乱気流による機内死傷事故が連続、「地球温暖化の影響」との指摘―中国メディア
Record China / 2024年6月2日 11時0分
一方で世界的に権威ある科学学術誌のネイチャーはこのほど公式サイトに、気候変動が原因になり、今後は航空機が不安定な気象条件にさらに多く遭遇する可能性があると指摘する論文を掲載した。
英国のレディング大学も2023年発行の「地球物理学研究速報」で、気候変動と飛行機の揺れの継続時間の関係を分析した研究論文を発表していた。同研究は地球温暖化がジェット気流を変化させ、北大西洋と世界のCAT現象を悪化させたとの考えを示した。
レディング大学の研究者が北太平洋上にある「世界で航空機が最もよく使う空域」を調べたところ、1979年には17.7時間だった深刻な乱気流の持続時間が、2020年には55%増加して27.4時間に達した。同じ時期に、中程度の乱気流の持続時間は70.0時間から96.1時間と、37%増加した。米国、欧州、中東、南大西洋の航空機がよく使うその他の空域でも、乱気流は著しく増加しているという。
論文の共著者の一人であるパウル・ウィリアムズ氏は、「気候変動が将来、CATを増加させると分かった。われわれは、すでにその状況が始まっている証拠を手に入れた」と説明した。
中国の李委員も、レディング大学の研究結果には納得できるとの考えを示した。李委員は「CATの発生頻度は近年になり、確かに増加傾向にある。これは気候変動、特に地球温暖化と密接な関係がある。地球温暖化は大気中の対流活動の多発と強力化を招き、大気の垂直運動の幅も大きくする。CATが多発して航空機が飛行中に揺れる確率が増え、影響が大きくなっている」と指摘した。
李委員は乗客としての対策として、飛行中には必ずシートベルトをすべきと述べ、食事中には警戒を緩めてシートベルトを外す人がいるが、シートベルトを使用しつづけるべきと指摘した。また、揺れが続く場合には頭を下げて膝に近づけて、飛来物を避けるべきと述べた。トイレ使用でもできるだけ早く座席に戻るべきで、通路を歩いている際に揺れが発生した場合には、近くの空いている席に座ってシートベルトを締めるべきという。(翻訳・編集/如月隼人)
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