1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

中国IT巨頭テンセントがトヨタとの戦略提携を発表、B2Bシフトの総仕上げとなるか

Record China / 2024年5月8日 7時30分

テンセント・クラウドは世界5大陸の26地域に100万台以上のサーバーを配置し、2800以上の高速ノード(結節点)を持つ。これはアジア最大のクラウドコンピューティングインフラだ。長安汽車はこれを利用して海外エコシステムを拡大し、中国本土と同様のユーザー体験を提供していく。こうした長城汽車との取り組みはトヨタとの提携の参考となるだろう。

Mobility for ALL

テンセントは第一汽車とトヨタの合弁企業「一汽トヨタ」と提携していた。今回はトヨタ本体との戦略的提携に格上げする形となる。トヨタの「Mobility for ALL(誰もが自由に移動し、自分らしくいられる世界を目指して)」のさまざまな成果を達成するため、総合的な取り組みを行う。多様なモビリティーの未来を共同で創造し、顧客にパーソナライズされたユーザー体験を提供するという。

トヨタの世界戦略は昨年以来、電動化、スマート化、多様化の三つを重点とし、「継承と進化」をキーワードに事業変革を推進してきた。さらに、中国市場の発展速度に合わせ、現地での自主研究開発能力を強化する。「トヨタ自動車研究開発センター中国」を「トヨタ知能電動車(スマートEV)研究開発センター中国」に改称したのはその決意の表れだ。また、各国のエネルギー事情や生活環境に合わせ、EV、ハイブリッド、PHEV、燃料電池車を供給し、マルチパス(多経路)からカーボンニュートラルを目指す。

このマルチパスは基本理念として不変で、今後はEVとハイブリッドを均衡発展させた上でPHEVを強化する。

トヨタが新EVモデルを発表

トヨタは今回の北京モーターショーで「bZ3C」と「鉑智3X」という強力な新型EVを発表した。いずれも最新の運転支援システムとスマートコックピットを搭載している。bZ3CはReboot(再起動)をキーコンセプトに、Z世代の若い顧客がリフレッシュできる生き生きした造形と自分だけの移動空間を創出する。鉑智3Xは「モバイルリビングルーム」をコンセプトに、やはり若い世代をターゲットに広く快適な空間を創出する。

トヨタはさらにコンセプトモデル「LF-ZC」も発表した。ソフトウェアをアップデートすることで機能や価値が変えられる「SDV(Software Defined Vehicle)」ソリューションを搭載した次世代モデルだ。テンセントはこれらにどのように絡むのだろうか。

中国メディア「真の一歩を踏み出す」

中国メディアは、トヨタはテンセントとの提携によりインテリジェント改革における真の一歩を踏み出したとし、この提携はトヨタのAI技術重視、つまり不足の表れだと評した。そして、今後それぞれが学習、吸収、自己変革を通じて製品の革新性と競争力を高め、トヨタの中核競争力を向上させるだろうと結んだ。中国メディアでは「強強連合の実現」などとおおむね好意的な論評が多い。そしてそれには、「中国がまた自動車で成果を挙げた」「トヨタ相手に一本取った」という感情が潜んでいるように思える。テンセントにとってはB2B路線の総仕上げなのかもしれない。実際にはどのように進展していくのだろうか。自動車業界の新たな焦点になりそうだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください