中国ショートドラマが日本で人気、背景に「文化的共感」―中国専門家
Record China / 2024年4月26日 16時0分
その上で、「中国のショートドラマが海外進出する中で、日中の協力には主に二つのルートがある。一つは、中国のショートドラマを直接日本語に翻訳し、翻訳作品を多く揃えてコンテンツを充実させてユーザーを引きつける方法。もう一つは、中国で人気のテーマを改編して、米国や欧州の好みとは異なる日本国内向けのショートドラマを制作する方法だ。翻訳されたショートドラマの中では、日本の視聴者は『家族や結婚』について描かれたショートドラマを好む傾向がある。
これは儒教の結婚観が日本社会に長く影響を与え、日本の婚姻率が持続的に低下していることとの緊張関係に由来する可能性がある。17世紀以来、儒教思想は日本社会に大きな影響を与えており、現在でもその社会的意義は大きい。しかし、教育レベルの向上、経済の停滞、個人意識の強化などの要因が重なり、結婚は日本の若者にとって社会的な不安要素となっている。このような背景下において、結婚に関して両親の命令や仲介人の言葉が重要視される、儒教の結婚観をストーリーに取り入れた中国のショートドラマは、日本の視聴者に好奇心と共感をもたらしている」と言及した。
また、「日本国内のショートドラマに関しては、『資産家の跡取りが身分を隠してアルバイトをする』といった職場ドラマが最近のヒット作で、中国の職場の秩序や環境を改善するショートドラマと似た部分が日本の視聴者から好評を得ている。日本企業は伝統的な『年功序列』制度を採用しており、社員の収入は経験に基づいている。このような厳格な序列は若者の成長の機会や自主性を抑制しており、現代社会が求める個人の自由との矛盾を生じさせている。伝統と現実の間で生じる多くの矛盾は、このような日本国内のショートドラマの中で『職場の問題』として描かれ、中国のショートドラマが描く現実的な課題がより多く日本の若者たちの共感を呼んでいる。日本や東アジアの新世代の人々は、このようなショートドラマの制作、視聴、議論を通じて、自身が直面する複雑な職業上の困難や職場でのプレッシャーに対する疑問や反省を表現しているのだ」と述べた。
そして、「中国のショートドラマが真に規模と影響力を拡大するためには、海外進出において翻訳作品だけに頼らず『ローカライズ』が必然的な発展方向であることは間違いない。しかし、東アジア諸国間には同等の文化基盤と共通の課題があるため、この改革プロセスは中国のショートドラマの『海外進出』に独自の特徴をもたらしている。中国企業が日本に提供する『視聴者を惹きつけるストーリー』は、技術レベルでの画期的な進歩であるだけでなく、思想面での交流や中国の国際的なコミュニケーション効率を高める新たな領域を切り拓いている。アルゴリズム、文化、現実への配慮が相まって、この東アジア文化圏で広く受け入れられる芸術的な新たな形式がますます成熟し、繁栄しつつある」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)
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