中国では産業用ロボットの投入数が経済原理による算出の12.5倍―米シンクタンク
Record China / 2024年3月19日 9時0分
さらに、中国のロボットメーカーの多くが、まだ「舶来ロボットのコピー」の状態に甘んじている。リポートは「ある専門家の話」として、事実かどうかは確認できていないことを示唆した上で、「日本のロボットメーカーのファナックが、中国の競合他社のロボットに、自社の識別マークがあることを発見した」との逸話を紹介した。
ただし中国製ロボットの性能は西側先進国の高級品にかなわないが、価格優位性を有していることは有利だという。特に、経済発展が遅れる国の企業にとっては「コストと品質のトレードオフ」は魅力的という。
リポートは、中国の「ロボット戦略」について、「ローエンド市場で先進国企業からシェアを奪い、次に自国政府の支援も受けて、ハイエンドの革新的な製品を開発するために再投資する」との見方を示した。
国を挙げて「追いつき、追い越せ」に注力
さらに、中国がロボット関連の新興分野で大きな進展を見せている場合もあるという。特に人型ロボットでは、中央政府の工業及び情報部が、同分野で27年までに世界をリードする計画を打ち出しており、企業に多額の資金援助をしているという。中国企業はさらに、高度の技術力を持つ外国企業を買収することによっても、自らの技術力を向上させようとしているという。リポートは、これまでに似たような経緯をたどった産業分野には、ドローンや携帯電話があると指摘した。
リポートは、中国や中国のロボット企業は総じて言えば、模倣者からイノベーターへのシフトが必要と認識しているようだと表明。その手法としては、最先端のプロジェクトに集中することがあり、政府は大学のロボット研究者に企業との交流を強く要請しているという。リポートはさらに「中国は依然としてロボット分野の追随者である部分が大きい」とした上で、単なる追随者ではなく、「急速に追いつく追随者になりつつある」との見方を示した。
リポートによると、ある専門家は中国のロボット分野について「格差を縮めることはできる。問題は、どれだけ時間がかかるかだ」と述べたという。(翻訳・編集/如月隼人)
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