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中国の銀行員に「減給の嵐」、“残るも地獄、去るも地獄”の現実―中国メディア

Record China / 2024年5月26日 13時0分

また、銀行の企業向け業務でも収益性は落ちている。銀行間で優良企業の顧客を奪うためには、貸出金利を下げるしかなく、顧客を引き抜くために、企業に対する与信枠を大きく設定し、低い金利で融資を出す銀行もあるという。Zさんは、多額の融資を行うことはできるが金利が低いために収益にはつながらず「仕事を回しているだけ」と説明した。

本社との関係もあり人件費を縮小せざるをえない支店の事情

現場の行員の給与水準の低下について、国有系大手銀行の中国南部にある支店の責任者であるWさんは、本社の上級管理部門による分配の方式に関係すると説明した。本社は各地方支店に対して、設定した基準を達成できたかどうかで、利益の還元を行う。しかし現在は経済悪化のため地方支店の基準達成は困難で、本社から地方支店に還元される報酬が減少した。このことが行員に対する報酬の総額に影響が出ている。

また、本社から地方に対する「還元」の計算方式も変更された。Wさんによると、かつては支店が利益を1万元(約22万円)増加させれば、本社から200元(約4300円)が還元された。しかし現在では還元額が180元(約3900円)になった。このため、行員が以前と同じ実績を達成しても、給与は減額される可能性があるという。

若手行員は「新天地」を目指しベテラン行員は残留

銀行員の多くは、今の職を続けるか、銀行を出て別の職に就くのかを考えざるを得ない状況だ。一般的に言って、若い人は銀行を去る傾向が強い。若手の行員は激務をこなさねばならない割に報酬は低いという状況が関係しているとみられる。

昨年に大学を卒業して銀行に就職したYさんは、離職の道を選んだ。勤務していたのは中国東部にある銀行店舗で、在職した9カ月間の月給は2000元(約4万3000円)前後だったが、このままではローンの返済が困難だからだ。退職を申し出たのは今年4月で、入行当初の行員に支給される「スタートアップボーナス」の権利も放棄した。Yさんは現在「ある試験」の準備をしているという。Yさんによると、彼女と同期の新卒行員6人のうち、すでに4人が退職を決めた。

一方で、年配の人は銀行に留まる場合が多いという。まず、別の職についてもよい報酬を得られるかどうか先のことは分からず、自分の両親を含め家族を養えるかどうかに不安を感じるからだ。

また、これまで慣れ親しんだ業務を続けたいとの思いもある。銀行で30年近く働いてきたLさんは定年退職も近く、今の職場に留まることを選んだ。Kさんには、かつて大みそかにも店舗に行って残業をした思い出もある。給料は下がったが、今はそれほどまでに忙しくなく、苦労はしていないという。

前出のZさんも、銀行員の仕事をこのまま続ける考えだ。給料は今後もさらに下がる可能性があるが、銀行員は立派な仕事であり、福利厚生の水準も満足でき、保健制度もしっかり適用されているからという。Zさんは「ほかの仕事をしても、ひどい目に会うのは同じ」「お金は立ち去ってしまいました。お金と言うものは、永遠に手元に置いていけるわけじゃありません」と心境を披露した。(翻訳・編集/如月隼人)

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