中国、商用宇宙事業を次なる米国との戦いの場に―独メディア
Record China / 2024年6月9日 6時0分
6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国が商用宇宙事業分野で米国と競争を展開しようとしていると報じた。写真は「セレス1」。
2024年6月6日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国が商用宇宙事業分野で米国と競争を展開しようとしていると報じた。
記事は、中国では4日に探査機「嫦娥6号」が人類史上初めて月の裏側から帰還し、宇宙開発の進展を実証したと紹介。一方、米国の民間宇宙開発会社スペースXは6日、人類を火星に送るという目標に向けて「スターシップ」を打ち上げたとし、 中国企業が同社に代表される米国企業に大きく遅れをとる中で、中国政府は商用宇宙開発分野で米国に追いつくことを望んでいる伝えた。
そして、あるアナリストが商用宇宙開発分野での米中競争について「電気自動車(EV)の競争に似ているかもしれない。イーロン・マスク氏が設立したテスラが業界のリーダー的存在だったが、今では多くの中国のライバル企業との激しい争いに直面している。スペースXも5年後にプレッシャーを感じるようになるかもしれない」との見方を示したことを紹介した。
記事は、中国政府が2014年に宇宙分野の一部を民間資本に開放して以降、数百という関連企業が誕生してきたと紹介。今年は中国企業による数十機の打ち上げが予定されており、6日には「セレス1」ロケットによって打ち上げられた3基の衛星が軌道に入ったと伝えた。
その上で、コンサル会社Orbital Gatewayの創設者ブレイン・カーシオ氏が、スペースXは中国企業より「はるかに先を行っている」としながらも「米中間で宇宙関連企業の上位5社または上位10社を比較すれば、中国の方が優位に立つかもしれない」と指摘し、中国の国営企業と民間企業の間には「深いつながり」があり、多くの民間企業は国営企業の元職員や政府機関の学者が設立していると述べたことを紹介した。
記事は、中国政府による商用宇宙開発への支援はますます拡大しており、23年12月には「育成が必要な戦略的新興産業」と位置づけられたことを紹介。地方政府も積極的な動きを見せており、ほとんどすべての省が何らかの宇宙産業開発計画を持っているとした。そして、今年中国で予定されているロケット打ち上げ100回のうち民間企業によるものが30回にとどまるのに対し、米国が23年に実施した109回の打ち上げでは民間企業が98回を占めるなど、現状では両国間に大きな差があるものの、「今後、差は縮まり続ける。5年後には状況が全く変わっているかもしれない」というアナリストの予測を伝えた。(翻訳・編集/川尻)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ispace-U.S. 、スウェーデン宇宙公社と協力協定を締結2026年打ち上げ予定のミッション3において月面探査の通信用地上局を提供
PR TIMES / 2024年6月25日 12時15分
-
Synspective、米Rocket Lab社と今後10機の衛星打上げに合意
PR TIMES / 2024年6月22日 22時40分
-
スペースXが大型ロケット「スーパーヘビー」着水の瞬間を捉えた動画を公開
sorae.jp / 2024年6月11日 17時9分
-
【速報】スペースX、新型ロケット「スターシップ」第4回飛行試験を実施 宇宙船はインド洋へ着水
sorae.jp / 2024年6月6日 23時45分
-
【更新】スペースX、新型ロケット「スターシップ」第4回飛行試験を実施へ 早ければ日本時間6月6日夜に
sorae.jp / 2024年5月28日 17時42分
ランキング
-
1工場火災で22人死亡=多数が外国人労働者―韓国
時事通信 / 2024年6月24日 21時39分
-
2日本人母子、刃物で襲われ負傷=ほか女性1人重体、男拘束―中国蘇州
時事通信 / 2024年6月24日 23時28分
-
3ラファのハマス、壊滅間近と分析 イスラエル「戦闘部隊機能せず」
共同通信 / 2024年6月25日 8時51分
-
4米機密漏えいのアサンジ被告釈放=有罪認め司法取引、豪帰国へ
時事通信 / 2024年6月25日 12時2分
-
5登山者を悩ませる「ヒル」、実はジャンプできると判明! 100年の疑問を解決する「決定的瞬間」の動画
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月23日 7時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください