の先史時代の墓を初発掘―中国
Record China / 2024年4月11日 18時20分
ランキング
-
1“中国軍戦闘機の豪軍ヘリ妨害”オーストラリア首相は強く非難 一方で中国は反論
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月7日 21時11分
-
2プーチン大統領、5期目就任式 ウクライナ侵攻の正当性強調も…政権運営の不安要素は
日テレNEWS NNN / 2024年5月7日 19時23分
-
3プーチン大統領、通算5期目の就任式…6年の任期全うならスターリンに匹敵する統治期間に
読売新聞 / 2024年5月7日 18時48分
-
4イスラエル、ラファで限定地上戦=ハマスは「休戦案受諾」表明―ガザ交渉継続
時事通信 / 2024年5月7日 23時57分
-
5プーチン大統領の就任式、日本は出席せず=林官房長官
ロイター / 2024年5月7日 16時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください