広州市の計画発表で注目、中国の高速リニア商業化はいつ実現するか―中国メディア
Record China / 2024年5月31日 7時0分
28日、第一財経は、時速600キロの高速リニアモーターカーが商業化するまでの道のりに関する記事を掲載した。
2024年5月28日、第一財経は、時速600キロの高速リニアモーターカーが商業化するまでの道のりに関する記事を掲載した。
記事は、広東省広州市が先日「総合立体交通網計画(23−35年)」を発表し、広東・香港・マカオ大湾区の各都市中心部を1時間で、省内都市を2時間で、近隣省の首府を3時間で、国家級主要都市を5〜8時間で結ぶ時速600キロ高速リニア建設構想と実験線建設計画を打ち出し、高速リニアが再び世間から注目を集めたと伝えた。
そして、高速リニアをめぐっては19年に四川省成都市、20年に浙江省など複数の地域がこれまでに構想を打ち出してきたと紹介。21年6月には25年までの第14次五カ年計画中に安徽省合肥市と蕪湖市間で高速リニア試験線工事を開始することを盛り込んだ長江デルタ一体化発展計画実施プランも発表されたとしている。
その上で、同済大学鉄道・都市軌道交通研究院の孫章(スン・ジャン)教授が「時速600キロの高速リニアは、速度面で高速鉄道と航空機の中間にある空白地帯を埋める存在。また、世界的の先進技術であり、軌道交通技術競争の要所と位置づけられている」と説明したことを紹介した。
一方で、高速リニア計画に対する地方政府の積極的な姿勢とは裏腹に、その建設コストが高いために実際は計画段階にとどまるケースがほとんどだと指摘。高速リニアの開発を手掛ける中車青島四方機車車両の関係者は「高速リニア建設コストは控えめに見積もっても1キロ当たり3億元(約65億円)以上かかる。試験線だけでも60〜100キロの距離が必要なため、300億元(約6500億円)を投資することになる」と明かしたことを伝えた。
また、技術的にも解決しなければならない難題があるとし、同済大学リニア交通エンジニアリング技術研究センターの林国斌(リン・グオビン)氏が「高速度運転では列車の安定性が特に重要だが、数キロの長さで継ぎ目のない軌道が使える鉄道とは異なり、複数の部品からなるリニア軌道は連続的かつ均一で平らな状況を実現することが難しく、安定性に影響を及ぼすという問題がある」と指摘したことを紹介している。
さらに、西南交通大学の左大傑(ズオ・ダージエ)教授が「軌道交通は複雑なシステムで、能力や速度、密度、路客輸送、駅、安全などさまざまな面がうまく組み合わさらなければ実用化は難しい」とした上で、現時点で高速リニアの商業運転が実現する時期を判断することは難しいとの認識を示したほか、高速輸送の需要がすでに高速鉄道と飛行機によって満たされている中で高速リニアのニーズは不明瞭であるとし、各級政府はその開発に対して慎重な姿勢を持つべきだと提言したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)
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