中国、ドローン活用した「低空経済」の市場規模が10兆円超に拡大―国営メディア
Record China / 2024年4月7日 7時0分
中国でドローンを活用した「低空経済」の市場規模が拡大。日常生活にも進出し、2023年は前年比33.8%増の5059億5000万元(約10兆6000億円)に上った。
中国でドローン(無人機)を活用した「低空経済」の市場規模が拡大している、と国営メディアが伝えた。日常生活にも進出し、人々の目に頻繁に止まるようになり、2023年の規模は前年比33.8%増の5059億5000万元(約10兆6000億円)。26年には1兆元を超えるという楽観的な見方もある。
飛行時間は低空経済の発展を示す重要な指標だ。中国網が紹介した民用航空局のデータによると、23年末現在の中国の実名登録ドローンは前年同期比32.2%増の126万7000機。23年の民生用ドローンの累計飛行時間は前年比11.8%増の2311万時間に上った。
低空経済は現在、国が全力を挙げて発展させる産業の新コースになっている。広東省、安徽省、浙江省、山東省、陝西省、甘粛省、山西省、重慶市などが低空経済の発展を急ぎ、関連政策を発表している。広州市や深セン市などの都市の低空でもテスト飛行が集中的に行われている。
広州空港経済区管理委員会の主導により、小鵬匯天の空飛ぶ車「旅航者X2」が3月8日、広州天徳広場超A級オフィスビル群から垂直離陸した。都市CBD「天徳広場~広州タワー」エリアの低空飛行を順調に完了した。
峰飛航空も2月27日、世界初の電動垂直離着陸機(eVTOL)の海と都市をまたぐ空中航路(深セン~珠海)の初飛行に成功した。自動車では片道2時間半から3時間の移動時間も空中では20分のみだ。報告書によると、中国の23年のeVTOL産業規模は前年比77.3%増の9億8000万元で、26年には95億元に達するとみられる。
安徽省は全域低空空域管理改革試行省だ。合肥駱崗中央公園で、杭州迅蟻網絡科技有限公司のドローンが安定的に離陸し、わずか数分で熱々の料理を観光客の手元に「空中投下」した。数キロ離れた場所では、血液輸送任務を担当するドローンが命令を待ち、医療救援に参加しようとしていた。
同省蕪湖市で鳩兹湾生活美学館レストランに年越し料理の食材を運んできたのは、連合飛機「連飛快送」プラットフォームのQ20ドローンだ。「低空+サービス」というシーンのイノベーションにより、ドローンは高層ビルの消防活動にも投入可能だ。黄山ではドローンが新たな「荷担ぎ人夫」になり、人の代わりに空から山に物資を送り始めている。
徳邦証券の研究報告書によると、23、24年は低空経済の発展加速の重要な時期で、国のトップダウン設計と地方政府の支持が相乗効果を発揮し、企業の耐空証明取得に重要な進展があった。市場の働き掛けによりそのペースが持続的に上がる見通しだ。業界は30年に急激な成長期を迎えるとみている。
専門家は「中国は近年、関連産業政策を集中的に打ち出し、空域改革を掘り下げ、低空経済を模索から発展へと移した」と指摘。「低空経済は産業に対して高い影響力を持ち、1兆元級の産業規模を生むことに期待できる」との見通しを示した。(編集/日向)
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