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中国の新エネ車販売台数が過去最高に、値下げ合戦にトヨタやベンツを巻き込みデフレ経済を推進か

Record China / 2024年6月26日 8時30分

さらに、4月21日に全車種を1万4000元(約28万円)値下げした。これは消費者に刺さり、5月の販売台数は前年同月比30%増の5万5000台となった。1~5月の累計でも0.5%減とほぼ前年並みに戻した。

BYDは値下げ余力に富む

BYDは春節(旧正月)後に「電気は石油より安い」というスローガンを掲げ、価格競争に挑んだ。まず新型プラグインハイブリッド車「秦PLUS栄耀版」「駆逐艦05栄耀版」を発売したが、前モデルより平均2万元(約40万円)安かった。これで秦PLUSハイブリッドモデルが7万9800元(約160万円)から、EVモデルが10万9800元(約220万円)からと、手の届く価格になった。テスラにはない大衆向けモデルの大幅値下げだ。長安、哪吒、五菱など他の国内ブランドもすぐ追随した。

メディアはBYDの値下げ理由として、原材料コストの削減、販売規模拡大効果、旧モデル生産ラインのコスト回収とその後の柔軟な調整、競争激化に伴う戦略的調整、事業戦略と生産能力計画などを挙げた。つまり値下げ余力があったという主張だ。

BYDの5月の販売台数は前年同月比38.1%増の33万1800台で、1~5月の累計では前年同期比26.8%増の127万1300台だった。他に、ファーウェイ(華為技術)系の鴻蒙智行のほか、シャオミ(小米)、蔚雷、小鵬、理想などの新勢力も好調だった。新エネルギー車市場の回復は明らかだと報じられたが、過剰生産と在庫については触れていない。

値下げの波はトヨタやベンツにも波及

新エネルギー車の値下げ合戦はマーケティング戦略変更などのきれいごとではなく、在庫圧力から始まった。補助金の打ち切りとその波及効果だ。それが外国ブランドにも影響を及ぼし、トヨタやベンツが大幅値下げに踏み切ったことがメディアをにぎわせている。

ベンツは数年前にエントリーモデルを発売した。7人乗りコンパクトSUVのGLBシリーズだ。当初は31万1900~36万7900元(約624万~736万円)だったが、現在は販売店によっては17万9000元(約360万円)まで下がっているという。もともとベンツにしては中途半端なポジションの車で、価格競争に飲みこまれやすかった。

トヨタは看板車種のカムリを値下げした。これまで17万1800~20万6800元(約344万~414万円)だったのを、新型ではガソリン仕様を13万9800元(約280万円)から、ハイブリッドを14万9800元(約300万円)からに変更した。チップ構成をグレードアップし、運転サポート機能も強化されていた。この値下げは大きな波紋を呼んだ。「もうメーカーによる独占的な価格設定は通用しない」「傲慢なトヨタの鼻はへし折られた」などと報じられた。

新エネ車がデフレ経済のけん引車に

中国の工業生産をリードしてきた新エネルギー車だが、実際は過剰生産に伴う在庫過多から値下げを余儀なくされている。今年に入り、内燃エンジン車にも波及し、自動車業界全体がデフレスパイラルに入った。欧米には追加関税を課せられ、輸出もままならない。公称106万台のままの在庫も気になる。このままでは産業としての付加価値を棄損するばかりだ。工業生産ではなく、デフレ経済のけん引車になってしまった。減産は避けられそうにない。

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