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高齢独居女性がひたすらネット通販、悪習ただよう「ごみ屋敷」に―上海市

Record China / 2024年5月27日 19時40分

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上海市内のマンションに独居する高齢女性が、使いもしない商品をネット通販大量に購入し続けたため、自宅が「ごみ屋敷」状態になってしまった。見かねた近隣住民は、女性をなんとか説得して清掃を行った。

中国メディアの新民晩報によると、上海市内のマンションに独居する高齢女性が、使いもしない商品をネット通販大量に購入し続けたため、自宅が「ごみ屋敷」状態になってしまった。女性は65歳で、1年ほど前に離婚して、市の中心部の徐匯区から、郊外寄りの嘉定区にあるマンションに引っ越してきた。徐匯区に住んでいた時には仲間とダンスを楽しむなど社交的な面があったが、嘉定区に引っ越してからは家でひたすらインターネットのライブ通販番組を見て、常軌を逸したように買いあさるようになったという。

購入品は貴金属の装飾品やコレクション用品、健康食品、その他の食品類などで、特に使うわけでもないので、多くは宅配便として運ばれてきたまま未開封で放置された。生鮮食品を買っても食べるわけではなく、腐敗するにまかせているので強烈な悪臭が漂う。女性の食生活はかゆをすするだけで、宅配便の容器がたまったために眠る際にはその上に体を横たえて、短い時間にうとうとするだけになった。

近隣住民は女性の心身の状態を心配し、同時に消防上の問題があることも気にするようになった。マンションの管理側も、宅配便を整理処分してきれいにしてほしいと求めたが、女性は取り合わなかった。宅配便は女性の個人財産なので、管理側も処分する権限がなかったという。

マンション住民はすでに、宅配便の分配などを手伝うボランティアチームを結成していた。住民側が意思疎通に務めたことで、女性も宅配便の整理をようやく受け入れた。ボランティアのメンバーには熱心な人も多く、女性の室内を整理する日には36人が集まったという。

まずは、腐敗した食品を処理せねばならなかった。チームのリーダーである邱英芳さんによると、下から液体がしたたるボックスもあった。開封すると中から多くのゴキブリが出てきたボックスもあった。用意した段ボール120個を使い切ったが、その日のうちに整理できたのは3分の1程度だったという。それでも天井まで積まれていた宅配便を廊下の両側に整理し、廊下も通りやすくなった。かなりきれいにして、悪臭もかなり改善されたという。

ごみ屋敷

現地当局の職員によると、女性はわずか1年間の間にネット通販に100万元(約2200万円)も使ってしまい、手元には数百元(500元=約1万1000円)しか残っていない。遠まわしに中古品取り引きサイトでの売却を勧めたが、女性は意欲を特に示さなかったという。

女性はかつて、積極的な人生を歩んでいたことが分かってきた。若いころにはある医学大学の看護学科の夜間コースで学び、その修了証書も出てきた。また、アナウンス術と司会術も学び、その修了証書もあった。

心理学の専門家は、女性の異常な物品購入の原因は、感情面が満たされないことで発生したが、精神面の障害である可能性があると指摘した。女性はかつて、家庭を切り盛りして娘を育てることが生活の中心だったが、娘は現在は海外に住み、一人暮らしになってからはすることもなくなってしまったという。ボランティアチームの邱さんは、「宅配便の箱ならば、いくら多くても時間と労力をかければきれいに片づけられます。でも、おばあさんの複雑な心や心理的な障害は、短期間ではなかなか治らないでしょう」と述べた。

現在は、ソーシャルワーカーが女性の家を常に訪問して、コミュニケーションを図っている。皆が、女性が本当に心を開いて、家の外にも出て同年配の女性らと交流して何かの活動に参加することを願っている。住民らは、女性が宅配便の整理を受け入れたことは、大きな前進だったと考えている。住民らは海外に住む女性の娘との連絡を実現するために、女性に働きかけている。(翻訳・編集/如月隼人)

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