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中国では産業用ロボットの投入数が経済原理による算出の12.5倍―米シンクタンク

Record China / 2024年3月19日 9時0分

国際ロボット連盟(IFR)によると、人の労働者に対してロボット導入台数が最も多い国は韓国で、労働者1万人当たり1000以上のロボットを使用している。第2位はシンガポールで730台、さらに次は日本とドイツで、労働者1万人当たり400台近くのロボットを導入している。中国は392台で、米国はさらに少ない285台だ。

リポートは、企業の産業用ロボットの導入の動機は、ロボットが人に代わって作業をした場合の費用削減と指摘。そのため、「低賃金のインドよりも高賃金のドイツの方がロボット普及率が高くなっても不思議ではない」と説明した。リポートによれば、中国でロボットの導入率が高いのは企業にとっての費用対効果で有利という経済原理によるのではなく、政策のためであり、「中国共産党は製造用ロボットの導入を最優先事項の一つにしており、補助金を寛大に支給している」と論じた。リポートは、10年前には中国で使われている産業用ロボットは全世界の14%だったが、現在は52%になったと紹介した。

リポートによると、各国の製造業の賃金水準に基づき、ロボット導入率を算出した場合、中国における実際の導入率は算出値の12.5%という「衝撃的な数値」になったと紹介した。また、この実際の数値と算出値の違いは、2017年時点では1.6倍にとどまっていたという。

また、中国では産業用ロボットの主要な導入分野である自動車産業が急成長したことも、産業ロボットの増加を後押しすることになったという。

中国では17年以上、ロボット関連のスタートアップ企業が3400社以上出現した。また、中国のロボット関連スタートアップ企業の上位10社のうち、8社までが中国外からのベンチャー投資を受けていることからは、中国のロボット関連スタートアップ企業のイノベーションの潜在力を示すものという。

現状では「ロボット分野の追随者」に甘んじている

ただし、中国のロボット産業には「弱み」も存在する。例えば19年には、中国の新規導入ロボットの71%は日本、韓国、欧州、米国などからの輸入品だった。このことは、中国のロボット分野の先端技術が、先進国にはまだ及ばないことを意味する。また、ロボットの中核的部品は日本製品が主流だった。中国はロボットにおいて高価な部品を輸入しているために、産業として付加価値を高められないでいるという。また、現在ではロボットの価値の約8割がソフトウェアによるものとされるが、中国の産業用ソフトウェアの能力は、まだ遅れているという。

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