実験室で肉を「栽培」、赤身と白身の割合も自由に調整―中国
Record China / 2024年6月14日 13時30分
南京農業大学肉品質制御・新資源創成全国重点実験室では3Dバイオプリンティング細胞培養肉の研究が行われている。
規則正しい「印刷音」の中、赤と白の「バイオインク」が入ったプリントヘッドが前後に動き、白いトレーの中の四角い「豚肉」が徐々に厚くなり、美味しそうな色に変わってきた。南京農業大学肉品質制御・新資源創成全国重点実験室に足を踏み入れると、科学研究者は3Dバイオプリンティング細胞培養肉の研究を行っていた。新華網が伝えた。
南京農業大学特任教授で、実験室の周光宏(ジョウ・グアンホン)室長は、「3Dバイオプリンティング細胞培養肉技術はすでに成熟している。形でも赤身と白身の割合でもパーソナライズできる」と述べた。
周氏は、「『細胞培養肉』は肉類の動物の体内における成長の法則に基づき、体外培養やバイオマニュファクチャリングの方法を利用し動物の細胞を培養し生産する食用肉だ。つまり飼育と屠殺をすることなく肉を食べられ、食感や風味をコントロールでき、さらにタンパク質や脂肪の量を人工的に調節し、飽和脂肪酸を減らすことができる」と述べた。
周氏は2009年にチームを率い、「幹細胞肉」を目標とする研究活動を開始した。チームは19年に「豚肉」5グラムを培養し、中国初の「細胞培養肉」が誕生した。23年には細胞培養豚脂肪500リットルバイオリアクターのパイロット量産を実現し、最終的に5キロの「細胞培養肉」が誕生し、産業化の道がほぼ築かれた。
周子未来研究開発センターの職員である况毅(クアン・イー)氏は、「豚や牛の飼育には数カ月、さらには数年かかるが、細胞培養肉を工場で生産するようになると、生産期間は数週間しかかからない」と述べた。ドイツの調査会社スタティスタ(Statista)のデータによると、40年には世界の肉製品市場のうち40%が通常動物肉、35%が細胞培養肉、25%が植物タンパク肉になる。
周氏は「大まかな計算によると、細胞培養肉が量産の段階に入れば、エネルギー消費量を大幅に削減でき、温室効果ガス排出量を78~96%、土地使用を80~99%、水使用量を82~96%減らせる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
PwC Japan、「食卓で起きる変革と代替」 調査結果を発表
Digital PR Platform / 2024年7月22日 15時11分
-
東北大、死細胞が老化を抑制する物質を分泌していることを動物実験で確認
マイナビニュース / 2024年7月3日 7時2分
-
酵素分解ローヤルゼリーが老化症状の予防に貢献する可能性 - 山田養蜂場の研究
マイナビニュース / 2024年6月26日 16時54分
-
広東省深セン市、現代的な「バイオファウンドリ工場」を建設―中国
Record China / 2024年6月25日 21時30分
-
インテグリカルチャー、『勝手場』のサービス開始みんなが使える細胞農業の実現に向けた最初の一歩
PR TIMES / 2024年6月25日 11時15分
ランキング
-
1「土用の丑の日」物価高でも…あの手この手の“うなぎ商戦” 大手スーパーの目玉は「超特大」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 19時59分
-
2イタリア人が営む「老舗ラーメン店」の人生ドラマ 西武柳沢「一八亭」ジャンニさんと愛妻のこれまで
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 11時30分
-
3「最高益の会社」の株価が上がらない当然の理由 相場に影響を与えるのは過去のデータではない
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 16時0分
-
4日本企業が「20年で世界から没落した」2大理由 日本企業の「現場」で"何が"起こっていたのか
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 9時40分
-
5なぜユニクロは「着なくなった服」を集めるのか…「服屋として何ができるのか」柳井正氏がたどり着いた答え
プレジデントオンライン / 2024年7月22日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください