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中国各地で洪水被害、気候変動よりも直接的な理由があった―仏メディア

Record China / 2024年6月27日 7時0分

中国各地で洪水被害、気候変動よりも直接的な理由があった―仏メディア

25日、仏RFIの中国語版サイトは、中国で頻発する自然災害について気候変動以上に直接的な原因を紹介する記事を掲載した。写真は湖南省長沙市。

2024年6月25日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国で頻発する自然災害について気候変動以上に直接的な原因を紹介する記事を掲載した。

記事は、近ごろ中国全土で異常気象が発生しており、広東省梅州市や福建省、江西省、広西チワン族自治区桂林市で記録的な高温が続く一方、湖南省で記録的な降水量となり、長沙市では集中豪雨により少なくとも5人が死亡したと紹介。首都北京市でも最高気温35度の予測が出るなど高温が続いており、 一部の学者からは中国国内の異常気象を気候変動と関連づける見方も出ていると伝えた。

そして、パリにあるキュリー大学の学者で、フランス国立科学研究センター(CNRS)の上級研究員である李肇新(リー・ジャオシン)氏が以前、「気候変動システムは非常に複雑で、その予測には大きな不確実性が伴う。中国の気温が全体的に上昇し、内陸部が沿岸部よりも温暖化していることは間違いないが、気温上昇によって生じる降水量の変化については、確実なことは言えない」との見解を示していたことを紹介した。

記事によると李氏はさらに「一部の気候モデルでは、温暖化によって内陸部の降水量が増加し、中国南部での洪水と北部での干ばつというパータンに変化が生じる可能性が予測されているが、北部の平均降水量は増加する可能性があるものの、だからといって北部の干ばつが解消されるわけではない」とも論じている。

記事はその上で中国各地で発生している自然災害について、気候変動の影響もさることながら中国全土の都市計画や建設、貯水池管理といった問題が直接的な原因となっているようだと指摘。ドイツ在住の水利専門家、王維洛(ワン・ウエイルオ)氏が「北京・天津地域の豪雨と洪水は、河川の自然流路を変更した南水北調プロジェクトなどが関係している。河南省鄭州市の洪水は、上流の貯水池からの放流と市の建設計画が原因であり、中国政府関係者も同市行政関係者の過失を認め、同市共産党委員会書記を罷免した」と解説したことを紹介した。

さらに、広西チワン族自治区桂林市で最近発生した30年に1度という規模の洪水について「洪水は当局のダム放流が原因」と訴える市民に対し、ダム管理者が「ダムはすでに満杯で放流するしかなかった」と主張していると紹介した上で、王氏が「ダムは発電にも洪水調節にも使えるが、そのバランスを取るのが難しい。発電するには水位を高く、洪水を防ぐには水位を低く保つ必要がある。 経済的利益をすべてに優先させるというのであれば、ダム下流の人びとは常に洪水に備えなければならない」と述べたことを伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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